「全然ダメじゃねえか。ユニオン」
ジョン……もとい、万丈目準とのデュエルを終えた離人は、寮の自室のベッドにわが身を投げると同時に本音を漏らす。
「だから言ったじゃない……貴方にはただ、ワタシだけがいれば良いのよ……」
同時に、実体化した
太ももで腹を挟み、胸で鎖骨を柔らかに圧迫し、両手で頬を包みながら、美しい黒髪が肌をくすぐる。
相手は破滅竜と本質を理解していながら、目は美少女を映し出し、鼻腔と肌は女を感じる。このまま自身の『男』に理性を委ねたならば、献身的な快楽が待ち受けることだろう。
それをよく理解していて、離人は彼女を鋼鉄の腕で押し退けた。
「冗談じゃない。
お前はツマラナイんだ。召喚すれば確実に相手を葬り去らなければ、破滅のタイムリミットが襲いに来る。
そうならないようにするならば、確実に一撃で相手を仕留めるデッキ構築をしなきゃならない。
せっかくこんなローテンポに、カードで対話や駆け引きを楽しめる世界にいるって言うのに。ワンキルは頂けない。
お前の使い方は、やはりたまにサプライズで出てくる程度が丁度良いのさ。武藤遊戯がそうだったようにな……」
「酷い人。
貴方がそうやって愉しむ度に、切り札のワタシは嫉妬で狂いそうにになるのよ?
せめて、狂わずにいられるように『待て』のご褒美くらいは送ってもらわないとね……」
ガチン。
離人の義手が肩から外される。
隻腕となったカラダは、少しだけ邪魔な衣服を剥いてしまうのに丁度よい。
カラダを押し倒し、シャツを乱暴に
乾いた喉を潤す黄金の水を嚥下するように、一方的に味わう。
「ご主人様の『良し』も待てずに、エサに食いつくのか? とんだ駄犬だ……」
「貴方が悪いのよ。ヨダレを垂らして唸る犬を、いつまでもエサで弄ぶから。
その上、ワタシを都合がいい時だけ喚ぶだけの女にするだなんて………………貞淑であり続けるのも考えものね。
時には女から襲うことも必要だとハッキリ理解したわ」
「やれやれ……都合の良いように言ってはみても、つまりはこういう事だろう?
『化けの皮が剥がれました』とさ」
「良い口説き文句ね……そのまま剥ぎ取りに来て? そしてワタシを、身も心も貴方のモノにして。
貴方の心臓に手榴弾を括り付けて、ロックのピンに鎖を繋ぐの。鎖の先は、ワタシの首輪。
二度とワタシを離せないようにして。そして二人で永遠を誓うの…………!!
「………………!」
ガンドラの唇が離人に口に触れようとしたその時。
ピンポーン。
寮の呼び出し音が鳴った。
「お〜い、白夜w
えっちなDVDならイヤホン付けなよ〜音漏れてるぞ〜♪
ってかぁ、やけにセリフ臭い声だけどぉ。もしかしてぇ、台本ありのイメージプレイwww? 白夜性癖ダルっ☆」
呼び出し音の主はルナ。顔も見えないが、キンキンのアニメ声で煽り口調な女子は他にいるまい。扉の向こうの声だと言うのに、周波数が高いせいでハッキリ聞こえるのだ、
「……………………………………」
「聞こえたろ? 音が煩いとクレームだ。ご近所トラブルになる前に俺から降りろ破滅竜」
「……………………………………」
離人の言葉に、彼女はただ俯いていて返事をしない。
「…………お預けが応えたか?
まあ、そもそも神聖な学び舎の宿舎で許されるようなことじゃないというコトで……」
「ど……どれだけ羞恥心に耐えて、拒絶される恐怖と戦って、ここまで来たと思っているのよ………………っっ」
「え? なんか言ったか……」
「………………許さない。あの女……っ。
だいたいなんなのよ、ワタシの御主人様に気安く近づいて話しかけて……っっ」
「え……??」
ようやくガンドラが顔を上げる。
赤面して、涙目で、怒りに震える顔を…………。
「もう、許さないーー!!!!」
「お、オイ!? ガンドラ!!」
離人から飛び降りたガンドラは、扉を力強く開けて部屋を飛び出す。
「うおっ☆ びっくりした〜。
って、ガンドラの精霊じゃん〜? あ、もしかしてオタノシミ中でしたぁwww?
ゴメンゴメンwwwまさかこんな昼間から発情してるなんて思わないジャン〜?
…………っていうか、見た目に反してアタマ性欲過ぎじゃんね〜」
「ルナ!!!!」
「はぁ〜い♡
名前覚えてくれてたんだね〜偉い偉いーー」
「ーー決闘よ!!」
「ーーゑ?」
「貴女が勝ったら望み通りにしてあげるから、ワタシが勝ったらもう離人くんの半径15メートル以内に踏み入らないで!!」
「ハァ……学校のクラスメイト同士なのにそんな距離感は現実的に不可能だろ。
いいから落ち着け破滅竜ーー」
「ーーお〜www面白そうじゃん、イイよ☆」
「受けるのか」
激怒する乙女と、キシシと笑うメスガキ。長身と低身長、巨乳と貧乳。デコボコな両者の決闘が、今始まる!!
「………………どうやって決闘するんだ……?」
次回
破滅竜と正体不明のメスガキ、ファイッ!!