~東方忘却郷~ 忘れられた世界の軌跡   作:クシ・ヤキ

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少し心がけ改めて、練習をしてきました。あとは書きたいことを書くだけです。


未知の世界、目覚めた力

 

 

「…ここは何処だ」

 (少し戸惑いながら辺りを見渡し考える)

 俺は何故ここにいる?…そもそも俺は誰だ?何も分からない、ただそこにあるのはとても広い草原のみ木すらも見当たらない。

 

――取り敢えず俺の今の状況を確認しよう服装はパーカーと長ズボンか、それにネックレス?宝石がついてるな、俺は無意識にこのネックレスを握りしめた。見覚えの無い装飾品、けれども不思議と心が暖かくなる気がした。その他は…まぁ無いな

 

「それじゃあ次に何をするか決めなきゃな」

 ここで取り乱すのは絶対にやってはいけないことだ、冷静にならなくては何も始まらない。ましては取り返しのつかないことになる可能性だってある、だったら冷静になってどうするのかを決めなきゃないけない。

  

「まぁ、適当に歩いてみるか」

 

*************************

 

 しばらく歩いていると岩と木などの自然物が見えてきた。

 

「やっと何か見えてきたな…何にもなかったらどうしようかと思ったんだが何とかなったな。」

 だが、自然物があると言うことは生き物も居ることが確定したな。それだったら水もあるはずだ、次は水を探すか。

 

――ズシン!

 (地響きのような足音と同時に地面に巨大な影が伸びる)

 

「……」

 おいおい嘘だろ…この影だけでもそこの岩と同じぐらいはあるぞ……

 

『ドクン、ドクン』 

 心臓の音が早い、今にも心臓が爆発しそうなほど音がする。

 

「……ッ!」

 こうなったら一か八かだ!全力で逃げるしかねぇ!目的地は無いが今はただこの化物から逃げることだけを考えろ!

 こんなことになるんだったらこっちに来なきゃよかったわクソッタレが!

 

 ――10分位走り続けてやっと逃げることができた、まぁ俺が木の影に隠れてその隣にアイツはいるんだけどな。

 冗談じゃねぇよ、何だこの世界…コイツが異常なのかそれともコイツが普通なのか。後者だった場合、いや…考えたくもないな。

 

「ガルルルッッ!」

 

 見つかった、逃げ場は…無いな。やるしかないようだ

 

「ハァ…」 

 人間、絶望と言うか…なんと言うか…そんな状態になると逆に冷静になれるんだな…まぁ――

 

「やるだけやってやるよ」

 奇跡は、起きるもんじゃない…起こすもんだ!

 

「ウォォオオラァァア!!」

 俺は拳を振り上げ目の前の化物向かって全力で殴りかかる

 

 

――しかし…そう簡単に奇跡は起こせるわけでもない。

 

「グハァ!」

 殴りかかるが片手で受け止められ逆に殴り飛ばされて岩へ衝突する。

  

 ...だけどな今ので少しはわかった事もあるんだぜ?

 

「もう一度だ…」

 

  化物は威圧に圧倒されて動くことができない

 

「オラァ!」

 ただの殴り…さっきと同じ、ただの殴りだ。だがその威力はしっかりと化物に響いている

 

「グッ…」

 

 よろけた、今がチャンスだ。おれはそこら辺にある土を化物の目に投げる。よろけた化物は反応する余地もなくその土を眼に食らってしまう

 

「グォォ…!」

  

「もう…一発!」

 眼に土が入ったことにより怯んだ化物に対してそのまま一気に追い詰め、最後の一撃を叩き込んだ。

 

「オラァ!!!」

 

 化物が叫びを上げ、黒い血が飛び散る。

 

「…やったか。」

 静寂が戻る。荒い息を整えながら、化物の残骸を見下ろした。手にはまだ震えが残っていた。

 

「少し…疲れたな…」

 急に睡魔が襲ってきたため仕方なく寝ることにした。仕方なくだ。

 

*************************

 

 日が落ち辺りが暗闇に満ちる頃

 

「ふぁぁぁあ…」

 (目を擦りながら起き上がる)

「うわ、真っ暗じゃん…どうしよ…」

 まぁやっちまったもんはしょうがねぇからな、でもまたあの化物が襲ってきたらヤバイよな。

 

