新宿はがんばる   作:のーばでぃ

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 1日使って感想返し、1日使って執筆し、そして1日使って別のことする。
そんなローテなら行けるんじゃないかと思った次第。
まあ流れが原作に乗った以上、実はそこで完結でも良かったんだけどね。
もうちょぴっとだけ頑張ってみる。

 でもね、完全にネタ切れしてんだどうしよっか。

 とりあえず時系列は「おわりのはじまり」よりちょっと前からスタートです。


ロンギット海の天秤編
新宿はつるはしを持った


 南バレンヌをさらに南下すると、ほぼ山しかない土地が広がっている。

ルドン高原と呼ばれるその山岳地帯は危険なモンスターが蔓延り、そこに山があるから登ると豪語する様な登山家すらも滅多にここを通ろうとしない。

交易的にも非常においしくない。険しい山を苦労して超えてもその先は雪原地帯が広がる厳しい土地なのだ。

 

 なのだが……実は人通りが全くないのかと言うとそうでもなく。

なんと言うかこう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()するには非常に都合の良い場所らしく。割と危ない人は良く見かけたりするらしい。

 

 大体どこにでも「悪い事をしたらオバケがさらいに来るぞ」的な子供を脅かす文句があるが、この辺りになると「聞き分けが無いとルドン送りにするぞ」が定型句である。

誰が呼んだか『ルドン高原謀殺場*1

 

 ……それはさておき。

この山脈の一部に、宝石を産出する鉱床がある。

人の欲とは果てないもので、宝石を産出すると判ったら沢山の山師がやって来て、そのふもとに拠点を構え町を作った。ティファールという鉱山町だ。

 

 利益にギラついた若者たちが集う町。

治安もそこまでよろしくなく、そして先の謀殺場が近くにある為か大体悪いやつの方向性が2種類に寄っている。

宝石を採る荒れくれ山師と、加工業や娯楽を牛耳るヤのつく自由業だ。マフィアと呼んでも良いけど。

子供を育てるには大変教育によろしくないと思うのだが、それでもやっぱり秩序はあった。モンスターに怯える世では暴力と産業は持ちつ持たれつなのだ。

 

 ――つまり大体、ソーモンと同じである。

同じなのだが、実は少し事情が違う所があった。

 

 

 「――ミルクを」

 

 

 もはやお決まりのルーティーンになった気がする、酒場でのミルク注文。

しかし帰って来たのは荒くれの嘲笑ではなく、「おおおおっっ!?!?」と言う驚愕と歓声の声だった。

 

「帰って来たぞオイ!?」

 

「どうだったんだ兄ちゃん!?」

 

 マスターが早々に用意してくれたミルクを一気に喉に流し込んで一息つく。

ありがたい事に、とてもありがたい事に、そのミルクは井戸の水で冷えていてとてもうまかった。

 

「――目に付くヤツ大体一掃して来た。あと1回くらいは、案内人の人つけて潜ってみたい所だけどね」

 

「おおおおおお!?本当に一人でやっちまったのか!?」

 

「”幻想(ユメ)”じゃねえよな……!?」

 

「還ってくる……!俺達の”黄金時代(オウゴン)”が還って来る!!」

 

 なんか一部凄く濃いヤツがいるんだけども、まあ、なんだ。

俺は寂れていたこの町に、再び火をつけるニュースを持って来れたのだ。

 

 

 

@ @ @

 

 

 

 事の始まりは、ボクオーンとの『約束』だ。『契約』と言い換えても良いけど。

 

 ――『完全律』の詳細と計画を聞く代わりに、2年間アバロンと運河要塞に近づかない事。

 

 もちろん文言通りの意味ではない。

契約事項に入ってないからってアバロンに情報書き綴った手紙を出したりなんかしないし、他の地域で『完全律』の詳細を言いふらしたりもしない。

そんな誠意のないマネする訳がない。

 

