破滅竜が美少女と化した遊戯王GX   作:SOD

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 主人公のデッキの原型と原案が組み上がったので、ストーリー進めていく


【破滅】と【創世】

 

 

 

 一宮徳彦 LP300

 

 白夜離人 LP4000

 

 

 「チッ!!」

 

 「ーーっっ!?!?」

 

 

 大袈裟に音を鳴らす舌打ちが響き、一宮が全身を震わせた。

 恐る恐る後ろを見ると、そこには殺気をみなぎらせた己のボスーーサウザーの姿。

 

 「ぼ……ボス…………っ」

 

 「一宮ァ……テメェ、()()()()()()()()な?」

 

 

 『分かってんだろう』。その意味は極めて単純な死刑宣告。

 

 このデュエルは、白夜離人が一年生全員の前で自身をコケにしたことに対する制裁。或いは、様子見の筈だった。

 

 もし、白夜離人のデッキが前世から持ち込まれたモノであれば。短絡的かつ直情的な筋肉ゴリラのこの男と言えども勝ち目はゼロであったとして、手下の敗北を咎めることは無かっただろう。

 

 だが、白夜離人が使用したモンスターは『ゴールド・ガジェット』。これはまだ良い。デッキパワー的にはもはや自身の足元にも及ばないと言えども、このデュエルアカデミアで無双系転生者ムーブをするには充分な力を持っている。少なくとも、ここからレベル4モンスターを並べてリンクなりエクシーズなりしてくるのだろうと、サウザーは考えていた。

 

 

 だが、実際は違った。ゴールド・ガジェットの効果で特殊召喚したモンスターは、事もあろうに『起動兵士デッドリボルバー』。これは、現代基準で考えれば採用の余地の無い雑魚カードだ。

 デュエルアカデミアの基準で考えても、守備力2000に加えて状況次第で攻撃力が2000になるモンスターが強いカードかと言われればNOだろう。防御で考えても攻撃で考えても、優先して採用する理由は皆無だ。

 

 

 そんなカードを使い、あまつさえエクシーズも何もせずただ殴ってターンエンドを宣言した白夜離人へサウザーからの総評は……。

 

 

 「テメェ、そんなネタカード使って遊びに来たようなヤツに負けやがったら…………。

 

 死刑(シケイ)だ」

 

 「ヒッーー!?」

 

 本気だ。本気の目をしている。そもそもこのサウザーと言う男は、デュエルアカデミアの生徒は勿論、教師でさえも生命ある人間として見ているように思えない振る舞いをしているのだ。

 

 (じょ、冗談じゃない……ッッッ!!

 サウザー様に取り入って取り入って、カードを貰ってようやくオシリスレッドからオベリスクブルーに昇進して、四天王の側近までのし上がったんだぞ。

 

 こんなところで終われるわけねぇ。オレは、ここから更にのし上がって卒業してプロリーグへ行くんだ! 行ってもう誰もオレをバカに出来ねぇようにするんだよ!!

 

 オレは、オレは……!!)

 

 「こんなところで負けるわけ行かねえんだよ!!!! ドロー!」

 

 「ーードローフェイズ時、リバースカードオープン」

 

 力強く、デステニードローを狙った一枚。だが、それは無情に服す。

 

 「罠カード『破壊指輪(リング)』。

 起動兵士デッドリボルバーを破壊して、お互いに1000ポイントのダメージを受ける」

 

 「……は? え?? はぁ!?!?」

 

 

 「わざわざ先手を取って『ゴブリン突撃部隊』を攻撃表示で召喚して伏せカードも無しにエンド。

 

 だけならまだしも、俺の引きは『地割れ』だった。

 敢えて引き伸ばすことも出来るが……まあ、時間の無駄だろうな。

 

 

 俺がお前の立場なら、相手が守備表示でモンスターを出す可能性は少しでも潰すかそもそも後攻を取る。

 

 

 兎にも角にも……俺と戦うには、()()()()()()()()()()()()()

 

 

 「あ、ああ……うわあああああああーー!!!!」

 

 

 白夜離人 LP3000

 

 一宮徳彦 LP0

 

 

 

 

 

 

 「あ、ああ…………ま、負け……っ」

 

 膝を折って項垂れる敗者を視界から消して、白夜離人は前に進んだ。

 

 

 

 

 

 「さて……サウザーさんだっけ? アンタの腕は知らないが、部下はお粗末極まりない。

 

 オウサマごっこがしたいなら奴隷の調教くらいしたほうが良い。

 

 それとも、過労死するほどのワンオペが望みか?」

 

 

 離人の言葉に、サウザーの部下たちがザワつく。

 サウザーは箸が転んでもキレるような人格だ。こんなことを言われて黙っていられる筈もなく…………。

 

 「…………ふん。

 

 言い方は気に入らねェが……まあ、一理あるちゃあ有る」

 

 “““““ーー!?!?!?”””””

