まるでマイク・タイソンにボディを打たれて2~3日たった後のようななんかこうせつない感じの……(クレしん感)
ダンジョンの雰囲気とかまさにそれ。ぜんぜんわかんない。
きっとこれから乖離するのがいっぱい出てくる気がします。
アバロンは本当に恐ろしい所だ。
町中に居ても実感したが、外に出ても別の意味で実感する。
北バレンヌ、縦断する北方山脈を挟んで西と分けれるけれど……アバロンのある西側、妙にモンスターの分布が多くないか?
なんか地形的に巣になり得そうなところがそこかしこに見つかるし、実際問題東よりもモンスターが多い印象だ。
それらは大体山脈に近い所にあるから、アバロンから離れてはいるんだけど……そりゃあこんなところに首都があれば防衛力も力を入れる事になるわ。
何より、ついに出て来た。
悪魔系やゾンビ系のモンスターである。
生態系とは別の所で蠢く暴威の魔物。まさしく『モンスター』の名前がふさわしい者たち。
こういうのは、大抵どっかのバカがやらかして自分の尻を拭えなかった為に発生したケースが多い。
そして発端さえ出来てしまえば、そのまま『世代交代』まで成し得るのである。
こういう奴らに対してはもはや、生態系保護とか言ってる意味はない。大体が即殺対象である。
「イギイイイイイィィィイイイイ!!」
ガリガリ何かを削るような悲鳴を上げて、羊膜に包まれたまま蠢くそれ*1を吸収した。
どんな力を持っているか、何から生まれたか。『吸収の法』は、そう言った情報を漁るのには手っ取り早い手段だ。
(やっぱ数世代重ねてやがんなコイツ……)
個人の呪いが悪魔を呼び出し、その悪魔によって呪いが振り撒かれ、その呪いが別の悪魔を生み出しコロニーを形成する。
そしてやらかした奴は呪いによってゾンビになり、それが別の生き物を襲ってまた別のゾンビを作る。
エネルギーが無ければそのまま死ぬから爆発的な増加はないが、悪魔系やゾンビ系がいる所は大体そんな感じで救いがない。まあ、例外無くとは言わないけども。
一体ここはどんな業が詰まっていたのやら。
アバロンから北東に位置するこの洞窟は、他のと比べてイヤな感じがひしひしした。
しかしまあ、それでもモンスターのレベルがおおむね低いのは救いだった。
これなら適当に間引けば力の理に押しつぶされて、そんな厄介な状況にはならんだろ。
強そうなヤツから順に潰して行けばいい。
……それで終わると、思っていたのだが。
「ポータルじゃん……」
ゲンナリしながら目の前に並ぶ石碑を見つめた。
古代の遺跡。何に使われていたのかは分からないオブジェ。
この地の人にはそう言ったものに見えるだろう。
俺もそれほど詳しいわけでは無いのだが。
あの時代の物という訳でも無いのは知っている。
追放されて帰り道を捜し歩いた日々の中で、目にする機会の多かった
(神官たちの痕跡じゃなくて、こっち来ちゃったかぁ……)
何がイヤだってこれ、贄だのエネルギーだの場の状況だのでふと自動発動する事があるぐらいセキュリティがガバガバなのだ。
つまり、いつかこの先に居るモンスターがこっち来るかもしれない。
……ならぶっ壊せという話なのかもしれないが、変にやると繋いでいた空間がズレるのか変な断層が出来上がり、事態が悪化してしまうのである。
いや、ちゃんと撤去するやり方はあるらしいのだが俺は抑えていなかった。
(今度ワグナスに聞いとくか……)
いや、ちゃんと解析した内容を説明してはくれてたんだけども。
専門用語が多いまま専門的な話をされると言葉がキレイに右から左へ抜けて行くのだ。記憶なんて残っちゃいない。
俺の中でこの手の物は、『見つけたらワグナスに見て貰う』で安定なのである。
……そんな俺でも一応は、ポータルを利用する事ぐらいは出来る。
とりあえず先を見るだけ見ておこう。
――そう思ったのが頭痛の始まりだったのだ。
覚えのある脈動する瘴気。
なんか生理的な嫌悪感を呼び起こさせる通路。
――そして徘徊している、デカくて紫色のタームである。
「バッカじゃねえのか!?バッッッッッッッカじゃねえのか!?!?!?」
紫色の霧に溶けゆくタームを見下ろしながら、俺は息を乱して怒声を上げていた。
ソウルスティールの早撃ちなんぞ初めてやったぞ!?
明らかにソルジャーやバトラーとは訳が違う。
一体でも外に出したら絶対にアバロン滅亡まっしぐらじゃねえか!?
外のモンスターとの落差が激し過ぎて風邪引くどころの騒ぎじゃねえぞ!?
え、なに、居るんですかこれ?クィーンいるんですかこれ!?!?