「よし…鍛えるか」

 鍛えるしかねぇな、この世界を生き延びたいなら。それじゃあまずは…

 

「朝まで寝るか」

 

――数ヵ月後ーー

 

「ヨイショォ!」

 俺は今懸命に木を殴り続けている、

 それと俺のやるべきことを決めた。

 

 1.己の肉体を鍛えること

 2.人を探すこと

 3.あの化物を余裕をもって倒せるようになること

 4.能力を使えるようにすること

 

 この中でも3.4がもっとも重要だ、そして恐らく俺は能力をもっている。わかるんだ、自分の体の奥深くに炎のように燃えたぎっている何かがあることをそれさえ掴めれば多分使えるようになる。

 

「そして、それを掴むにはそれ相応の肉体が必要って考えたわけ何だよな…人を探したいがその前に多分化物に殺られる」

 まぁ能力は少しづつ掴めてきてるんだけどな。今は炎の輪郭が見えてるってところかな、ただまだ掴めるには至らない。

 

「だが俺もだいぶ肉体が強靭になってきたな、はじめの頃は木を殴っただけで骨折れたけど今じゃ数発殴れば木が砕けるもんな。ついでにたまに、化物が襲ってくるから全力で逃げてたら体力もめっちゃついたし。やってみなきゃわからんものなんだな、筋トレしたお陰で腹筋バキバキの体になったしもう化物にも勝てんじゃね?な~んて…な…」

 まじ?…この雰囲気なにかデジャブを感じたんだけど、すごい嫌な予感しかしないんだけども。

 

「ニン…ゲン?」 

 

 声が聞こえる…これは知能がある生物だな…ウンウン。対話の余地は…

 

「…クイ、コロス」

 

 無いわー、無いなー。だって食い殺す言ってんもん、理性がないだけの化物じゃねえかよ、少しは対話の余地をくれよ…

 

「グッ!」

 何だよ!いきなり殴ってくるなよ!いや、何とか腕をクロスさせてガードできたけどさ。

 

「クソッタレが!」

 わかった、殺すアイツは殺すわ。一旦全力で殴ってみるか、過去に冷静とかなんとか言ったけどもうどうでも良いわ。

 

「死ねぇぇえ!!」

 ガードを解き、ガードをされて少し隙のできた化物に全力で拳を叩き込む

 

――ドガァァア!!

 

「おー…派手にぶっ潰れたな…」

 全力で殴った元化物君は先程とはみる影もなく、とても子供には見せられないような姿に変わってしまった…

 

「……今の感じ…なんか、こう…力がながれるような感じだったような…、こうか?」

 そう言ってさっきと同じような感覚を引き出す。

 

 ジッ

 

「うぉ…なんか力が漲ってきた、これを…どうだ?放つ感じか?」

 (右腕を前に突きだし逆デコピンのような構えをする)

「そして…弾き出すように…」

 

 ピンッ

 

「おー飛んでった飛んでった…『ドガァアン!!!』…な?」

 放出した力は数十メートル離れた岩に当たり、その岩が粉々に砕け散った。すこしするとその爆風はこちらに届く。

 

「まじか…」

 (驚きながらも少しニヤニヤと口角をあげる)

 

――数ヵ月後

 

 俺はこの力に霊力と呼ぶことにし、それを十分に操れるように特訓を重ねた。その結果あの化物達は余裕をもって倒せるようになった、一撃で仕留めることができるくらいには余裕過ぎるが。

 

「まぁこれで目標である1と3は終わって、後少しで4ってところかな、だけど1は継続した方がいいな。まだまだ強いやつが出てくるかもしれないし、それとそろそろ人を探しに行った方がいいな。服装はなぜか汚れないで綺麗なままだしなこのままでも大丈夫だろう」

 そうと決まればさっさと支度するか…拠点にはなにもないけど。まぁ竹で水筒とか作っておくか、それと竹で食糧保存しとかなきゃな。

 

「そうだ、武器造るか。木刀でいいから作って置こう毎回手を洗うの面倒くさいんだよ、それといつ行くかだがまぁ準備できたらで良いだろ。んじゃさっさと造るとするかね」 

 

~青年捜索中

 