 

 予想外の発言に、部下たちが更にザワめいた。

 

 「デュエルアカデミアは既にオレ様達の城だ。

 

 そんでもQOL上げるためにゃあ、確かに奴隷の調教は必須だわな」

 

 「話が分かるね」

 

 「フン」

 

 

 獰猛な野獣のような笑みを浮かべながら、サウザーがデュエルディスクを装着した。

 

 「そんじゃあ一先ず……新しい奴隷の調教から始めるとするか」

 

 「ああ、やっぱりそう来る?」

 

 好戦的な野獣の眼光を、快楽主義の道楽が受け入れる。

 

 両者ともいい感じに間を開けて、ディスクを構え……。

 

 

 

 「サウザー。今日は顔見せだけの予定だが……?」

 

 

 

 待ったをかける声にキャンセルされた。

 

 「…………ジェネシス。

 コイツは、転生者だ。不穏な芽は摘んでおくに限るだろ」

 

 かったるそうな顔をしながら、サウザーが状況を語った。

 

 

 「……………………知っている」

 

 

 「何だと?」

 

 サウザーの声を尻目に、ジェネシスと呼ばれた男が離人に歩み寄った。

 

 

 「キミが来るのを待っていた」

 

 「何だって?」

 

 ジェネシスは心底嬉しそうな様子で、色気有る声色の言葉を紡ぐ。

 

 「季節が巡り、オレはこのデュエルアカデミアを手中に収めた。

 

 季節が巡る。勝利の女神に選ばれた二人の試練が、始まる」

 

 

 「………………何言ってんの? アンタ」

 

 「そして、季節が始まるんだ…………」

 

 

 自分の世界に頭の先までずっぷり浸かっている発言に耐えきれなくなった離人は、サウザーの方を見て…………。

 

 

 「オタクのお友達、大丈夫か?」

 

 「……………………オレ様に聞くな。

 

 

 ちっ、こうなると長えんだコイツは……。

 

 今日のとこはここでお開きだ。行くぞテメェら!」

 

 

 「おいおい、何とかしてくれよこのお兄さん。

 お前らの仲間だろ?」

 

 

 「…………………………………………無理だ」

 

 

 「そんなバカな……」

 

 

 ゾロゾロと引き連れていた手下と共に、サウザーは教室を去っていく。

 

 よもやこの痛い人と取り残されるのかと、最悪の未来が頭をよぎったその時。

 

 

 「しかし、どうやらまだキミはオレと雌雄を決する準備が出来てはいないようだな……」

 

 「雌雄を決する準備……?」

 

 「ああ。そのデッキ、まだ『未完成』だろう?

 

 だからオレは待とう。約束の無いいつかの明日に、キミとオレの魂が激突するその瞬間を夢視ながら……」

 

 そう言いながら、ジェネシスが一枚のカードを取り出して離人に見せた。

 

 

 〘創世(リジェネシス)(ゴッド) デウテロノミオン〙

 

 

 「何だそのカードは……見たことが無い」

 

 「ああ、そうだろうな……これはキミがこの世界に訪れた後に作られたカードだ。

 

 だが、戦うことを運命付けられたオレ達二人の切り札が【創世】と【破滅】なのは、実に世界の命運を左右するに相応しい。

 

 キミの〘破滅竜ガンドラX〙が十全に力を発揮するデッキを構築出来た時、この世界の運命が決まる。

 

 

 新たな世界へ再世(リ・ジェネシス)するのか。

 

 破滅し、世界の終演となるのか………………もう、はじまっている」

 

 

 

 「……………………〘創世(リジェネシス)(ゴッド) デウテロノミオン〙。か……」

 

 『…………離人くん』

 

 

 「フフフフ……キミの女神も実に美しい姿だ。破滅の冠に相応しい」

 

 『ジェネシス、浮気するつもり?』

 

 

 「いいや。オレの女神はお前だけだ、デウテロ」

 

 

 『…………なら、ゆるす』

 

 

 

 「ああ……実に待ち遠しいな。()()()()

 

 いつか必ず、逢おう。そして、雌雄を決する。『主人公(リィヤーナ)』を賭けて…………」

 

 

 

 そう言うと、ジェネシスは部屋を退室した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……………………ジェネシス、ねえ」

 

 『意味ありげなこと言ってそうで、何も中身が見えなかったわね』

 

 「そうだな…………それに、破滅竜(おまえ)を十全にするデッキと来た。

 

 そんなおぞましいもの、俺は組む気無いんだがね…………」

 

 『……うそばっかり』

 

 「何がだよ」

 

 『この世界で手に入るカードで、どうやって破滅竜(わたし)を使うのか。もう考えてるじゃない』

 

 「人の思考を読むんじゃない、破滅竜め」

 

 『嘘よ。当てずっぽで言ってみただけ』

 

 「…………フン」

 

 『良かったわね。マスター。

 

 退屈しない日々が来そうで』

 

 「まあ、それはそうだな。

 

 思ってたのと尽く何もかもが違うが……まあ、楽しければ良いさ。

 

 デウテロノミオンか。あんだけ真正面から挑戦されると……久しぶりに血が騒ぐ」

 

 『闘気が溢れてる……素敵よ、離人くん……♡』

 

 

 

 

 「さぁて、これから忙しくなる。

 

 まずは…………ジョンや十代、それに旧溜永ルナとタイマンで修行編だな。デッキがショボいのは事実だし。

 

 

 

 楽しい学園生活、満喫出来そうだ」

 

 

 

 

 

 

 






 次回予告

 破滅竜『唐突に変な人類に運命のデュエルを申し込まれた私の愛するマスター離人くん。
 取り敢えず今手に入るカードでデッキを強化していくことにしたわ。

 前世のカードが有れば簡単にデッキを強化出来るらしいけど、本人はこの制約と不自由ばかりのデッキ構築を意外と楽しんでいるみたいね。

 そんな彼の組み上げた、破滅竜を活かしつつ戦えるこの世界のカードプール限定デッキの正体と力はどうなるのかしらね? 離人くんの選んだ意外なカードのチョイスとは?


 次回、ユニオンモンスターの性能テスト。

 デュエル・スタンバイ』
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