紅の騎士   作:ロールクライ

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視点はアーチャーに戻ります。


六日目1

 

 

 

 

ふぅと一息つきながら目を開く。

昨日は衛宮士郎の家の出てからずっと昏睡事件のことについておっていた。

それで疲れたのか凛はかえってすぐに寝てしまっていた。

私は・・・ちゃんと、凛のサーヴァントをやれているだろうかそんなことを思いながら凛が目を覚ますまで剣を振るう。

 

持つのは黒白の中華剣。

多少、この体に合うように改造はしたのだが、やはりどうにも馴染まない。

改めて真紅の剣を投影し振るう。

 

「――やはりこちらの方がよく馴染む。」

 

投影してわかったことだが、この剣の持ち主はローマの者だった。

それ以上はわからないがこの剣の使い方はわかる。

 

「ふむ。それよりも凛はそろそろ起きねば、学校に間に合わないな。」

 

そう口に出し、マスターである凛の元へと向かう。

どうやらすでに起きていたようで私が用意していた朝食を食べて着替えも済ませていた。

 

「凛。今日の方針が聞きたい。」

 

私はそう言った。

衛宮士郎(ド素人)ではないのだ。凛だって、聖杯戦争中の学校はあまりよくないことを知っている。

数日前は学校に結界があるのを知らなかったが今回は違う。

 

「・・・そうね。学校が危険なことはわかってる。でも、衛宮くんだってどうせ来るもの。バーサーカーを倒すまで協力する以上話をする必要はあるでしょ?」

「わかった。なら、私は警戒をしておくとしよう。」

 

私はそう返事をしたあと、凛とともに学校へと向かった。

 

 

 

 

昼休みのことだった。

 

学校を歩き回っていると一つの気配に気づく。

私はすぐさま気配の方へと向かう。

そこにいたのは・・・

 

「キャスターか。」

 

「あら、そういうあなたは・・・そうアーチャーね。」

 

どこかで戦闘でも見られていたというのか。

キャスターはこちらを見るだけでこちらのクラスを見抜いたというのか。

――今見ればわかる。いや、改めて見ればか。

キャスターの卓越した魔術。

多少、本来の私より対魔力が高いとはいえそれでも私の対魔力はセイバーよりも低い。

そう思い、赤い外套を投影する。

 

「へぇ?なかなかなものね。アーチャーにしては魔術の知識にも詳しいのかしら。」

 

赤い外套の効果に気づいたのかキャスターはほくそ笑んだ。

 

「でも、その程度のもので私の魔術を防げるとでも思っているのかしら。」

「別に、防げるなどと思ったことはないさ。キャスター。だが、あるのとないのでは大きく異なるのでな。」

 

私が少しの皮肉を込めて言ったつもりだったが、キャスターを挑発するには十分なものだったらしい。

だが、残念ながら今は昼間。

普通のサーヴァントなら神秘の秘匿を優先するだろう。

 

「そう。その安い挑発に乗ってあげるわ。可愛いアーチャーさん。もちろん、ここで勝敗を決めるつもりはないけれどあなたの実力どこまで戦えるか試してあげるわ。」

 

可愛い・・・という言葉に少し引っかかりを覚えつつ構える。

どうやらキャスターはすでに何かしらの結界を張っていたようだった。

 

「察するに認識阻害の結界と言ったところか。」

 

私がそういえば、キャスターは頷く。

 

「感がいいじゃない。セイバーもよかったけれど、あなたもまあまあいいわね。」

 

――背筋が寒くなった。

これは命を狙われているとかそういうものでは・・・そんなことを考えていればキャスターは空中に無数の魔術を構築していた。

 

すぐさま弓を投影する。

 

そして一息でいくつもの矢を放つ。

キャスターは光弾を放ち、矢を防御をする。

その過程でいくつかの構築された魔術をも打ち抜いた。

放たれた光弾は私の剣で相殺する前に炸裂するも私に大したダメージはなかった。

 

「・・・変わった矢。まあいいわ。思ったよりも使えそうね。」

 

キャスターはそういうと結界と同時に消えていった。

恐らくは・・・今回のキャスターはマスターの命令ではなく個人で行動していたのだろう。

 

真っ当なマスターであれば、キャスターのこの行動を看過できるものではないはずだ。

だが・・・キャスターははじめこちらをなめていた。

それも私の矢を見て評価を改めたようだが・・・ランサーといい私はなめられる定めなのだろうか。

 

元の体ならば・・・と思いつつ、凛の元へと向かう。

 

そこまで時間は経っていない。

まだ昼休みの間だ。

向かうついでに先ほどの戦闘を思い返す。

キャスターの光弾。

それは現代の魔術師とは比較にもならないものであるはずなのだが・・・これも対魔力のおかげだろう。

 

 

 

 

 

凛には心底あきれられ、そして怒られた。

一人で報告せず戦った。結果こそ何もなかったが負けていたかもしれない。

そんなことを凛が何も言わないはずがない。

 

「アーチャー。いい?次は戦闘をするにしてもサーヴァントの気配がしたらすぐに報告して!」

「・・・善処しよう。」

 

そんな会話をして凛の家に帰った時だった。

 

「む?」

 

思わず驚いた。

そこには衛宮士郎とセイバーがいた。

 

「さあ、アーチャー。バツを与えないとね?」

 

バツだと・・・?

凛の顔はそれはもうあくまと言えるようなものだった。

 

――凛が言うバツ。それは衣服であった。

 

「・・・すまない。凛。いつどうやってこれを用意したのだ?」

「さあ、どうやってでしょうね?でも、あなたには拒否権はないわよ。もし聞かなかったら令呪使うから。」

「なっ!」

 

その言葉に元々苦笑いであった衛宮士郎とセイバーですら驚いていた。

 

「さて衛宮君。悪いけど部屋の外に出てくれない。」

「ああ。そうだな。・・・悪いアーチャー。頑張ってくれ。」

 

衛宮士郎は私が何を考えているのかわかっていたのか同情するようにこちらを見ていた。

 

 

・・・そんな目で俺を見るな。衛宮士郎。

 

 

 

 

「――驚いた。案外なんでも似合うのね。」

 

凛は驚いたようにそう言った。

それに同調するようにセイバーも頷く。

 

「アーチャー、服装をここまで変えたのです!なら、このまま口調も。」

「・・・なんでさ。」

 

どうやら苦難はまだ続くようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

衛宮士郎は気が付くと別の場所にいた。

 

夢を見る。

 

・・・場所は劇場。

最近よくここを見る。

景色は朧気のはずなのに目に焼き付く。

 

燃えた劇場。

観客席に刺さったいくつもの剣。

 

異質だった。

明らかに混ざっていた。

 

アーチャーの剣の丘ときらびやかな劇場は別の場所だったはずだ。

 

なのに今は混ざっている。

そう、なにかを見過ごしているようなそんな感じがした。

 

――アーチャーは別人だ。

衛宮士郎とは違う。

でも、よく似ていた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________________

 

 

 

 

 

 

 

後書き的なやつ

 

新年あけましておめでとうございます。

キャスターですが、まあかわいいもの好きならネロも対象じゃない?と思ったので絡ませたのですけどうまくいきませんでした。

ちなみにキャスターはセイバー>>アーチャーくらいの優先度で動いていると考えてもらっても結構です。

 

少し時間を空けたのでなんかおかしく感じるかもしれませんが、大目に見てください。

 

 

 

 

 

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