「材料は決めたし、早速造っていきますかね。まずは水筒!取り敢えず竹を探すところから始めなきゃな」

 だが心配はいらない、なぜならもう場所はわかるからだ。元化物に追いかけられていた時にたまたま見つけることができたからだ、今からそこに向かう。

 

「距離は、大体4kmといったところか。それなら30秒あればつけるな」 

 俺は特訓を重ねた結果毎朝早朝から鍛錬を積んできた。筋力を鍛え、身体を酷使するほどの特訓。その成果か、動きに切れが生まれた気がする。だがその肉体による速さもそれまでだ。

 まだまだ全然だな俺も。

 

「よ~し、On Your Mark…Set…」

 

―バンッ!!

 

――24秒後

 

「よっしゃ!記録更新!!」

 この前まで30秒だったところをなんと24秒までタイムを縮めることができたのだ。これにより成長を感じた俺はモチベーションが上がった。

 

「さーてと、目的の竹を取りますかね。何本くらいもっていくかな……まぁ5本位もっていくか」

 水筒を造る用と、食糧保存箱でしょ…まぁそんぐらいでいいか…

 

「んじゃ、さっさと帰って造るかなOn Y…」

 

――23.4秒後

 

「到着!っと、今のは大体23秒位か?さっきよりも速くなってるな。んじゃさっさと造るとするかね、作業台は…あの岩でいいか」

 あのぐらいの大きさがちょうどいいだけど少し形が歪だな、まぁ切れば良いよな。

 

「霊力を研ぐようにして…」

 (腕を曲げて手刀の構えにする)

 

「腕を振る!」

 

――キンッ!

 

「よ~し、いい感じに切れたな。そしたら後はちょっと押すだけで…」

 

――ズズズ…

 

「いい感じの形に残るっと…」

 数ヵ月位練習してたらある程度能力を使えるようになったな、いやぁ長かった…本当に長かった。

 

―BGM~おもちゃの兵隊のマーチ 3分クッキング~

 

「そしたら水筒造るか…まずはさっき造った作業台に竹を一本のせる」

 とても長い竹を岩でできた作業台にのっける、長い…とても長い…20mほどある竹を作業台にのせた。

 

「次にいい感じにカットする」

 

――ズバッ!

 

 一瞬で竹を手軽なサイズにカットして、何分割にも分ける。

「そしたら最後に飲めるくらいの穴を空けて完成!!

そしたら木刀と食糧保存箱も造るか」

 

~青年制作中~

  

「できた、結構完成度高いんじゃない?」 

 造られた水筒と食糧保存箱、そして木刀はとても精密に造られている。中でも木刀はとてもとても人を傷つけない為なのかとても何かを切れるようには見えない。例えるならば修学旅行のお土産にあるような木刀に見える。

 

「そしたら水を水筒に入れて、食糧保存箱に長持ちしそうなやつ入れて。荷物を持ったら…準備完了っと」

 やっと準備できた、もう日が暮れちまったよ。まぁ明日の朝に出発しようかな

 

「それじゃあ寝ますか」

 

――日が昇り辺りを明るく照らし始める頃

 

「さて、出発しますか…この洞窟ともお別れかー。大体一年ぐらいかな、この洞窟に居たのも」

 この洞窟に来て大体一年、いろんなことがあった。化物に襲われて死にそうになったり、肉体を鍛え上げて能力が少し使えるようになったり、化物にをワンパンできるようになったり…、あれっ?結構凄くない?俺凄くない?

 

「まぁ色々なことがあったな、これからどんなことがあるのか知らんが何とかなるだろ。…………それじゃ、行ってきます!」

 

*************************

 

 ??「大丈夫よ護衛なんていらないわ」

 

「しかし…もしなにかがあった時は…」

 

 ??「それとも私にそんな時の対処ができないとでも思っているのかしら?」

  (鋭い目付きで相手を睨み付ける)

 

「いいえ!滅相もありません!」

 

 ??「ならいいでしょう?」

 

「ッ…はい…了解しました…」

 

 

 ~??移動中~

 

 

 ??「まぁこんなところかしら…目当ての植物も手に入ったことだしそろそろ帰りましょう」

 薬を作るのにどうしても必要だったから来たのだけれど、護衛なんて大袈裟よ。万が一なにかあったときでも私なら対処できる。例え妖怪が襲って来たとしてもね…

 

