カードパワー控えめだからやりたいことだけさせて後で辻褄合わせるのがものすごく楽なのもある。
ところで美人でエッチなお姉さんとメスガキが男を取り合うシチュとか興奮します。
二巡目。万丈目のターンから。
「オレのターン。ドロー」
カードを引いた万丈目が意識を向けたのは、離人の伏せた五枚のカード。
(白夜離人……奴はこのオレほどでは無いにしても、公式大会で記録を残したことでオレと並んで特例でオベリスクブルーとなったデュエリスト。
そんな奴が一ターン目で伏せたカードが五枚。ブラフなどと考えるのは都合が良い……いや、狂人の思考と言っていい。
問題なのは、奴がこのオレのターンでその伏せた五枚のカードをどう使用してくるのか。
或いは温存するのか……)
これが一対一のデュエルであれば、今場に出ている始原竜で攻撃してみて反応を見ることも出来る。そこから離人のプレイングとデッキレシピを推察し
だがこれは四人の決闘者が卓を囲むバトルロイヤル。全ての行動が意味を持ちノイズとなりうる魔境。
「つまり、今のままで何を考えようとも机上の空論。
ならば……当初の目的を遂行するのみ!」
万丈目の視線が離人から外れる。そして新たに定めた先には……。
「アハハ☆なぁ〜にぃ万丈目。アタシに惚れちゃったぁ〜?」
「その減らず口、先ず地に伏せて利けなくしてやろう! オレはプライマル・ドラゴンを生贄にーー」
万丈目が手札からカードを抜き……。
「ーーおっと! 万丈目がメインフェイズに移るなら、その前にカードを開かせてもらおうか」
同時に離人が待ったを掛けた。
「何だと!? こんなタイミングで一体何をすると言うんだ!」
「まあそう焦るなよ。これは言うなれば……『見栄え』ってやつさ。
リバースカードオープン。永続罠『聖なる輝き』」
「………………聖なる輝き……だと?」
「むぅ〜〜ん?? 白夜、なぁんでそんなつっかえないカード入れてんのぉー?」
「聖なる輝き……?
確か手札からモンスターをセット出来なくなって、あと手札からモンスターを守備表示で召喚するなら表側で出すってカードだっけ?」
「フフフ。まあ、エンジョイ勢の気持ちばかりの原作再現ってやつさ。
手札からモンスターを出す時、表側守備表示で召喚出来た良いなって場面も無いでもないしな。
さあ、俺は気が済んだからターンを続けてくれ。万丈目くん」
「まあ良い。
ならば今度こそ、始原竜 プライマル・ドラゴンを生贄に捧げーー」
プライマル・ドラゴンを中心に渦が巻き、何かに捧げ奉られるエフェクトが入る。
「『クリスタル・ドラゴン』を召喚!」
クリスタル・ドラゴン ATK2500
クリスタル・ドラゴン 星6 光属性 ドラゴン族
2500/1000
①【条】1ターンに一度、このカードが戦闘を行った自分ターンのバトルステップ時に発動出来る。
【効】デッキから星8ドラゴン族モンスターを手札に加える。
「クリスタル・ドラゴン……そうか、『光と闇の竜』のサーチ手段か」
「生贄にしたプライマル・ドラゴンの効果発動。
クリスタル・ドラゴンはこのターン、二回攻撃出来る!
行くぞ旧溜永ルナ! クリスタル・ドラゴンでセットモンスターに攻撃だ」
「アハハハ! 来た来た頭よわよわ単細胞〜!!
アタシのセットモンスターはジャイアントウィルスだよ〜☆」
「ジャイアントウィルス!? それって戦闘で破壊されたら……」
「そう。ジャイアントウィルスは、戦闘で破壊されたら相手に500ポイントのダメージ。
しかもその後デッキから好きなだけジャイアントウィルスを攻撃表示で特殊召喚出来る!
考え無しで攻撃した万丈目は勝手にダメージを受けて、その上アタシはモンスターが増えるんだよねぇ〜残念でしたーwww」
「フン。頭が弱いのは果たしてどちらかな?」
「うーん?」
「クリスタル・ドラゴンのバトルステップ時、リバースカードオープン。『竜の逆鱗』!