今の俺なら『死神の目』があるから
情報がいる。
最低一体、今の紫タームを『吸収』する必要がある。
が、いくら『死神の目』があって魂経由で吸収が出来るとしてもだ。生命力だけを奪う『ソウルスティール』とは違って『吸収の法』の発動に繋げるまでには隙が必要だ。
さらに、それをやってる間に他のタームに見つかってクィーンに情報が漏れるのはクソマズい。
すこぶる後悔した。
孤立していた今のタームが吸収するには絶好のカモであったのだ。
……いやでも仕方ないじゃん。ポータル渡ってすぐさまタームの上位強化版なんて見ちゃったら反射的に『ソウルスティール』するしかないじゃん。俺悪くないもん。
大体、『吸収』に繋げる隙なんてどうやって作るよ?こいつら感情無いから『恐怖』を叩き込んでも意味ないし、『痛み』だってそこまで効果があるとは思えないぞ?
半殺しにするしかない。……つまり、始まりは奇襲なり何なりするとしても、その後はジツリキで半殺しまで持ってくしかない。
と、なれば。
……となれば、『
でもそれで手が足りているかというと……
(俺特化型だからなぁ……殺す、脅す、止める、追い返す。便利な手段は持ってるけど、純粋な攻撃力は……)
駄目だ、どう考えても手が足りない。
そもそも一体倒しただけでギリギリだ。これ以上タームを殺して行ったらクィーンにバレるリスクが高くなる。
クィーンの元までノーアラートで辿り着ければクィーンに『ソウルスティール』一発で解決はしそうだが、無理だろノーアラートなんて。
――水術頑張って、『霧隠れ』覚えるとか?
これ『霧隠れ』で何とかなる??そもそも拙い水術による『霧隠れ』に全ベット出来る??
無理だろ常識的に考えて。
――やはりタームを一体吸収して内部構造とクィーンの位置を把握したい。
そしてそれをやるには準備が足りない。
……幸い、ポータルで道は塞がっている。
上に戻ってから術力の逃げ道作って、自動発動する確率を抑える事ぐらいなら俺でも出来る。
時間の猶予はある筈である。
ヨシ!この問題は明日の俺に任そう!よろしく頼むよ明日のクジンシー君!
俺は可及的速やかに先ほどのフロアに戻ると、ポータルに細工をして今日の調査を切り上げる事にしたのである。
@ @ @
何かあったのは何かもうバレてしまったようで、マスター達に「どうしたの?」って指摘されても俺は曖昧に笑って「何でもない」と答える事しか出来なかった。
だって無理だろあんなの。皇帝だって持て余すぞあんなの。
ヘクターに手伝って貰う気すら失せるのだ。
なんかこう……なんとか隠密的なスキルを身に着けて。
んでもって情報収集だ。しかもアラート鳴らしたらその時点で一人でターム軍団とやらなきゃいけ無くなるオマケつき。
なにこれ、胃の中がフットーしちゃうようぅ……潰瘍的な意味で。
いやもう、誰かに泣きつくか?
攻撃力の高い前衛が居れば何とかはなると思うんだ。俺が『吸収』を行ってる間、隙を稼いでくれる前衛が。
ノエルか、ワグナス。あるいはスービエ。
誰かとコンタクト取る事が出来れば。
ダンターグは駄目だ。初手でダンターグされてそのまま戦争よーいどんになる。
色んな考えがグルグルしながら、とりあえず俺は時間をおいて色々整理する事を優先した。
――ちなみに、他の厄ネタもある。
後日、また休みが出来た時にあのポータルを調べ直してみたのだが、別の場所に飛ぶものがいくつか散見された。
どうもあの洞窟、かつで異世界由来の小規模組織が移動・研究拠点として使ってた可能性が強い。
別の出口に嫌々ながら入ってみたら今度は浅い水場が広がっていて、悍ましい軟体生物の頭をした不気味な奴*2と目を合わせる羽目になった。
ソッコー襲われたけど。
ソッコー『ソウルスティール』したけど。
なんなんだこの魔境は……
アバロンは本当に恐ろしい所だ。
しょうがないので、とにかくしばらくは暇を見つけてちょっと調査して脱兎を繰り返していた。
幸い被害と呼べるような状況に発展する事は無かったのでそれはそれで良かったんだ。
で、その間俺は俺で何とかしようと色々考えたり準備したりしてたんだけども。
――数年後、レオン帝がその洞窟を物理的に封鎖してしまい、なす術が無くなって白目を剥く事になる。
ホウレンソウをしてなかった俺が悪かったのだろうか……
幻体なのにおなかが痛くなってきてとてもつらい。
嗚呼、
ロマサガにおいて、『異世界』に関わるテキストは古代人の件が無くとも普通にあるようです。
例えば手元の攻略本には『異世界からやって来た』とか『正体不明の』とか装飾が説明に付くモンスターがいくつか出てきたりします。
まあテキスト書いた人が設定考えずテキトーにハッタリかましただけな気もしますけども。
リベサガでもモンスターの説明とかにそう言うの、普通に出てきたりするんじゃないでしょうか。
封印の地にあるアレやソレは、そっち由来の物と云う事にしました。
もしかしたら、古代人時代の別の国に由来する何かってセンもありますけどね。
『蠱惑の小剣』
七英雄の一人、ロックブーケが持つ
使うと人間性が回復する
彼女はいつも背中を見続けていた
このままではその背中も遠く消えて行ってしまう
だから必死に力を求めたのだ
後で背中を見続けるのではなく、隣で同じ景色を見れるように
かくして彼女は掴み取って見せた
その生き方に魅了され、人はそれに『蠱惑』と名をつけるだろう