新宿はがんばる   作:のーばでぃ

25 / 74
皆詩人の事をただの詩人だと信じてくれてなくて草。
大丈夫、私ロマサガ1もミンサガもやってないから。
エロールな詩人は書きたくてもかけないの。

……ある日唐突に筆が滑らない限りは(目逸らし)



新宿はとんらんした

この国はだいぶ変だと思う。

現在の皇帝はレオン帝。皇太子にヴィクトールとジェラールが居る訳なんだけど。

――その皇帝と皇太子が、自ら出陣してモンスター討伐をやっている。

 

「皇帝陛下、ご出陣ーーッッ!!」

 

ご出陣しちゃダメなんじゃないかなあ。

王兵の声に内心ツッコミを入れるのである。

 

「なあマスター、アレ絶対マズいよな?普通じゃないよな??

なんでこの国のトップと皇太子が率先して危険な場所に赴いてんの??」

「普通だよ普通。そんな気にする事じゃあないさ」

 

……普通なのだそうだ。

 

さて、第二皇子にジェラールだが、良く広場に町民の子供と遊んでいる姿が散見される。

何ならごっこ遊びでモンスター役やって、小さな子供が撃ち放つ流し斬りを受け「うぎゃあやられた」みたいな事をしている。

ちなみに護衛は皆無である。

 

「なあマスター、アレ絶対ヤバいよな?正気じゃないよな??

下手したらあれ親子共々、首が物理的に爆発四散する奴じゃないの??」

「普通だよ普通。身近な王子様で結構じゃないか」

 

……普通なのだそうだ。

 

時に、ヘクターはアバロンの戦力は全て王城に帰属すると言っていた。

そのためか、結構危ない格好をした人たちが割とフリーパスみたいなノリで王城の門をくぐって行ってる。

 

「なあマスター、アレ絶対ダメだよな?油断が過ぎるよな??

セキュリティガバガバどころの話じゃ無くね?ノーガードにもほどがあるだろ」

「普通だよ普通。あの程度が大騒ぎしたってアバロンはそもそもビクともしないさ」

 

……普通なのだそうだ。

 

後ろを見た。

まだ日が落ちてないから酒では無く昼食を食べに来る客層が多い中で、ハオラーンが何処に持ってたのかギターを持ち出して軽快にかき鳴らしてる。

 

デンデデッデデレデンデデッデデレデンデデッデデレデンデデッデデレ

ヘエーエ エーエエエー エーエエー ウーウォーオオオォー ララララ ラァーアーアーアー

ナァォォォォ オォォォォ サウェェェアァァァァ アァァァァ アァァァァ アァァァァ イェェェェェェェェェゥゥアァ…

 

「……なあマスター、良いのかあれ?ある種の営業妨害と違うかあれ??超ヘドバンしてんぞあいつ」

「良いんじゃあないかな。お客さんも沸いてるし、私も好きだよ?熱情を表現した良い旋律(リズム)だ」

 

……良いのだそうだ。

 

天を仰ぐ。

酒場の天井を眺めながら、俺はしみじみ口にした。

 

「なあマスター……俺、想像以上に常識が無かったみたいだ……」

「だいじょぶだいじょぶ。テキトーに覚えて行けば良いだけだとも」

 

マスターはのほほんと笑いながら、きゅっきゅとグラスを磨いていた。

俺達の話を聞いていた客の一人が、周りを見回し悲壮な顔で口を開く。

 

「……おい、誰かツッコんでやれよ」

 

ハオラーンのギターはその時、さらなるステージに突入していた。

 

 

@ @ @

 

 

そんな俺の、平和なようでちょっと平和じゃない丁稚の日常は、いろいろ常識を書き換えられられつつも平和に過ぎて行った。

今はもう、ヴィクトール皇子が酒場のドア開けて入って来ても箒を取り落としたりしないし、ヘクターが広場でレオン帝とスゲー親しそうに会話してて挙句の果てに背中バシバシやってるのを目撃しても噴いたりはしない。

俺は日々成長しているのだ。

 

そうやってアバロンにも慣れて来た辺りで、ふと気づく。

……俺、古代の歴史調べる為にここ来たんじゃなかったっけ??

 

「なあマスター……アバロンは恐ろしい町だな……」

「んんー、またなんか変なこと考えてるねぇ~……」

 

ガチで目的すっぽ抜けてたぞ。

なんならより効率的な芋の皮むき手順の構築に成功し、このまま2~3年したら俺も厨房に立てたりしてとか考え始めていたまである。

俺は既に、この店のガレットの作り方を覚えてしまっている……!

 

――とは言え。

とは言え、だ。

 

この町、別に図書館とかある訳ではないのである。

なんか古い歴史を調べたいなって思ってもその手段がない。

王城に入ればもしかしたりするかもしれないけど、その選択肢はハナから無い訳で。

 

「……俺、なんと言うか、古い歴史を知りたくてアバロンに来たんだよ。この国、歴史は凄い古いから。でも、調べる方法って何も無いなあって今気付いてしまった」

「今気付いちゃったかあー」

 

あ、うん、はよ気付けって話だよね。ごめんなさいね?