 ??「……嘘でしょ…あれは…妖…」

   

 闇の中から、湿った音を立てながら何かが這い出してきた。

「……お嬢ちゃん、こんな夜に一人で歩いて、俺たちのエサになりたいのか?」

声の主は1人の妖怪。目に見えないほど素早く、影の中から浮かび上がるその姿は、煙のようにぼんやりしている。

さらに後ろから、不気味な笑い声が響いた。

 

「護衛なんて居ないみたいだな。じゃあ、こいつをどう分けるか相談だな、兄弟。」

 また1人の妖怪が鈍く光る爪を見せつけながら言った。

 

 「俺は頭だ!脳みその深い味わいと頭蓋骨のカリカリした食感が堪らない!」

 さらに現れたもう1人の妖怪が嬉々として叫ぶと、大地が微かに揺れた。

 

 ??「……」

 目の前に立ちはだかる3体の妖怪――その気配だけで身体が硬直した。

 

(どうしよう……あれは中堅妖怪クラス……いや、それ以上かもしれない。軍隊でも相手にするのは困難な奴ら……。)

彼女の手は震えていた。頭では分かっている――自分では勝てない。それでもここで逃げたら、町の人たちはどうなる?

 

(私はまだ死ねない……でも……どう足掻いても、この圧倒的な力の前には……。)

唇を噛みしめ、目を閉じて祈るように呟く。

 

 ??「……誰か……助けて……。」

 

――「……助けて……。」彼女が呟いた瞬間――。

 

 「やぁ、困ってるみたいだね。」

  どこからともなく、軽い声が響いた。永琳が顔を上げると、そこには少年のような青年が立っていた。

 

「んで?これは一体どういう状況?妖怪3体?。あー、ちょっと面倒くさいな。」

 彼はまるで事態を深刻に思っていないような口調で、ふらりと妖怪たちの間に入った。

 

 妖怪A「誰だお前…?護衛か?」

 

 妖怪B「いや、護衛は居ないはずだ…と言うかそもそも周りに人は居ないはずだ…」

 

 妖怪A「そんな馬鹿なことがあるか、ならこやつはどうやって現れたと言うんだ………なぁお前、名前は何て言う」

 

「…………」

 

 妖怪A「やはり恐れで動くこともままならぬか……」

 

「……対話の余地がある生物、初めて見た……」

 (少し涙ぐみながら話す)

 

 妖怪A「…?お前はなに言ってるんだ?」

 

 妖怪C「俺もう我慢できない!」

 

 妖怪A「待て! C「嫌だ待たない!」はぁ…」

 

「ちょっと待て、少し話をしないか?」

 

 妖怪C「嫌だね、お前を今から食う!」

 

「なんだよ、せっかく話ができると思ったのに…残念だ…」

 

??「貴方!速くここから逃げなさい!私が時間を稼ぐから!」

 

「!…まともに会話できそうな人居るじゃん!…とその前に…」

 

 妖怪C「オラァ!」

  妖怪Cが咆哮を上げながら、巨体を揺らして飛びかかってくる。その瞬間、青年は手をゆっくりと上げた。

 

「……んじゃ、ちょっと試すか。」

 

――キンッ

 

 空間が歪むような音が響き渡る。次の瞬間、妖怪Cの体が真っ二つに裂けていた。

 

「……うっわぁ、これめちゃくちゃ威力高いな。こんなに切れるなんて予想外。」

 彼は苦笑しながら、自分の手を見る。しかし、その瞳には微かな驚きと戸惑いが浮かんでいた。

 

 次使うまでに精密なコントロールできるようにしとこ…

 

 ??「……」

   嘘…中堅妖怪を一撃で…どういう原理で真っ二つになったのかは分からないけど霊力の反応が微かにあった……

 

 妖怪A「なんだ?!いきなり真っ二つになりやがった!」

 

 妖怪B「まずい…一時撤退だ!」

 

「おうおうどんどん逃げてくれ、そっちの方が手間がかからなくて済む」

 

 妖怪A「ッチ…」

 

「……」 

 静かに逃げたなー、もっと煙幕展開とかするのかと思ったけれども。少し残念

 

