ラッキースケベとラッキースケベられ 作:桃色のアオハル
事実は小説よりも奇なりなんて言葉がある。
意味としては、実際に起きる出来事ってのは小説等のフィクションで構成された物語よりも複雑で波瀾に富んでいることらしい。
まあ、要は作られた話より現実の方がおもしれーってことなわけだ。
とはいえだ。
確かに現実は楽しい。けど、創作物のような心躍るようなストーリーがある訳でもない。あまり同意できない言葉だった。
そんな中で、フィクションよりも現実の方が大変だなと思うことが起こった。いや、"現在進行形で起こっている"。
"ソレ"が起こるようになってからは毎日が大変な日々だ。
初めはラッキー、なんて気軽に考えていた。男の子だもん。嬉しくは思ったさ。でもこうも何度も起こるともはや精神がすり減ってくる。
そして、今日もそんな苦難と試練を乗り越えなきゃいけない一日が始まると考えると憂鬱だ。
そんな中、我が家のインターホンが鳴り響いた。
もうそんな時間かと、鏡の前で制服を正し、カバンを手に取る。
本日、高校初登校日。
保育園からの付き合いの隣人の幼なじみが迎えに来たのだろう。頬を叩き気合を入れ、今日という1日を過ごすための覚悟を決める。
そうして、玄関の戸を開ければ──
「──よっ」
「おう、"リト"。おはよう」
──中性的な整った顔立ちの我が親友がいた。
"結城リト"。我が家の隣の家に住む幼なじみ。
昔から家族ぐるみで仲が良く、今でもよくお家にお邪魔してお泊まりなんかしてる。
そんな俺たちは気さくに挨拶を済ませ、そして、俺は近づいてこようとするリトを手で制した。
「おっと待てリト」
「おん?どうした?」
「靴紐はちゃんと結んだか?足に不調は?今日の星座占いは何位だった?」
「ちゃんと結んでるし、足も特に何もねえよ。星座占いも1位だったぜ?」
ふむ、なるほどな。だがまだ油断は禁物だ。
"こいつの体質"と"俺の体質"を考えればまだまだ安心はできない。
「いいか?油断は命取りだ。俺たちのことなら尚更だ」
「うっ……分かってるけどさ。でもビビりすぎてもなんにもなんねえだろ?」
「バカヤロウ…!そういう気持ちが悲劇を産むんだぞ…!」
「わ、分かったって……とりあえず落ち着──」
そこまで言ったリトは近づいてこようとした足をもつれさせ、こちらに向かって倒れ込んでくる。
ほら見た事かコノヤロウ。
「おわっ…と」
「……こうなるんだよなあ」
俺に抱きつくように腕を回し、おしりをガッチリ鷲掴み。
何が悲しくて野郎にケツを揉まれにゃいけんのだ。
「ご、ごめん!」
「おいバカ──」
慌てて離れようとしたリトだったが、そこでさらにバランスを崩し俺の体を押し倒すように倒れ込んでくる。
尻もちを着く俺の上に落ちてくるリトの頭。
その行先は……そう!俺の股間だ!
「朝からBL展開はキツイってぇ…!カロリー高いってぇ…!」
「マジごめん!」
バッと離れるリト。
この男、ラッキースケベの申し子である。
女子が近くにいると何も無いはずなのに躓いては女の子へ倒れ込み痴漢まがいのことをする。
これがわざとじゃないってんだから驚きだねほんと。
例外を除いて女の子にのみ発動するこの幼なじみの能力なのだ。
じゃあ、なんで俺にはこうしてラッキースケベを発動してくるのか。そうこの俺こそがその"例外"なのである。
俺の体質はリトの逆。女の子側から痴漢まがいのことをされる。こちらの気持ちお構い無しにだ。
最初はやったぜひゃっほうだったが、何度もこう……経験するとね。逆にしんどいわけよ。
そんなわけで、図らずとも痴漢してしまう男と痴漢されてしまう男が同じ空間にいればどうなるか。その通り!BL展開だねクソが!
こんな力、欲しくなかったよ…!
「あ!ヤバい!時間が!」
「BLやってる場合じゃないな。初日から遅刻はシャレならんぞ」
「い、急がねえと…!」
慌てて走り出そうとするリトだったが、指が俺の来ているワイシャツ引っかかり、そのまま腕を振ることで"ビリッ"と小気味いい音が鳴り、我が上半身が露出。
「わあ!!ごめん!!」
「どうして……」(現場猫)
本日はいつにも増して酷いですね(泣)
俺は思わず頭を抑えた。
結城リトの幼なじみこと、"
ラッキースケベられの申し子である。
アズレンでコラボが来て書きたい欲が出てきたけど前まで書いてたの見て見たらなんか違うな感があったから書き直してみた。
続けていくためのモチベを下さればありがたい…!