俺はその日もガワを被って妹と百合営業をしていた   作:無休

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過去のやらかしは黒歴史となって戻って来る

 

『決めた!ヤミさんってさ、やっぱりお姉さんって感じするけど、弟か妹いる?なんかそう言う子の扱いが慣れてそうな感じがする』

 

「そうですね。妹がいましたね」

 

『?何で過去形?』

 

「まぁ、色々ありまして。私がやらかしたんですけど……」

 

『ストーップ!終わりっ。私が地雷を踏んだから終わり。それじゃあ、ヤミさんは次の配信までに私に叶えて欲しい願い事を考えておいてね。それじゃあ、終わり、またね!』

 

多少と言うかかなり強引だが、終わらせようと言う流れを作って貰ってて言うのアレなんだが。短くないか?と言うか切抜き所が無い気がする。要は見所、此処が見たい!みたいな動画のピークがこの動画には無いのだ。例えるなら安定してる心電図の様な感じである。だから。

 

「あ、さっちゃん」

 

『ん?何?ヤミさん』

 

「それ使います」

 

『え?』

 

「願い事です。私の願い事は、さっちゃんの地雷が何か聞きたいです」

 

これはお仕事である。つまり現実的な話をするとこの動画が伸びなければ、お給料も少なくなる。自分勝手で最低だとは思うが一肌脱いで欲しい。駄目なら俺が脱ごう。

 

『そう来たかぁ……良いよ、分かった』

 

さっちゃんは少し考えた後、意を決した様な顔をすると俺の問いに答えた。

 

『私の地雷はね、兄だよ』

 

「お兄さん、ですか?」

 

『そう。いつの間にかおかしくなってそのまま消えた私の兄。良くも悪くも印象的で有り難いとも思ってるし、憎んでもいる。そもそも、今の会社に入れたのは悔しいけど兄のお陰だし』

 

「お兄さんは一体何をしたんですか?」

 

何処かでけたましく何かが鳴っている。まるで聞くなと言っている様に。だが、手に入れたチャンスを逃せる訳も無く俺は忠告を無視して哀れな人間はそのまま地獄の穴へと手を伸ばした。

 

『ある日兄は、私に一緒に写真を撮ってくれないかって言ったんだ。変だなって思ったけど別に良いかって思って、写真を撮った。その時は家族の思い出を撮っておきたいって言ってで納得したんだけどね』

 

『ある時、SNSで流れて来た写真を見た時、びっくりしたんだ。何でだと思う?そこにあったのはね、黒い目線で隠されてるけど、明らかに私。そして、もう一人女性が笑っていてそれは女装した兄の姿だった。詳しく調べてみると、それは写真集の予告で。三次元の姉妹の禁断の百合写真集と言うタイトルで売り出されるらしい。それを兄に問い詰めた後に、色々あって配信でぶっちゃけたら死ぬ程バズったの』

 

だから感謝はしてるよ。とまるで、全てがバレてるかの様に思える様な発言をされ、まるで生きた感じがしなかった。それでも煩い程鳴る心臓の音がこれが現実だと知らせてくれた。

 

こうして知らず知らずの内に両方引き分けと言う結果で、第一回質問危機一髪ゲームは幕を閉じた。

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