 ??「……ねぇ…」

 

「ん?…………っあ!」

 ヤベ…めっちゃ忘れてた…

 

 ??「…まず、助けてくれてありがとう…私の名前は、八意××」

 

「……?今なんて?」

 

 八意「呼びにくいなら永琳で良いわ」

 

「……なぁ永琳、俺さ……感動してるんだよ。」

 

  「感動?」永琳は首を傾げた。

 

「この世界に来てから、ずっと一人だったんだ。人と話すのは……本当に初めてなんだよ。」

  その言葉に永琳は息を呑んだ。目の前の青年は、まるで長い夢から覚めたような表情で、涙を浮かべていた。

 

「……大変だったのね。」

 

「いや、大変とかそういうのじゃなくて……今、すごく幸せなんだ。」

 

 永琳「貴方…いったいどんな環境で過ごしてきたのよ…」

 

「えーっと草原で野宿か、洞窟で過ごしてたかな?」

 涙を拭いながら質問へ応答する

 

永琳「なかなか壮絶な暮らしをしていたのね、見た目に反して………ところで貴方…名前は?」

 

「変な姿は永琳もでしょ…」

 赤と青が半々になっている、なかなか奇抜な服装だな…

 

「えーと?俺の名前?……」

 名前?俺の名前って何だっけ…?そもそも俺は誰だっけ?あれっ?何にも分からない…?

 

永琳「…もしかして貴方…記憶が無いの?」

 

「……そうかも知れない…今、名前を思い出そうとしたら何もわからなくなって………」

 

 永琳「…大丈夫?…貴方今………泣いているわよ?」

 

「えっ?」 

 (涙が頬に伝う) 

 

*************************

 

 永琳「少しは落ち着いたかしら?」

 

「あぁ悪いな、ちょっと動揺した」

 まぁ実際何があったなんてわかりもしないけれどな。

  

 永琳「それで…名前はどうするの?」

 

「あぁ…じゃあ。凪斗、凪斗(なぎと)にするわ」

 確かに名前がなかったらいろいろ不便だもんな。何となくでつけてみたがこれでよかったのか?

 

 永琳「凪斗……ね、良いじゃない」

 

 凪斗「そうか?永琳が良いならこれからはこれで名乗る」

 

 永琳「それじゃあこれから宜しくね」

 

 凪斗「あぁ…宜し…く?」

  

 永琳「何を戸惑っているの?凪斗は今から町へ来るのよ?それともここに野宿するつもり?」

 

 凪斗「…おとなしく着いていきます…。」

 

~凪斗永琳移動中~

 

 永琳「そろそろ着くわよ」

 

 凪斗「やっとか…」

 ※彼は1kmを7.5秒で走ることができます

 

 永琳「やっと、ってこれでも30分よ?16kmを30分よ?」

 

 凪斗「明らかに遅いじゃないか?」

 ※彼はまだ常識を知りません

 

 永琳「…相当過酷な環境で過ごしてきたのね…。」

 

 凪斗「おっ…あれじゃないか?」

   目の前には大きな木なんて比になら無いほど大きい高層ビルが連続して建てられている

 

 永琳「そうよこれが私たちの町」

 

 凪斗「凄く…大きいです…」

   (茫然と立ち尽くし建物を見上げる)

 

 永琳「なーにいってるの、速く行くわよ」

 

 ~ちょっと移動~

 

 門番「何者だ!止まれ!」

 

 凪斗「えっ?……あっ、はい」

   (両手を上げて敵意がないことを示す)

 

 永琳「私よ、今帰ってきたところよ」

   (凪斗の後ろから姿を現す)

 

 門番「八意様!お帰りになられたのですね!…ところで彼は?」

 

 凪斗「あぁ…俺は…」

 

 永琳「彼は私が妖怪に食べられそうになった時に助けてくれたのよ」

 

 門番「そうでしたか!えーと…」

 

 凪斗「凪斗だ」

 

 門番「凪斗様!八意様を助けていただきありがとうございます!」

 

 凪斗「いや、そんな畏まらなくても。俺はただ困っていたから助けただけだよ?」

 

 永琳「……とっ…とにかく家に帰るから、通してくれないかしら?//」

 

 凪斗「永琳どうした?顔少し赤いぞ?」

 

 永琳「うるさい!//」

 

 凪斗「えぇ…」

   俺心配しただけなのに…これはひどくない?

