新宿はがんばる   作:のーばでぃ

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 九日ナインソール、ってゲーム……知ってる?
とらねずの人に感化されて買っちまったよ……執筆時間が消えていく……
ゲーム禁解くならリベサガ買えって話だよな(真顔)

 内容?ムズいけどクッソ面白いよ。ムズいけど。
でも、誰も二次書いてくれてないんだ……



五反田はエモノを探している

 別段、失敗した買い物とは思っていない。

ちゃんと着ればちゃんと暖かいのだ。

前はちゃんと閉めて風が入らないようにすれば。

 

 それにこの毛皮のマント、表裏両側に毛が来るような造りになっている。

確かに肌に直に当ててもちゃんと暖かいのだろう。『裏起毛』って奴だ。

それでも寒冷地でお腹出しながらこれだけで過ごす勇気は無いけど。

百歩譲れば裸マントも納得は出来るのである。あくまで百歩譲れば。

 

 ……『裸マント』ってなんか響きがさらに怪しいな……

 

 ルドン高原を無事に越え、ナゼール海峡を何とか進んで、サイゴ族の居る村を通る事が出来た。

ここまで来るともはやクラウンが通用しない。物々交換が主流らしい。

 

 そして、サイゴ族全員がとまでは言わないが、結構な割合で裸マントが居るのである。

トレンドらしかった。真剣に自分の目を疑った。

 

「これはな。ムーに対する信頼の現れなんさ。ムー以外に何も要らない……だからこそ、全身全霊を賭けてムーを育てる。そう言う覚悟の格好と言っても良いかもな」

 

 そう言うカッコいい理由があるみたいではあるが。

 

「なにもマイナスが常の寒冷地でそんなんやらなくても……」

 

「なあに、動いてりゃそのうちあったかくなる!むしろ、汗で濡れたシャツを着っぱなしって方がアブねえってもんさ。ムー以外にも、力仕事は男の仕事だからよ!

それに……おなごはどこの世界だって、筋肉に惚れるもんだろ?」

 

 ガっ!と筋肉隆々のカラダをフロントバイセップスでさらけ出すおっさんである。

あ、俺には見せなくて良いですからそう言うのは。

 

「しかし兄ちゃん、そんな仰々しいモン担いでどこまで行くんだ?この先はホントに氷が広がるばかりでなんもねえぞ?」

 

「あ、うん、その仰々しいモンをある場所に封印する旅路でさ……一応2度目だし、大丈夫だ。ありがと」

 

「はあー……2度目ぇ?世の中には随分トチ狂った奴もいるもんなんだなぁ」

 

 君らのその恰好ほどじゃないよ、とまでは辛うじて言わずに我慢できた。

 

「……ま、良く分からんが気ぃつけな。近ごろじゃ、なんかやたらでっかいモンスターが出るってんで噂になってんからよ」

 

「やたらでっかいモンスター?」

 

「4本足の、燃えるような赤い髪を持った巨象だとよ。どこまで本当かは分からんがね。

……幸い、人が襲われたって話は聞かねえが……氷海は青い海より厳しいからなぁ。何が居てもおかしくねえさ」

 

 やたらでっかい象?

……そんなのがもし本当にいたら、氷塊に張る分厚い氷も踏み割って海にドボンしちゃうんじゃないか??

ちょっと想像が出来なかったが。

 

「……ありがとう、気に掛けておくよ」

 

「おお。帰りもここ通るんなら、一夜の寝床と飯ぐらいは都合つけてやんよ。頑張りな」

 

 おっさんの傍らについていたムーが、合わせて送り出すように低く鳴いた。

 

 

 

@ @ @

 

 

 

 ――なるほど、確かにデカい。

とてもとてもデカい。

俺の開放体より2周りはデカくなってるんじゃないか?

