俺はその日もガワを被って妹と百合営業をしていた   作:無休

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聞いて無いけど聞いてみよう

 

『地雷を踏むな!第一回ドキドキッ質問危機一髪ゲ〜ム★』

 

「え?いえーい?」

 

ノリノリの彼女とは裏腹に俺は困惑が隠せない。

いや、段取りも何も無いし聞いてない。何だそれ。だがもう録音は始まっているし、だが何も分からない状態でやるのも良く無いと思って止めようとした時。

 

『はいっと言う事で、直前にマネージャーに送られた企画がこちらになりまーす』

 

そう言って見せられるメッセージ欄には、ズラッと企画の内容やそれ以外の物が書いてあった。

 

『私は勿論そうなんですが、実はヤミさんもあまりコミュニケーション能力はそんなにって感じなので。企画のテイを通して親友を目指していこうZE☆……らしいです。ちょっとノリが古いのは気にしないでおきます』

 

「あ、どうも。今戻って来ました」

 

もう少し読み込んでおきたかったが、流石にいつまでも任せるのも申し訳無いので一区切りしたこのタイミングで戻る。

 

『お帰りなさい〜。それじゃあ、早速やっていこうかな?』

 

ルールは簡単。お互い交互に質問をしていくのだが、人には当然触れられたくない地雷がある。それに触れてしまったらアウト。触れそうになってもアウト。敗者は罰として次の配信で一つだけ勝者の言う事を聞く。それが今回の企画、ドキドキッ質問危機一髪ゲームの概要らしい。

 

「えっちゃん」

 

『どうしたの?ヤミさん。なんか不服そうな顔してるけどどうした?』

 

「これを考えた方はだいぶ性格がアレなんじゃ無いかと思うんですけど」

 

「確かに、初めての人と仲良くなるぞー!って言う段階でやるゲームじゃないよね。無難に王様ゲームとかやった方がまだ盛り上がりそう」

 

「二人で、ですか?」

 

『マネージャーも呼んでくれば三人だよ』

 

三人でも王様ゲームは盛り上がらないだろ。と言うツッコミはさておき。

 

「マネージャーさんってどんな方なんですか?かなり高圧的な方なんですか?虐められてないですか?」

 

なんか心配になってしまった。こんな企画を提案されて速攻引き受けるのもどうなんだろう。もしかしたら日頃からこんな感じなのか?いや、でもいつもの企画はそんなでも。

 

『大丈夫!私は元気だよ。まぁ、確かにマネージャーはお母さんみたいに口煩いし、面倒臭いけどなんだかんだ嫌いじゃないし。あと、めっちゃ美人なんだよね、ウチのマネージャー。顔だけは良いみたいな感じ』

 

「それは褒めてるんですか?」

 

どちらかと言うと貶している様な気がするが、やはりマネージャーさんとは仲があまり良く無さそうだ。でもギスギスしてる訳では無さそうだな。

 

『いや、だって凄い美人だからさ。ヤミさんより綺麗かも』

 

うぐぐっ、俺より綺麗となると俺の知り合いの中では先輩しかいない。大学の時に出会った先輩だ。懐かしいな、散々オモチャにされたっけ……。今は何やってるんだろう。まぁ、どうでも良いや。

 

「そろそろ、時間も勿体無いですしやっていきますか」

 

『そうだね、と言うかもう始まっているって言う事にしとこう。その方が良いんじゃない?』

 

「あ、賢い。そうしましょうか、うーん。そうだなぁ、えっちゃんって……」

 

『わたしって〜?』

 

近い。きっと伝わらないだろうけど、近い。ラジオみたいな物なんだからリアルで近づいても意味が無いと思う。

 

「好き嫌いってあります?」

 

『あーめっちゃある!アレ嫌い、あの何だっけ緑の豆』

 

「グリンピースですか?」

 

『それそれ!あの小さな豆に栄養があるのか?って小さい時に思ってさ、食べたくなさ過ぎて夏休みの自由研究にしたんだよね』

 

「どんだけ食べたくないんですか。……嫌いだけど、地雷では無さそうですね」

 

『そうだね〜。今は、噛まずに飲み込めばイケる!レベルだからね。全然地雷では無いと思うよ』

 

「おぉ、今は食べれるんですね。偉い偉い。次は、えっちゃんの番ですね」

 

『私からヤミさんに質問すれば良いんだよね?』

 

それに対して頷くと、彼女はオーバーに唸り始めた。さてさて、どんな質問が来るのか。ちなみに俺の地雷は妹である。あまり触れられてほしく無いとは言え、中々難しそうだなぁ。全然当たらないと誘導した方が良いってなりそうだし。

 

唸っている彼女を見ながら俺はこの企画の難しさについて考えていた。

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