 だが人足は別の人にやらせたいと言うボクオーンの邪魔をするつもりも無いので、ちょっと願い出てみたのだ。

ルドンの鉱山開拓に協力して、ロンギットで扱う商材増やすのはどうだろうかと。

 

 ボクオーンの計画は航路を中心とする。だからこそ人足雑用は港が中心。

ならば陸なら俺も働ける余地があるんじゃないかな、と。

うまく行けばハリア半島のちょっと南辺りに新しく航路拠点を作って、鉱山資源をそこで取引できるようになるかもしれない。

 

「ほう……考えましたね。確かにそれをやってくれるなら助かります。

ルドンの鉱山はモンスターが沸いた事によって現在、寂れつつあると聞きます。そこを解放してくれるなら経済的にも活発化しますよ。

アバロンとしても、キャラバンのルートは一応通っているし解放してくれるのは有り難い事でしょう。

それなら、運河辺りまで船で送りますよ」

 

「……え、良いの?契約じゃあ……」

 

「そう云う主旨の契約ではないでしょう?

主旨や相手の事を無視して契約の隙を縫って後頭部殴りつけるようなマネは利益に群がる恥を知らないゴミどもだけで十分です。

また2週間かけて陸路行くつもりだったんですか……?

 

……あ、ルドン周辺の地図やモンスター生息情報も作ってくれれば高値で買いますよ。あなたの資料、解り易くてとても良かった」

 

 ――と、そう言う事になったのである。

最後の一言が嬉しくて、ありもしない尻尾を振ってたような気もする。

 

 

 

@ @ @

 

 

 

 そして蔓延っていたモンスターを一掃し、今に至る。

 

 討ち漏らしは無い筈である。

俺の『死神の目』は物質を透過して魂を捕らえる。

視界に入る場所はほぼ射程と言っても良いぐらい広いし、モンスターか人間かの識別も大体できたりする。

こういう掃討作業では無類の強さを発揮するのだ。

 

 ……とはいえ、巣にされていた以上外に出てた奴は居た訳で。

戻ってくる奴には警戒をしなきゃいけないし、案内人の目でも一掃されている事をちゃんと確認しなきゃいけないからね。

 

 それに……一部、どうもモンスターや人間とは違う良く分からん気配が鉱床の奥底に見られたりするんだよな。

そこに辿り着く道は見つけられなかったから、どう解釈したもんかと。

『ソウルスティール』は届くからそのまま簒奪しても良かったんだけど、アレ取り返し付かないもんだしね。

とりあえずそれが何なのか自分の目で確認しておきたい。

もしかしたら危険なモンじゃないかもしれないし。

 

 

 

@ @ @

 

 

 

「……あん?兄ちゃん、モンスター退治だけじゃなくて鉱石掘りもやんのかい?」

 

 モンスターの一掃が確認され、鉱山が解放された最初の日。

ヘルメット被ってつるはし担いだ俺を見て、鉱夫のおっちゃんが言った。

 

「もともと鉱石掘りに来たんだよ俺は……モンスター退治は出来るからやっただけで」

 

「はーん……そう言えば誰かから金貰ったって話も聞かねーもんな。なんだオイ、あのモンスター一掃は無償かよ?」

 

「無償だよ。そもそも金払える奴誰も居なかっただろ」

 

 おっちゃんが感嘆の声を上げながら、「今どきの若モンにしては殊勝じゃねえか」と頷いている。

……今どきの若モンってどんななんだろう。若いのほとんど出てっちゃってるみたいだしねこの町。

もしかして外で「うりうり、ビチグソだぞー!」ってやって女の子泣かしてるクソガキと比べられてる?俺。

 

「しかしよお、兄ちゃん……その眼の飾りと籠手は要らないんじゃねえかなぁ」

 

 いつものスタイルにヘルメット被ってるから違和感が物凄いらしい。自覚はあった。

 

「ほっといてくれ……それにコレだって、絶対使える所はある!」

 

「言い切るじゃねえか。なんかの魔道具なのかい?何が出来んのよ」

 

「籠手は岩だって掘れる強度や破壊力を持たせられるし、目はめっちゃ夜目が利く」

 