 

 門番「ニコニコ (八意様にもついに春が来たのですね)」

 

 ~凪斗永琳移動~

 

 永琳「ここが私の家よ、上がって頂戴」

 

 凪斗「おっ…おう、お邪魔しまーす」

 これまたでかい家だな…。重厚感のある木造の柱に、きっちり手入れされた庭園、何より門構えが異様に立派だ。どこか時代劇に出てくるような雰囲気が漂っていて、俺みたいなヤツが入っていいのかと少し躊躇してしまう。

 凪斗「…本当にここ、永琳の家か?」

 

 永琳「ええ、そうよ。さっ、遠慮せず入って」

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 永琳「さてと…凪斗?まず貴方は何処から来たのかしら?」

 

 凪斗「俺にもわからん、気づいたら草原に横になってた」

  事実何があったなんて俺にはわからんし今楽しいからどうだって良い

 

 永琳「…そう、じゃあ次に妖怪を真っ二つにしたあれはなにかしら?」

 

 凪斗「妖怪?妖怪があの化物のことなら、霊力を放出しただけだぞ?」

 

 永琳「普通は霊力を放出してあんなことにはならないのよ。正直に答えなさい、あれはなんなの?」

 

 凪斗「だからぁ、いった通りなんだって。ただ霊力を放出しただけだって」

   なんか取り調べと言うか、尋問に近いような形で問い詰められてるような気がするんだけど気のせいかな?

  

 永琳「わかったわよ…。じゃあ能力なのかもしれないわね」

   (ため息をついて折れた) 

 

 凪斗「能力?霊力自体が能力なんじゃないのか?」

 

 永琳「霊力っていうのはね、人間が元々持っている力なの。でも能力っていうのは特別な生物が持つ才能みたいなものよ。」

 

 凪斗「才能ねぇ…俺にもそんな特別な才能があるのか?」

 

永琳「まぁ、あれだけ妖怪を一瞬で消し飛ばしたんだから、普通の霊力じゃないわね。」

(ちょっとだけ目を丸くして、微笑む永琳)

 

  凪斗「つまりは俺には能力じゃなくて特別な霊力があるってこと?」

 

  永琳「いいえ、違うわよ貴方には恐らく能力がある。一応私にもあるわよ、"あらゆる薬を作る程度の能力"がね」

  (少しドヤっている)

 

  凪斗「へぇ、すっげぇなぁ。ところでなんで程度なんてつけてるんだ?」

 

  永琳「全部説明すると長くなるからようやくするけれども、まぁ…今後の成長次第で色々なことができるようになるかもしれないから、かしら?」

 

  凪斗「?…まぁ難しいな?、ところで俺の能力は何なんだ?」

 

  永琳「そうね…付けるとしたらな"霊力を操る程度の能力"?じゃない?」

 

 凪斗「ショボくね?なぁ?ショボくね???」

俺の中ではもっとこう、世界を揺るがすような力とか、伝説級の何かだと思ってたんだよ…。

 

 凪斗(えっ、なんでこんなにショボいの?俺…本当にこれでいいのか?いや、ダメだろ!)

自分でも驚くくらい、期待していた分の反動がデカい。

 

 永琳「……全然そんなこと無いと思うわよ?」

ふと沈黙が流れる。永琳が言葉を選んでいる間、凪斗の視線がじっと彼女の表情を探る。

 

 凪斗「今間があった!今間があったぁ!!」

 永琳「はぁ、落ち着きなさい。そんなに気にするほどじゃないでしょ。」

 

――ドガァァーン!

