紅の騎士   作:ロールクライ

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七日目2

 

 

 

 

 

「セイバー――!」

 

いつの間にか・・・否、躊躇う間もなく赤き奇跡とともにそれは現れる。

 

白銀の青き騎士。

 

衛宮士郎の手には強化魔術のらしき魔術が施された椅子の脚。

だが、衛宮士郎も先ほどまでそれと敵対していた間桐慎二も動かない。

 

「何をやってるんだ、ライダー!。さっさとそんな奴から…。」

「お断りします…慎二。私とあなたの繋がりはすでにナイのですから。」

 

ライダーから告げられるその言葉。

それは明らかな拒絶であった。

だが、それはさもマスターとサーヴァントという関係がなくなったかのようにライダーは言った。

 

「それは今しがたそこのマスターとの縁はきれ、キャスターと契約を結んだと?」

 

私が問う。

ライダーはそれに頷く。

 

「私にはこの方法でしか…桜を救えなかった。」

「――桜?」

 

その言葉に一早く反応したのは、衛宮士郎であった。

 

「おい、慎二。桜は聖杯戦争に関係あるのか?」

「知らない、知らない。知らないね!あの桜が…この聖杯戦争に関わりがあろうとなかろうと衛宮には関係ないだろ?」

「――このッ。」

 

言い争う二人。

それはセイバーによって止められる。

 

「シロウ、今はそれより目の前のサーヴァントに集中するべきです。」

「――ああッ、すまんセイバー。」

 

 

こちらの戦力はセイバーと私…そして凛。衛宮士郎はこのレベルの戦いにはついてこれないだろう。

一方で、サーヴァントとやりあえるほどの実力者の教師らしき人物。いや、凛は葛木先生と言っていたから教師なのは間違いないだろう。

そして、先ほどからあまり動く気配のないライダーと軽い笑みを浮かばせるキャスター。

 

急発進したが如くライダーが動く。

それと同時に起こるは急な重圧。

それは先ほどまでのライダーの結界の比ではない。

 

力を隠していたというよりも、マスターが変わったからというのが大きいのだろうか。

 

だからこそ、だろうか。

ライダーのそれに気が付かなかった。

 

「…石化の魔眼!」

 

凛が言う。

それと同時に凛と衛宮士郎が石へと変わっていく。

私は…まだ、動ける。

 

だが、それは先ほどのように戦闘を成り立たせられるわけではない。

セイバーですらもいつもの調子で動くことは難しいだろう。

 

この体故か対魔力が上がったのは僥倖だった。

干将・莫邪を持っていていようと。

聖骸布で身を包もうと。

それだけでは、私は簡単に石となっていただろう。

干将・莫邪を構える。

 

「セイバー、そこの男は動きは少々気を付けろ。」

 

そう言って、警戒をさせる。

セイバーは先ほどまでいなかったのだ、仕方ないだろう。

 

閃く閃光。

ぎらぎらと光る弾が次々と飛来する。

 

私はそれを剣で守る。

流石はキャスターか。

…先日の戦闘のせいか。

その動きは、まるで防がれることを前提で来ているようだった。

 

弓を出す暇もなく、飛来するソレら。

ソレらとともに一人の男が動く。

 

―――このままでは不利だな。

 

そう感じた私はセイバーを見る。

セイバーも同じことを思っていたのかライダーを一度突き放すと石化しかける衛宮士郎を抱える。

 

私は十を超える剣を複数空中に用意し、飛ばす。

 

それは一つまた一つとキャスターの魔弾を潰していく。

そして、――――。

 

壊れた幻想(ブロークンファンタズム)。」

 

炸裂したソレは、キャスターのマスターを捉えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――作戦負けだな。」

 

私は思わずつぶやく。

こうして生きているのもたまたまに過ぎない。

あのまま戦闘を続けていれば、私かセイバーのどちらかが宝具の使用をしない限り突破は不可能だった。

 

「何よ…悪かったわね。」

「いや、別に。今回は相手が一枚上手だったというだけだろう。衛宮士郎も、未熟であったのに良く単独行動をとったものだ。」

 

と若干飽きれつつ言う。

それを見て笑う凛。

 

「やっぱり衛宮くんが気になるのね、あなた。」

「…それはヤツの行動がな。」

「はいはい。それじゃ、衛宮くんの方へ行くわよ?」

「ナニ?」

 

衛宮くんの家に行く?

…ああ、先日話していてアレか。

 

「ふっ、君こそ年頃の男の家に行くなど気があるのではないか?」

「ちょ、ちょっと、変なこと言わないでよ。少しだけ今日のことを話しに行くだけよ。」

 

ライダーのことか…キャスターのことかそれともそのマスターのことか。それとも、――――

 

凛の表情は暗い。

あまり良くはない。

 

「そこまで言うのなら私が聞いてきてやろうか?」

「いやいい。これは、私のケジメだから。」

 

そういう彼女は、まさに勇ましい。

 

「やはり、遠坂凛はそうでなくてはな。」

 

「ちょっとそれどういうこと!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衛宮士郎の元へ行き、今日のことを振り返る。

だが、それは確認に過ぎず、代り映えのしないものでもあった。

話が終わり、私はセイバーの近く行き問う。

 

「…セイバー。」

「なんですか、アーチャー。」

 

私は凛のサーヴァントとして活動できているか、などという突飛な質問は口から出す勇気はなく。

別の質問をする。

 

「君は…衛宮士郎のサーヴァントとして呼ばれてどう思う?」

「どう、とは。…シロウの性格などについては多少問題はあれど、素晴らしいと思いますし。私はこの身をマスターの剣として振るうだけだ。」

「……そうだな。忘れてくれ。」

 

「アーチャーは…シロウが嫌いなのですか?」

「む…?」

 

何故そうなる?と思わず思う。

それに凛は私が衛宮士郎に気があるのではないかと聞いてくるのだが…あれは…揶揄っているだけか。

 

「いえ、少しだけ。少しだけなのですが、あなたはシロウを避けている節がですね。」

「ふむ。嫌っているというわけではないのだがな。少し衛宮士郎の志すモノに興味があったのだ。」

「――シロウが目指すモノですか?」

 

セイバーは興味深そうに言う。

 

「ああ、あれはあれで、存外大層なモノを持つのだよ。」

「それがあなたの過去と重なったということですか…。」

 

過去と重なった確かにそうだが、…重なったといういうよりもそもそも同じなのだが――。

 

「まあ要するにそういうことだ。どうした、癪に障ったか?」

「いえ、単にシロウが気にしていたようですので。」

「…そうか。」

 

会話が止まる。

会話のネタなど用意しているわけもなく。

仕方なし、と勇気を出す。

 

「セイバー。」

「なんでしょうか。」

「俺は凛のサーヴァントをやれているか?」

 

「えぇ、凛もアーチャーも共に信用し、信頼している。

 それはサーヴァントとして、個人として共に出来ていることに他なりません。」

 

「そうか…なら、いい。ではな。凛が呼んでいる。」

「えぇ。それと一つだけ――"俺"はやめてください。いいですね?」

 

「……私はいつ俺と言ったか?」

「つい先ほどです。いいですね?

 

「――承知した。」

 

まるで、獅子のような熱意に私は了解することしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________________

 

 

 

 

 

 

後書き的なヤツ

 

遅れてすみません。

元々あったプロットから変えたり、リアルの方で病気になったりしてだいぶ時間がたっていました。

 

しかし、それでも時間がたったというのもあって少々これは違う!などの解釈違いが起きているかもしれません。

申し訳ありません。

これからも遅くても投稿はする予定なのでよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

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