オレの場のドラゴンの攻撃は全て貫通攻撃になる!」
「なっ……!?」
クリスタル・ドラゴン ATK2500 VS ジャイアントウィルス DEF100
「きゃあああっ!!」
旧溜永ルナ LP1000
「おおっ! 思わぬ大ダメージだな。
流石はジュニアチャンプの万丈目。攻撃が半端じゃないぜ」
「あんまり関係は無いだろうが、それでも態々ジャイアントウィルスが伏せモンスターだと口を滑らせたのは、失敗だったな」
「さあ、旧溜永ルナ。喚ぶが良い。ご自慢の
オレのクリスタル・ドラゴンが情け容赦無く粉砕してくれる」
「…………ジャイアントウィルスの効果発動」
「オレにチェーンは無い」
「だったらアタシは更にリバースカードオープン! 罠カード『道連れ』!!」
「『道連れ』だと!?」
「フッフッフー♪ 『道連れ』は自分のモンスターが場から墓地へ送られた時に発動出来る罠カード。
場のモンスターを対象に取って破壊するよ! ざぁんねんでしたー☆」
「ぐっ……キサマ!!」
道連れの効果によりクリスタル・ドラゴンが破壊。
更にジャイアントウィルスの効果により万丈目にライフダメージが入り、二体のジャイアントウィルスが特殊召喚された。
万丈目準 LP3500
ジャイアントウィルス ATK1000 ×2
「やっぱり単細胞だ……ばぁーか♡」
「まさか道連れとはなあ。
やるなぁ、ルナ!」
「とーぜんじゃん♪」
なお、この世界の『道連れ』は碌な罠カードが無いこともあって一線級の性能だ。
グレイモヤとかミラフォとか破壊輪とか激流葬とかが軒並みクソ馬鹿高いと言うのが碌なカードが(流通して)無い主な原因だが。
「さぁ〜て、モンスターを失った万丈目はぁ〜ここからどうするのかなぁwww?」
「カードを伏せて、ターンエンドだ……」
「だぁーよねぇ〜。
じゃあ、アタシのターン。ドロー」
万丈目が苦虫を噛み潰したような顔でエンドを宣言。
そのままルナがカードを引く。相変わらず、ターンプレイヤーとなった時は別人のように姿勢が美しい。
「ルナの場にはジャイアントウィルスが二体か。
手札に最上級モンスターがいれば召喚して一気に流れを掴む……ってなりそうなとこだけど……」
「うぅ〜ん。
そうするにはぁ……やっぱチラつくよねえ。白夜の伏せすぎリバース」
「フフフ。お気遣いなく動いてくれて構わないぜ、お嬢さん」
「………………その余裕の表情、わからせたいなぁ〜♪」
『何を言っているのかしらあの小娘……離人くんを分からせるのも離人くんに分からせられるのも私だけの特権よ……!!
絶対に赦さなイ……!』
「デュエルと関係のないところで火花を散らすな、殺意を放つな、俺の首と頭から腕と胸と太ももを離せ破滅竜」
『わかってるわよね離人くん……いざとなったら私を召喚してデュエルを、いいえあの女とトラゴエディアを諸共破滅に追い込んでーー!!!!』
「それはもう破滅竜じゃねえ。邪神の仕事だ」
「ん〜〜……よしっ! きーめた!
今からアタシ、白夜を集中狙いする☆」
『………………!!!!!!』(怒気を放つ美少女)
「ああもう邪魔くせえなあオーラがよお」
「先ずはその罠カードの対処だっ!
永続魔法『冥界の宝札』を発動」
冥界の宝札。
二体以上のモンスターをリリースしたアドバンス召喚に成功した場合に強制発動。
二枚ドローする。
「冥界の宝札……旧溜永のデッキは【冥界軸最上級】か」
「さあ、他のざこざこなモンスターとは違うアタシだけのモンスター。見せつけちゃうよ!
ジャイアントウィルス二体を生贄に捧げーー」
(何が来る……? トラゴエディアってことは無いだろうし………………ん。トラゴエディア………………あ)
「まさかアイツのデッキの最上級モンスターってーー!!」
「召喚!!
「……やはりプラネットシリーズか。ったく、つくづく予想を裏切ってくれるぜ」
「フフフフ……いっぱいシてあげるから、すぐに負けたりしないよーにね♡」
【冥界軸最上級】。
事故る。戦術のコアが軒並みサーチ出来ない。事故る。回ったからと言ってそこまで強くはない。事故る。
最上級を出しまくるロマンに脳を焼かれた往年のデュエリストが使用したデッキ。
作者は大学のサークルもどきの集まりで使用して事故った。
でも夢だけは無限大。何も無い世の中じゃ愛しい思いも負けそうになるけどロマンがある。