 

  凪斗永琳「あっ…」

 

*************************

 

 凪斗「大変申し訳ありませんでした!俺の未熟さゆえに、このような事態を招いてしまい…!」

 凪斗は床にぴたりと頭をつけ、肩を震わせながら本気で反省しているように見える。

 

永琳「……はぁ、本当に反省してるみたいね。」

 5時間近くその姿勢を保つ彼に、呆れながらも少しだけ微笑んだ。

 

 永琳「…わかったわよ。ただし!!今後はこのようなことをしないこと!わかった?」

 

 凪斗「永琳…!俺、永琳のこと女神様って呼んでも良いかな?」

 

 永琳「絶対にやめて頂戴、それと流石に土下座を5時間近くもされてたら怒る気も失せるわよ…」さ

   (やれやれ…と言った感じに許す)

 

 凪斗「じゃあせめて永琳の役に立ちたい!」

 

 永琳「…まぁそのぐらいなら、って思ったけれども先にツクヨミ様の許しが必要ね」

 

 凪斗「?…誰だ?ツクヨミってのは」

 

 永琳「ツクヨミ様っていうのは、この街を治める神様よ。私たちの世界において、最も尊い存在の一人なの。」

 凪斗「へぇ、神様ねぇ。俺も会ってみたいな、どんなやつなんだろ?」

 

 永琳「やつ、じゃなくて様、よ。ツクヨミ様に失礼な態度を取ったら、その場で消滅させられても文句言えないわよ?」

 永琳の眉間に少しだけしわが寄る。その威圧感に、さすがの凪斗も肩をすくめた。

 凪斗「……了解。」

 

 永琳「それと…さっき連絡したから少ししたら行くわよ」

 

 凪斗「そうなのか?大分急だな」

 

 永琳「凪斗が異常なのよ…」

 

 ―数分後― ~男女移動中~

 

 永琳「さて、ここにツクヨミ様がいるわ。くれぐれも非礼の無いようにね」

 

 凪斗「わかったわかった、ここにツクヨミってのがいるんだな?」

 建物はやたらと巨大で、門の高さも見上げるほどだ。木彫りの彫刻が施された柱や、艶やかな金の装飾が目を引く。

 凪斗「にしても、なんでこういう建物って全部でかいんだ?無駄に豪華っていうか。」

 

 永琳「それが威厳というものよ。大きいからこそ、人々の尊敬を集められるの。」

 永琳は淡々とした口調で答えたが、凪斗の顔にはすでに「なるほど」の表情はない。

 

 凪斗「……威厳ねぇ。」

そのまま首をかしげながら、門番の案内に従って中へと入っていった。

 

─────────────────────────────────

 

 門番「準備が出来ました、お入り下さい。それと、くれぐれも非礼の無いようにして下さい」 

 

 扉が開かれ、凪斗の目に飛び込んできたのは、どこか神秘的な光に包まれた広間だった。壁一面を飾るステンドグラスには月を象った模様が描かれ、天井から降り注ぐ月光がその色彩を幻想的に浮かび上がらせている。

 

その中央、玉座に座る少女の姿は、まるで月そのもののような威厳と美しさを持っていた。

 

ツクヨミ(以後、月読)「貴方が凪斗?私の名前はツクヨミよ、少しの間だけだけれども宜しくね」

 

 凪斗「あんたがツクヨミってのか?俺は凪斗だ、宜しくな」

 

 永琳「凪斗!!」

 

 月読「いいのよ永琳、やっぱり面白い人ね。私のことを様とか付けないで対話してくれたのは凪斗、あなたが初めてなのよ?」

 

 凪斗「あっ!悪い、忘れていた。えーとツクヨミ様?」

   (永琳は頭を抱えている)

 

 月読「いや、あなたは様は付けなくていいわよ。こっちの方が面白いし」

 

 凪斗「そうか?じゃあ宜しくなツクヨミ」

 

 月読「えぇ、こちらこそ宜しくね凪斗」

 

 永琳「……コホン、それでツクヨミ様?彼は町に住んでも良いのですか?」

 

 月読「えぇ、勿論良いわよ。しかしながら条件がある…」

 

 永琳「なんでしょうか…?」

 

 月読「凪斗…あなたは永琳の家に住みなさい!!」

 

 凪斗永琳「「ぇぇぇぇぇぇええ!!」」

     (二人で仲良く叫び声を上げる)

 

 永琳「ツクヨミ様、それはどういう意味ですか?!」

 

 ツクヨミ「そのままの意味よ。彼には貴方が必要でしょう?それに貴方も彼に救われた。…そうよね?」

 

 永琳「そ、それは……!」

  (反論しようとしたが、言葉に詰まる永琳)

 

