紅の騎士   作:ロールクライ

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今回は衛宮士郎視点です





五日目

 

 

 

「――――なんだ、家か。」

 

変な夢だった。

遠坂はマスターとサーヴァントは繋がっているときいたけど、別の人がもつサーヴァントにも繋がりはあるのだろうか。

夢で出てきた女性は間違いなくアーチャーだ。

初めは晴れ晴れしい笑顔だったアーチャーは場所にそぐわない剣を握り全てが変わっていた。

・・・アーチャーの過去。

 

「――いいや、そんなことより、セイバーに朝ごはんを作らないとな。」

 

とそう言葉に発しキッチンの方へ向かう。

正直言って不自然なほどに静かだった。

セイバーも遠坂もアーチャーも桜だっていやしない。

ふと、鼻をくすぐるような匂いがした。

間違いなく、朝ごはんの匂いだ。

 

「ああ、起きたのね。衛宮くん。」

「おはようございます、シロウ。」

 

襖を開けた先にいたのは遠坂とセイバーだった。

 

「――遠坂。なんで、俺の家に・・・。」

「そんなことよりあなた昨日自分がしたことわかってるの?」

 

続けて遠坂は俺に説教がごとく言葉を発していった。

遠坂の言葉は全てが真実だった。

俺は弱い――あれ?

 

「そういえば、遠坂が俺の傷を治してくれたのか?」

「それね。私にもわからないのよ。勝手に治ったっていうのが正しいかな。」

 

勝手に――治った?

でも、俺は蘇生の魔術も治癒の魔術も使えない。

そう考えながらそういえばと思い口を開く。

 

「・・・包帯とかはセイバーと遠坂がやってくれたのか。」

「――そうね。私たちもやったけれど一番頑張っていたのはアーチャーよ。」

 

アーチャー。

アーチャーか。・・・俺に対して少し素っ気ない感じがあったが、しっかり俺の心配をしてくれていたのか。

 

「それじゃ、アーチャーはどこにいるんだ?礼を言いたい。」

「・・・ああ、アーチャーならキッチンにいるわよ。」

 

キッチン?!

ア、アーチャーって料理できるのか?

あんな女王様みたいな場所にいて?

 

「・・・その気持ちはわからなくはないけれど少しは隠しなさい。衛宮くん、正直に言って失礼よ。」

「ああ、悪い・・・。」

 

仕方ないじゃないか・・・あの姿で料理ができると思いもしなかったんだから。

なんて言葉は出てこなかった。

気づけば、アーチャーが料理を運んできたからだ。

アーチャーの姿はいつものようなドレスみたいな姿ではなく、黒い服にエプロンを付けていた。

 

「・・・なにかね。衛宮士郎。」

 

ふと、アーチャーがそう言った。

いや、ふとじゃないか。

俺が見ていたからか。

そんな俺に対し、セイバーが俺の方を少しジトッとした目で見ていた。

 

そんなこともありながらアーチャーの作った料理を食べる。

――負けた。

食べた瞬間そう思った。

そしてうまい。

俺なんかよりも料理の腕が上ということか。

いや、この料理は洋風の料理だ。

和風なら俺の方が――

と思っていたが考えが甘かったらしい。

 

「・・・アーチャー。貴女がここまでおいしい料理が作れるとは思いませんでした。」

 

セイバーがそう言った。

それに続いて遠坂も頷く。

アーチャーは「心外だ。」といいつつ、まんざらではないような顔をする。

セイバーに褒められたのがうれしいのか少し笑みがこぼれているアーチャーは少しおもしろかったが俺は食べることに集中することにした。

・・・そう思ったときには遅かった。

セイバーと遠坂がかなりの量を平らげていたからだ。

 

 

 

みんなが食べ終わり、机を挟んで話をする。

 

「そういえば、昨日はアーチャーが俺を助けてくれたんだろ。助かった。」

「・・・礼を言う必要はない。」

 

アーチャーはそういう。

まるで助けるのは当たり前みたいな――それもそうか。セイバーもアーチャーも英霊だったか。

そう納得し、前を向く。

 

「それで、あのバーサーカーは規格外だから手を組みたいのよ。」

 

いつの間に話が進んでいたのか議題はバーサーカーへと変わっていた。

驚きつつ俺は「セイバーがそれでいいなら。」と口に出す。

一方でセイバーもシロウがそれを望むのなら。と言った。

そしてセイバーは付け足すように言う。

 

「それに・・・凛、貴女とアーチャーとはあまり戦いたくはない。」

 

セイバーはそう言った。

俺もそれに頷く。

遠坂もアーチャーもいい奴だ。

だから、そんな人と戦いたくはないしましてや殺し合いなんかしたくない。

 

「それじゃ、話は終わりね。じゃあ、一度私は家に戻るわ。定期的に来る予定だからその時はよろしく。」

「え、ちょっ。」

俺の反応に振り向きもせず、遠坂とアーチャーは出ていってしまった。

 

「シロウ。話があります――。」

 

俺が振り向けば、真剣な面持ちをしたセイバーがいた。

 

 

 

 

 

______________________________

 

 

 

 

 

 

後書き的なやつ

 

少し短くてすいません。

正直に言って五日目の出来事ってあんまりないのではと思った結果こうなりました。

ああ、衛宮士郎はもしかすると、イリヤと会う可能性はありますが。

あと、念のためにここに書いておきますが今作のシロウとアーチャーが恋愛的な意味でつながることはありません。というかありえません。

というか、自分同士での恋愛は誰もいやでしょうし・・・体は違いますけど。

では、また次回。

 

 

 

 

 

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