クッソ便利じゃねえか

 

 入手場所をしきりに聞かれたが、一品限りの非売品で企業秘密だと躱しておいた。

タームのクィーンの腕と、魂を喰う悪魔の目なんてどこで手に入るのか知ってる筈がない。

 

 ……いや、タームのクィーンはアバロン行きゃあ何とかなるかもなのか。

ほとんどの奴らは命を支払っても引き換えにすらならないけども。

 

 

 

@ @ @

 

 

 

 ――モンスターのせいで寂れていた宝石鉱山町ティファールが、かつての様にまた活気づき始めた。

その噂は南バレンヌにあるニーベルまで届き、欲に目がくらんだ者たちが再びティファールに足を運び始めた。

 

 またティファールの東、ハリア半島から少し南に行った箇所に、いつの間にか港を携えた集落が出来始めていた。

これまでソーモンから南下するキャラバンはニーベル、トバの経路で終着となっていたが、ティファールに好景気が訪れ、さらにティファール近くに港を持つ集落が出来たとなったなら話が違ってくる。

ニーベル、ティファール、新たな集落、そしてトバ。

新たな流通路が開拓され、ロンギット海周辺に好景気が訪れつつあった。

 

 さて、ティファールには奇妙な鉱夫がいると言う。

一攫千金を狙ってティファールにやって来たにしては、モンスターの一掃を無償で、それも一人でやり切ってしまう剛の者。

左目には仮面のような飾りをつけ、左腕にくすんだ黄金の籠手を嵌める。これらは片時も外そうとしない、特殊な魔道具なのだと言う。

 

 彼は宝石も取るのだが、なぜか一心不乱にある方向へ掘り進んでいるらしい。

何かがあるのかと聞いた所、「変な気配がするのが気持ち悪くて確認したい」と要領の得ないオカルトのような答えが返ってくる。

ベテランの勘のなせる業かと思えば、男は鉱夫はド素人だと言う。最初は掘り方がなっていないと指導を受けている場面もちらほらあったそうだ。

 

 今では男が掘った道を坑道にして、そこから横に掘り進む者たちも増えた。

ブランチマイニング、というテクニックだそうだが。

彼が何を掘り当てるのか。楽しみにしているもの、それのおこぼれを貰おうとしているもの、そして掠め取ってやろうと画策しているもの。

鉱山の中にいろんな思惑が渦巻いている。

 

 時に、ティファール近くに新しくできた集落。

男がそこに足を延ばす事も中々多いのだと言う。

発展の兆しを見せる新しくできたその集落は、その開拓の中心となった商店が掲げているマークを指してこう呼ばれるようになった。

 

 ――天秤(リーブラ)と。

 

 

「……ほう?」

 

 

 武装商船団の隠れ家。

ハリア半島を超えた先にある小さな出島にある拠点、ヌオノ。

 

 その一画で一連の報告を聞いた男は、ウィスキーの入ったグラスを舐めながら興味深そうに口角を上げた。

その男には磯の香りが染みついて、その傍らには大きなオレンジのパイレーツハットが置かれていた。

 

*1
ロマサガバトル風「津軽海峡冬景色」より抜粋。

https://www.nicovideo.jp/watch/nm9497933

またの名を決戦!サユーリン




 ここまで書いて初めて気づいたんすよ信じられる?
これ、スービエ出さなきゃいけない流れやんけ。あいつの活動範囲ロンギット海だもん。
ギャロンどうすっかな……時代的には数百年後だからまだ考えなくて良いかもだけど。でもエンリケもう出しちゃってんだよな。

 ただどちらにせよ、ボクオーンの完全律にスービエが噛むか、そうでなくても話は通す流れは作らなきゃイケナイ奴ですねこれ。
また筆が滑るのに任せる奴だ。
プロットないまま私はどこまで突っ走れるのだろう。。。

 ちなみに、こっからあと1週間くらいでレオンが要塞に突撃するんじゃないかな。
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