【カオ転三次】世界が終わるまでのバイク旅   作:山親父

30 / 87
短めのお話が続きます。
このエピソードは長々と書くような話では無いし予定通り。
種明かし回でもある。これもバランスが難しい……これが私の限界かな?


フォトネキの日々

 フォトネキ? まあ良いですけど

 

 私はガイア連合の盟主だという人物と面会している。

 私を救助してくれたキノさんは相棒のバイクさんとトンボ返り。

 ガリズルさんの仇討ちをしてくれるって言うから文句は無い。

 でも少年の前にポンと出されて。

 

「スイスで救助したお仲間です。一応確認お願いします」

 

 ガイア連合第二山梨支部? とか言う所に連れてこられて、あれよあれよと言う間に、この状況だ。

 誰か説明してください!?

 

「うん、間違いないね。キノネキは行っても良いよ、急ぎでしょ?」

「ですね、ヤツに時間を与えたくないですから。スイマセンが説明その他ヨロシク」

 そしてバイクさんと共に消えた。

 魔法で転移したらしい?

 

「戸惑っているみたいだね? 取り合えず一通り説明するからマズは聞いてくれる? 質問はその後で」

 

 この見た目で年齢はおじさん、だから愛称は神主かショタおじと呼べば良いんですね?

 この人に色々説明されました……実感できない所もありましたが、人類社会の危機だと言うのは良くわかります。

 ICBMの直撃を喰らいましたから!

 あの時程、真摯に神に祈った事はありませんでしたね。

 お腹がピンチな時よりも真摯に祈りましたとも!

 一応、カソリック系の女子高を卒業してますし。

 私、個人はよくいる無信教な日本人ですけども。

 

 あの祈りにガリズルさんが答えてくれなければ、私はこの世に居ないでしょう。

 まあ、天使の暴虐と生命の危機で覚醒してたとは言え、高位の天使を支え切れる訳もなく昏睡していたらしいです。

 ちゃんとお別れしたかったな……

 ガリズルさんは私から得るMAGを最小限にした上で、ペ天使どもと戦って私のレベルアップに励んでくれたらしいです。

 御陰で目が覚めたんですが、目覚めた時にはガリズルさんは限界を迎えて消え去りました。

 

 欧州には長期の撮影旅行に行ってたんですよね。

 最後にフランスの写真を撮りまくってから帰国する予定だったんですけど……

 

「写真が趣味なんだ?」

 

「一応プロ志望ですけどね」

 

「写真だけ? 文章は書かないの?」

 

「簡単な手記、旅行記くらいは書きますけど。創作の才能は無いみたいで」

 

 風景写真が専門だし、歴史的建造物の写真は既に高名な方々が撮りまくっている訳だし……それでも自分でも撮りたくて半年かけてヨーロッパを撮りまくったんですけど。

 

「じゃあフォトネキで良いかな?」

 

「なんです? その呼び方?」

 

「ガイアでは基本的にあだ名で呼ぶ事が多くてね。理由は呪い除け、今の君ならわかるでしょ」

 

「本名を知られると呪いが掛かり易くなるでしたか? 本当なんですか」

 

「本当だよ。力量にもよるけどね」

 

 なるほど……オカルトが実在したのは納得です。

 転生なんて経験をした上で、天使に襲われれば疑問の余地はありません。

 あっと、アレは天使ではなくペ天使でしたか。

 確かに、自身が滅びるまで私を守護し続けたガリズルさんとアレが同じ存在な筈がありませんね。

 

「そう言えば、フォトネキってFate/Grand Orderってゲームは知ってる?」

 

「知ってますけど?」

 

「じゃあガイア連合には結構な数のそっくりさんが居るから注意してね?」

 

 なんでも、エミヤなんかの人気キャラはエミヤ連合を名乗る位に大勢いるらしいです。

 それは知らなかったら驚くだろうと思います。

 

「これも聞いておくか、フォトネキは自分の著作物を勝手に弄られたらどうする?」

 

「勿論、法的手段に……日本も終末になるんでしたっけ」

 

 ショタおじは頷いてから。

 

「何も出来ない前提だと意味がないから……第三者の手に渡る前に一度だけ手を入れられる事にしようか」

 

 どういう意味でしょう? まあ質問に答えますか。

 

「その前提なら内容をグチャグチャにします。役に立たない様に」

 

「そっか、わかった。ガイア連合には倫理観が吹っ飛んでいる人も居るから、その辺が気になるなら注意してね?」

 

 ん? どういう事でしょう?