 

 燃えるような赤い髪……うんなるほど、少しオレンジ掛かってはいるけども。

普通に連想できる材料は揃ってたな。あの時点で気付くべきだったかもしれない。

 

 デカい影が俺を見下ろして言った。

 

「おう、クジンシーじゃねえか。久しぶりだな」

 

「元気そうだな、ダンターグ」

 

 吹雪いて来た空模様から退避するために見つけたやたらデカい洞窟の中で、思いもよらない顔と出会った。

 

 まじまじと見上げてみる。

 

「なんか……さらにデカくなった?」

 

「はっはっは!もっともっとデカくて強くなるぜ、俺ぁよ!!……しかし久々に人間を見たが、随分ちっちゃくなったもんだな。まるで人形みたいじゃねえか」

 

 ひょいっ、と荷物ごと俺を持ち上げてまじまじ見てくるダンターグである。

まるで大人に抱えられる赤子だ。

 

「そりゃ、こんだけサイズ差あればそうなるよ……人間体にはなってないのか?」

 

「なってねえな。このサイズの俺でもいきり立って向かってくる奴を倒して吸収するからこそ意味があるんじゃねえか。臆病モンはいらん。

……まあ、腹が減った時に飯代わりに吸収(くう)ことはあるがな」

 

 やっぱこいつ、自分がモンスターだろうと人間だろうと自分がダンターグであれば委細無し、って感じだな。今も昔も。

完全律とか権謀術数とか人の悪意とか全く関係ない所で生きてるよね。

 

 少し、安心したり。

 

 ただちょっとばかり気掛かりもある。

 

「つまりは、今も積極的に吸収を行ってるワケだよな?

……どう?ワグナスの言ってた影響出てそう?」

 

 ダンターグはその巨体の肩を竦めて見せた。

 

「さてな。この辺りは天候を見ようにもずっと()()だし、モンスターに至っては自分で探して歩き回ってる始末だ。微細な変化なんぞ気付けもしねえよ。

俺に言わせりゃ、気にし過ぎなんじゃねえかとは思うが……

……ただまあ、久々のシャバだ。各々分かれて好き勝手やるのは俺も賛成だな」

 

 シャバて。

いやまあ、そうなんだろうけどさ。一応流刑を受けてた訳だし。

 

「……で、クジンシーは何だってここに居るんだ?」

 

「あ、うん、それな……」

 

 宝石事を含め、一通りの経緯を話した。

ボクオーンの完全律については「なんか面倒な事やってんなー」という顔だったが、スービエのトレジャーハントや海産物の話をすると結構食いついてくる。

まあ、こういう話は誰だって好きだよな。俺もわりとワクワクするし。

 

 持って来た海産物の干物はすべて提供した。

開放体のサイズだと一口で終わってしまうからと、ここで初めてダンターグが人間体に戻る。

「二本足はひさびさだな、天井が妙に高く感じる!」と豪快に笑って干したタコを齧っていた。

 

 

「……で、こいつがその宝石とやらか。宝石の事は良く分からんが、なかなかふてぶてしい面構えしてるじゃねえか」

 

 

 封印の端っこを捲ってまじまじ覗き込みながらダンターグが言う。

ボクオーンと違って術で耐性を付与しているわけでは無いのに、封印がまだ効いているからか宝石は反応を示さない。

 

 ……もしかして、上下が解ってるんじゃなかろうか。

そうだよな、ダンターグから生命力取れたらほぼ英雄の所業だものな。

 

「吸収はしねえのか?クィーンの腕を吸収したようによ」

 

「一瞬考えたんだけど、どうなるか分かったモンじゃないから怖くってさ……」

 

「ああ?『そうあれかし』って方向に調整できるんだろうが?」

 

「それ含めても怖いって……なんなら要る?吸収するならあげるけど」

 

「物いわぬ鉱物は対象外だな。爪や牙が生えて獰猛に襲い掛かってくるなら考えてやっても良いが」

 

「それはもう宝石じゃないと思うわ」

 

 干物をアテに雪を溶かした白湯を飲みながらそんなバカ話に興じる。

ダンターグがいるなら、ウィスキーのひとつでも持ってくれば良かったとちょっと思った。

 

 今なら……まあ、俺もちょっとは一緒に飲んでやれるしな。

 

