紅の騎士   作:ロールクライ

1 / 10
プロローグ

 

 

 

地獄を見た――何度も人々を殺した。

 

地獄を見た――何度も呼び出された。

 

地獄を見た。

そう、いつか終わる地獄を夢見て。

 

 

衛宮士郎という一つの人間の命が幕を閉じた。

髪は白く褐色の肌となった彼はいくつもの人を殺し、いくつもの人を救った。

 

死んだ衛宮士郎がいたのは剣がささった広い荒野だった。

目に見える場所全てに剣がささっている。

そこで衛宮士郎は自身の在り方を確認していた。

正義の味方にはなれた。

だがそれは悪人に復讐をしたいからとか昔からそういう風に育てられたものではない。

自身が夢を見て憧れたからなったのだ。

それが衛宮士郎にとって残された最後のものだった。

 

・・・どうしようもなく綺麗だったから憧れた。そのために走ってきた。

その結果があれか――。

そう思いつつ、周りを見渡す。

地面いっぱいに突き刺さった剣はまるで墓を想起させる。

ここまで走ってきた衛宮士郎にとって

――己が間違っていた。

そう思わせるのに十分なものだった。

 

・・・だが、それと同時に何か大切なものを忘れていた気がした。

 

そこで自身の過去を振り返ってみる。

全ての始まりの冬木の街

魔術について深くしれたロンドン

 

そしてなぜか印象に残ったもの。

――ローマ

 

やはり衛宮士郎は間違ってなんかなかった。

救われた命はそこにある。

そう信じて。

セイバーだって何度も諦めずに行動した。

凛もそしてアーチャーも。

ならば、ここで折れてはいけない。

 

「まだ俺も頑張っていくからな。セイバー。」

 

一つ何もない荒野でそう呟いたときだった。

 

「むっ?」

 

ふと、何もない場所から光がさす。

すると、光とともに手が飛び出てきていた。

声が聞こえる。

何を言ってるかはわからない。

だが、間違いなく言えるのは呼ばれているということだった。

 

こちらはすでに死んだ身だ。

ならば、救える命全て救ってやろうではないか。

 

そういって、手を取った。

光が導くように包み込む。

 

 

 

意識が覚醒する。

呼び出された場所は空中だった。

「・・・なんでさ。」

 

すぐさま、空中で体の向きを変え静かに着席する。

そこでふと気づく。

それは自身の声ではなかったのだ。

そもそも自身の声はそんな高くない。

それこそ女性になったような・・・。

 

「ん?」

 

ふと、下を向く。

そこには本来男性にはついていないものがついていた。

さらに言えば、服ですら見たことがない。

そして近くにあった鏡を見る。

「なんでさ・・・。」

 

自身が若い時によく出ていた口癖が出てしまっていた。

その顔は間違いなく冬木の聖杯戦争でセイバーだったアルトリア・ペンドラゴンにそっくりであった。

 

「・・・いや、少し違うか?」

 

セイバーにそっくりではあった。

だが、少し違う。

今思えば、声もセイバーのものとは異なっていた。

英霊はまれに逸話などが混ざって姿が変わると聞いたことがあったが、そういうことなのだろうか?

いや、それはおかしい。

自身がセイバーとともにしたのは守護者として活動する前だ。

なのにセイバーと混ざるのはおかしい。

ならば。別人?

それこそおかしいだろう。

セイバー以外にともに活動したこのような顔の人物などしらない。

 

それよりも情報収集だ。

聖杯による知識があることから聖杯戦争で呼ばれたのは確実だろう。

ならば、いち早くマスターと合流し、情報を集めなければならない。

見た目など些細な事・・・些細。

 

「――――――」

 

ふと、女性の声が聞こえた。

足音がこちらに迫っていた。

ガチャと扉を開いた女性は衛宮士郎にとって見たことのある人物だった。

 

「なっ。」

「・・・あなたが私のサーヴァント?」

 

こちらを見ながら遠坂凛はそう言った。

ならば、ここは第五次聖杯戦争なのか?

 

「ねえ、答えてくれないとわからないのだけれど?」

「―――ああすまない。私はあなたのサーヴァントだ。」

 

ここが第五次聖杯戦争なら・・・思い出せなかったことも思い出せる。

それが今のサーヴァントとしての願望だ。

 

「それで――あなたはセイバーであってる?」

「・・・それについてはすまない。マスター。私はアーチャーなのだ。」

 

はぁっっー!?