 

「――おや、ジーク殿は帝国歴や考古学に興味がお有りですか?」

 

ハオラーンが話に入ってきた。

 

「あ、まあ、うん……そういう風に言うと、俺がスゲー頭良さそうに聞こえるな……」

「なんのなんの、そういう志を持ってここまで来るならば、学者の資格は十分にあるでしょうとも」

 

別に学者目指してる訳じゃないんだけどね。

どう答えれば良いか分からずに、もにゅもにゅしてしまったり。

 

「前々から、大学を作ろうって話は出てはいたらしいんだよねぇ。でも、近ごろのモンスターの活発化だろう?あらかた平定するまで、そう言った方面に予算が割けないらしいよ?」

「……なんでそんなコアな話マスターが知ってんの」

「そりゃあ酒場だもの、いろんな話は聞くさ。具体的には宰相さんのグチとか」

 

この国ほんとガバガバすぎねえ?

マスターがスパイとかだったらもう終わってんぞこの国。

 

「でも、そう言ったことが知りたいのであれば、なおさら王城に仕官するべきではありません

か?」

「ヤダ。王城に行くぐらいならどこか別のとこに旅に出る」

「ジーク君の王城アレルギー、どうにも治らないよねえ」

 

未だにヘクターから仕官の誘いが来て、それを未だに蹴り続けてたりする。

 

「――どこか陰のある謎の青年。その佇まいはかつてのキャリアを匂わせる。嗚呼、若く腕も達者だった将来有望な彼は、哀れにも権謀術数の貴族の策謀に嵌められて、王都を追放された過去があった……」

 

ポロロロン、と芝居じみて大げさに唄うハオラーンである。

思わずじっと見つめてしまう。

 

「……や、ヤダなあ。ちょっとした冗句ではありませんか」

「何でわかんの……?」

「「「「「ちょっとまって!?!?!?」」」」」

 

気付けばマスター達のみならず、近くで聞き耳立ててた客まで身を乗り出して来るのである。

思わずとんでもないカミングアウトをしてしまっていた事に気付いた俺は、固唾を飲み込んで俺のセリフを待つ面々をおずおず見回して、何とか絞り出すように言った。

 

「う、ウソです……」

「「「「「いやいやいやいやいやいや!?!?!?」」」」」

「ウソだもん」

 

ブーイングされたって聞くつもりはないのである。

そも、腕も達者で将来有望とかそのへんは全くそんな事はなかった訳だし、俺は間違ってない。

でもハオラーンまでものスゴイ勢いで親指下げながらブーイングしてくるのはすげー腹が立つ。

 

「あーあ、ジーク君がかつての話とかしてくれたら私も各地で仕入れた古い話とかこう、まるっとつるっと口から滑り出てくるかもしれないのになーほんとになー!あーあ!!」

「あんたマジで『顔パンのジーク』被害者第一号やるか??」

 

そのムカつく顔をやめろ。

おいツバ飛ばして抗議すんじゃねえよ汚ねえだろ。

 

「まあまあ、誰にだって探られたくない過去のひとつふたつあるものさ。今はそっとしておいてあげようじゃないか。

――きっとそのうち話してくれるさ、ねえ?」

「話さないもん」

 

何気に言質取りに来てるよとんでもねえ。とんでもねえマスターだよこいつ。

 

 

@ @ @

 

 

まあそんな感じでひと悶着あったけれども、なんとなくやるべき事と言うか、方針みたいなものが少し固まった。

マスターが良いヒントをくれたのだ。

曰く、「学校を作ろうにもモンスター退治が優先過ぎて他の事に手が出せない」

 

なるほど、ならモンスターが減れば良いのかという話である。

 

とは言ったものの、護衛業や討伐隊への参加はどうしても王城を通す必要がある。

……のであれば、ソーモンの時みたいに調査を行った上で情報まとめ、それをキャラバンの人を通して王城に売っちまおうかと云う魂胆である。

 

相場が分からないから二束三文になったりそもそも売れないかもしれないけど、自分用にまとめる意味もあるし。

数か月働けばそれなりに信用も付くだろうし、そしたら2日くらい休みを貰ってこの辺探索してみようかな、なんて思った訳だ。

 

――後に、つくづく思う事になる。

 

やっぱアバロンって、恐ろしい町だ。

 




さーネタが無くなって来たぞ。
何となく方針は固めたけどそこに向かうまでのプロットが作れないからとりあえず筆が滑るままに書き綴って行くの術。

学校の話が出てるしチャンスがあれば学校に通わせてあげたいけど、帝国歴996年の現在ではさすがに無理がある。
それまでクジンシー君アバロンに居てくれるかしら?なんなら千年祭待たずに旅に出そうな気すらしてくるんだけど。
一人でやるコッショリぽつぽつ周辺探査で学校作るまでの時間稼げる物なのだろうか。
……どっちにしろ、大学作成条件はエリア5つ以上の平定でしたっけ?この条件を満たした形で建築させるのは無理かもしれない……



『誇り高き魚鱗』

七英雄の一人、スービエの持つ灯火(トーチ)
使うと人間性が回復する

かつて幼き頃、死力を持って戦った美しく大きな魚との戦利品
彼はそれを誇りに思い、拙いながらも意匠を施しペンダントとした

子供の細工で寿命は早く、とうにそれは朽ちている
あるいは意匠すらうろ覚えで、きっと当時の形を成していない

しかしあの時感じた誇りと高揚は、不思議と鮮明に思い出せたのだ
広大な海は大きく、強く、そして故にこそ有るべき灯火なのだと

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。