凪斗「えっと……俺、本当に迷惑にならないかな?」

  (戸惑いながら永琳を見る)

 

永琳「……迷惑じゃないわ。だけど、急すぎる……//」

  (視線を逸らしながら、小声で呟く)

 

 凪斗「それで住んでも良いのか?永琳」

 

 永琳「もっ、勿論よ…まぁ助けてもらった礼もあるし??」

 

 凪斗「それじゃ、これからも宜しくな永琳」

 

 永琳「えぇ!宜しくね凪斗」

 

 月読「それじゃあ決まったことだし、凪斗は先に永琳の家に帰ってなさい」

 

 凪斗「おう、んじゃ先に帰ってるわ。またなツクヨミ」

 

 月読「じゃあね凪斗」

 

 扉が閉まり振る手を止めて永琳に向き直す…

 

 月読「それで…彼は本当に人なのかしら?」

 

 永琳「えっ?……彼は人だと思います、霊力を使っていることから妖怪では無いことがわかると思います」

 

 月読「そうね穢れも無いし、霊力も十分すぎる程にある。けれども彼…凪斗は霊力だけじゃない、妖力、神力、魔力も微かに感じた。ただ敵意がないことはわかった、だから滞在を許可したのだけれど…」

 

 永琳「どう言うことですか?。通常、霊力と妖力は反発し合うはず…」 

 

 月読「そう、そこが謎なのよ…。でも今は敵意無いみたいだし自由にさせても良いと思うのよね、と言うことで永琳。貴方に任せるわ」

 

 永琳「えっ、えぇ?」

 

*************************

 

―数日後―

 

 凪斗「なぁ永琳?」

 

 永琳「なにかしら?」

  凪斗のトーンが少し低いわね、なにかしら言いにくい事なのかしら?

 

 凪斗「俺…軍隊入りたい」

 

 永琳「ヘ?軍隊?……駄目よ、軍隊は死亡者が多いの。私は貴方に死んで欲しくない、だから駄目よ絶対に駄目」

  絶対にそれだけは阻止しなくては、凪斗の事だから軽く考えてそうだけども実際はそんな軽い仕事じゃない。私は凪斗に死んで欲しくない…確かに惚れてるからって事もあるけど、それだけじゃない。と思う…実際8割位はいや9割はそれが理由ね…

 

 凪斗「そこをなんとか頼む!俺…永琳達を守りたいんだ!この街は俺を認めてくれた、何処の誰かも分からない赤の他人を。この街の一員として認めてくれた、永琳もそうだろ?俺を認めてくれた、一人の街の一員として。だから俺は守りたいんだ永琳を、この街の皆を」

 

 

永琳「あなた…本気でそんなことを思っているの?」

  (その目は凪斗を試すように鋭いが、どこか優しさを含んでいる)

 

凪斗「あぁ、本気だ。この街も、お前も、俺の大事なものだから。」

 

永琳「//////……バカね、そう簡単に覚悟なんて決めないで。」

  (顔を伏せながらも、微かに笑みがこぼれている)

 

 凪斗「俺は誰かに必要とされるって感覚を忘れていた。…だけど、この街の人たちは、俺を拒まなかった。…永琳、お前もだ。」

 

永琳「……私は何もしてないわ。ただ助けてもらっただけ。」

  (困ったような顔で微笑む永琳)

 

凪斗「違う。お前が話しかけてくれたから、俺はここにいるんだ。それだけで十分だよ。」

 

  もう良いわよね、凪斗もこんな真剣だし…私の我が儘で成長を止めたくもないし。決して私がチョロい訳じゃない。…チョロい訳じゃないわよね…?

 

 永琳「…わかったわよ、良いわ。軍隊に行ってきなさい。けれど!絶対に死なない事…良いわね?」

 

 凪斗「…!永琳、ありがとう!俺、絶対に死なないから!」

 

 永琳「約束よ…?絶対に死なないでね」

 

 凪斗「あぁ、約束だ」

  

 その居間には日が入り祝福するかのように二人を照らす中、二人は小指を結び約束を交わす






誤字の指摘、一話の長さなど他にもなにか気になることなどがありましたら何時でもご連絡ください。これから少しづつですが書いていこうと思うので宜しくお願いします。
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