「――まあ良いさ。ラストダンジョンに行くなら、背中に乗せて連れてってやろうか?」

 

「え、良いの?スゴイ助かるけど」

 

「干物の礼さ。ククク……このダンターグを乗り物に出来るなんざそうそうないぞ?」

 

 そんな恐ろしいマネ自分からしようとするの、仲間内にもいないってば。

 

「代わりって言う訳でも無いんだが……ちと手伝って欲しい事があってな」

 

「え?」

 

 意外な話が()いて出て来る。

 

「確認なんだが、お前方位磁針(コンパス)は持ってるんだよな?」

 

「持ってるよ。時計と六分儀も。……六分儀はここじゃ役に立たないけど」

 

 そこまで慣れていないけど、星を使った位置の測量なら辛うじて俺でも出来るのだ。

前にスービエに教えて貰ったからね。異世界ってか、あの異空間では全然役に立たなかったけど。

その時の経験は、周りに何も無かったり明確な目印が無い状態で、自分がどこに居るのかを知る重要な道具になってくれている。

 

「そいつは良かった……ちょっと狩りを手伝って欲しくてな」

 

 そしてダンターグが口にしたのは、未確認の竜の存在だった。

 

 まず大前提だが、ダンターグと言えど基本的に陸周りを廻ってモンスターを探しているそうだ。

この地は周りじゅう真っ白で、下手したらホワイトアウトする時もあるので、いくら氷が分厚いからと言って海の方に出ると方向が分からなくなってしまうという。

 

 あんまり沖に出ると開放体だったら氷を踏み抜く恐れもある。

まあそのあたりは別に何とでもなるのだが、方角を見失って戻って来れなくなるのが痛い。

 

 大体空も曇っているから、星を見て方角を知るという真似も出来ない。

 

 そんな折、白い霧で煙る氷海の奥に、竜のような影を見た事があったそうだ。

雄たけびを上げてケンカを売ってみたのだが、その影は特に反応を示した様子もなく、どこかに消えて行ってしまったらしい。

速攻でケンカを売るあたりダンターグだなあと思うが。

 

「なるほど、海の方に探しに出たいのね」

 

「おお。俺見て逃げ出すならそれまでだが、襲い掛かって来るならぜひ戦ってみたくてな。

お前の『死神の目』なら、悪天候も余裕だろう?

デカい魂探してくれりゃあ、きっとそいつが竜なんだろうさ」

 

「……良いけど、しらみつぶしにはなっちゃうからね?

魂は活発かそうでないかはあるけど、デカい小さいは無いんだ基本的に。

一目見て竜の魂だってわかるほど便利じゃない」

 

「そうなのか?まあ、俺が素で探すよりかはよほど見つかるだろ。お前に会えたのは幸運だったぜ、他の連中だとこうはいかねえからな」

 

 ――(ドラゴン)か。

こんな辺鄙な所にとも思うけど、そもそも竜って辺鄙な所に居るイメージしかないな考えてみれば。

 

「先にラストダンジョン寄って貰ってからでいい?竜を探してる間に宝石をほっぽっとくのなんか不安だし、帰りがけに探す感じでさ。

それだったら見つかるまで付き合うよ俺」

 

「おお、そりゃあ助かるぜ!!じゃあそのプランでよろしく頼む!!」

 

 

 ――そんなわけで、ダンターグの狩りに俺も付き合う事になったのだ。

 




 サヨナラ魔石ちゃん。あなた、次回で捨てられるのよ。
たぶん開放体ダンターグによる遠投よ。二度と戻って来れるとは思わない事ね。
おーほっほっほ!(追放系悪徳令嬢風に)

 氷竜、手元の資料(SFCの攻略本)見たら氷海に居る事は書かれてたけど、シチュエーション忘れたな……確かラストダンジョン手前でどすどすモブみたいに歩き回ってた気はすんだけど。
ロマサガ3とかと記憶混ざってるかも。
まあ、拙作ではなんか居るって事で。
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