遠坂凛が叫ぶ。

 

「痛恨のミスだわ。まさかセイバーじゃなくてアーチャーを呼んだだなんて。」

 

それを聞いた私は少し腹を立てていた。

遠坂凛が言ったこと。それはつまり、私がいらないということだ。

生前のことも相まって私はすごくそれを見返したいと感じていた。

 

「ならば問題ない。マスター。この身はあなたが呼び出したサーヴァントだ。それが弱いだなんてことはありえない。」

「・・・そう。なら私を後悔させないでよね。アーチャー。」

 

これでよしと思いつつ周りを見渡す。

ぐちゃぐちゃとはいわないものの召喚の影響からか少し周りが散らかっていたのだ。

しかし、そんなことなど凛が次にいったことによって吹き飛んだ。

 

「あなたの真名はなんなの?」

 

ガチと動きが止まる。

 

「その見た目的にたぶん西洋のサーヴァントよね?」

 

見た目的にはそうだろう。

と思いつつどうするか考える。

衛宮士郎と答える選択肢は必然的に存在しなかった。

しかし、この体の名を知らない。

アルトリア・ペンドラゴンでもないこのような顔の人間など知らなかったからだ。

 

「・・・わからない。」

「――は?」

「どうやら記憶が混雑しているのだ。」

 

それでとった手段はとぼけるであった。

それには凛ならすぐに令呪を使うことはないという思い込みが含まれていた。

 

「なによそれ!それじゃ、どうやって戦えばいいかわからないじゃない!」

「・・・大丈夫のはずだ。少なくとも宝具は使える。」

 

・・・投影したものなら。

それでも体の大きさが違うため調整をしなければならないかもしれない。

 

「それなら・・・まあいいわ。それにしてもあなたせっかくそんなかわいい見た目をしているんだからもっと女性っぽい話し方はないの?」

「――かわ、いい?」

「もしかして・・・しらなかったの?そんな自分に自信がありますみたいな見た目をしておいて。」

 

それはこの体が身に着けている服のことだろうか。

確かにすごい恥ずかしい。

よりにもよってなんでこんな見世物のような服なんだ。

 

「・・・もしかして無理矢理着せさせられたとか?」

「そう、なのかもしれない。」

「はぁ。まあいいわ。その口調は後で矯正するとして最初の仕事よ。アーチャー。」

 

その声に私は反応する。

戦闘、偵察生前守護者のときなんでもこなしてきた。

そう意気込んでいたのだが凛が言ってきた掃除であった。

拍子抜けである。

そして同時に思う。最悪なマスターだなと。

 

 

 

掃除が終わり時間が余ったから少し体を確かめる。

鏡を見なくともわかる。

体は女性だ。

そういう感覚というかなんというか。

だが、問題なのはそれが戦闘に影響が出るかどうかだ。

身長体重だけではない。

女性と男性では異なることが多い。

誰もいないことを確認しながら、投影魔術を使う。

 

投影開始(トレース・オン)

 

そう言って生前の聖杯戦争でアーチャーが使っていた干将・莫耶を投影する。

何故だか衛宮士郎にとってこれが合うと感じたからだ。

しかし、思ったのはそれだけで軽く振るってみるとかなりの違和感があった。

 

「――あの時はこれが一番自身に合う武器だと思ったのだがな。」

 

体が違うから?それはあり得るだろう。

そう思いいくつかの武器を投影して振るう。

英霊同士の戦いにおいて近接戦になることが多い。

ならば、ちゃんと体にあった武器を使うのだがいいだろう。

ふと、真紅の剣が頭の中で思いうかぶ。

 

「――投影開始(トレース・オン)

そういって頭に思い浮かんだ武器を構成する。

全てにわたるまで投影する。

そこでできあがった剣は思い浮かべていた剣そのもので。

これこそが自身に最も合うと思わせるものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________________________

 

 

 

 

【真名】

 

衛宮士郎

【ステータス】

 

筋力:D

耐久:C

俊敏:A

魔力:B+

幸運:E

宝具:?

 

【クラススキル】

 

対魔力:C

単独行動:B

騎乗:D

 

 

その他のスキルはエミヤと同じ。

でも、皇帝特権とかは若干悩んでる。

 

 

後書き的なやつ

結構後先考えずに書いた作品ですので投稿頻度はそこまで高くないと思います。

あと、掲示板の方でもありましたけどエミヤとネロって少しだけ共通点があるよね。

ちなみに、守護者として死んですぐに凛にサーヴァントとして呼び出されているのですがアイアスとかエミヤが使っていたものなら使えるものとします。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。