 

「例えば18禁の同人誌を描くのに、仲間を勝手にモデルにして描く人が居るよ」

 

 ショタおじは疲れた様に溜息を吐いた。

 なるほど、仲間内で著作権や肖像権で揉めた事があるんですね。

 それで、創作活動をする仲間には警告しているんですか……

 

「フォトネキの本霊は天使ラジエルだね、無意識で干渉したのかな?」

 

 

 これからの自分の立ち位置

 

 

「それで、フォトネキはこれからどうしたい?」

 

 質問の意図がわかりません。

 

「どういう意味ですか?」

 

「君はオカルトを知った。天使という理不尽を知った」

 

「むうっ、ガリズルさんは「数少ない例外だよ。わかってるよね?」……ハイ」

 

 言葉を重ねられたが反論は無い。

 地上に居る天使の括りならばガリズルさんはレアキャラだ。*1

 普通の天使は楽しそうに人間を殺していた……気を失う迄の短い時間でも、殺される人間の悲鳴は今でも耳に残っている。

 

「そんな君には幾つかの選択肢がある。気付いてる?」

 

「ガイアに所属する一択だと思います」

 

「じゃあ、それを前提に細かい説明をしようか」

 

 ふむ、私の場合はガイア連合としては最低限は身を守る手段を持って欲しいのですね。

 既に天使を召喚した実績をもつ私はメシア教の過激派に狙われかねない?

 脳缶やら天使人間やら、非人道的な手段を喜々としてやるんですか。

 私の場合、脳ミソだけにされて天使を召喚する機械にされても不思議じゃないと……

 

 なるほど、引き籠る気がないなら自衛手段の構築は必須ですね。

 その上で、戦闘するのか、製造するのか、医薬の道なんかもあるんですか。

 

「芸術方面は?」

 

「パトロンが付くか、ガイアアニメーションの関連会社にでも所属すれば可能かな?」

 

「では、それ「身を守れるだけの技量が無いと撮影旅行も出来ない時代が直ぐ其処まで来ているからね?」……」

 

「つまり修行は大前提。相応の実力を備えたならガイアニに所属して写真で身を立てる事も出来る……これで良いですか?」

 

「そうだね。君は戦闘で活躍する自分が想像できるかい」

 

「無理ですね」

 断言できる。私には無理だ。

 

 しかし写真を諦めたくはない。

 

 苛酷な世界でも生きられるだけの能力がいる……それは私一人だけで達成しなければならない条件なのだろうか?

 

「誰かに手伝ってもらう事は出来ませんか? 護衛を雇うとか」

 

「可能だよ、でも報酬が出せるとは思えない」

 

 どういう事だろう? 詳しく聞いて見ないと。

 

 ふむむ、確かに無理だ。

 私が考えた事は自費でSPを雇うようなもの。

 写真家の給料で支払える筈が無い。

 どうにか出来ないのかな……

 

「そこでシキガミがある」

 

 シキガミ……私の為の絶対に裏切らない専属護衛が作れると言う事か。

 でも、何故か違和感、拒否感の方が正しいかも知れない、心が受け入れられない気がする。

 私が受け入れられない以上はお互いが不幸になる気がするので保留。

 武器シキガミ? 自分で戦えるなら悩まない、論外。

 

 じゃあ、どうしよう?

 写真を諦める? 無理。

 自分で戦う? 不可能。

 人を雇うのは現実的じゃない……人じゃ無ければ?

「人外、悪魔を護衛に使役する事は可能ですか?」

 役小角や阿部清明が鬼を使役していた筈です。

 

「自力で気付いたかー、やっぱりサマナーの素質があるよ。ガリズルを召喚しただけはあるね」

 

 デビルサマナー……悪魔を従え、毒をもって毒を制する退魔師のスタイルの一つ。

 

 説明を聞くに、もしかすると……私が力量を上げたならヒョットして?

 

「悪魔に入れ込むのはお勧めしない。彼らは人間と違う価値観をもつ存在だからね」

 

 でも話し合えば……

 

「君が優しい存在だと思っているだろうガリズルだって君を傷つける事があるだろう。悪意じゃなく善意でだ」

 

 価値観の違いは海外でも感じたし苦しんだ、そうか異種族なんですよね。

 

「それに、悪魔は基本的に力に従う。イザと云う時に悪魔を止められるのは悪魔より力量が上の術者だけだよ」

 

 結局修行あるのみですか……向いてないとか言ってる場合じゃ無いんでしょうね。

 

 

 私は修行を頑張ると言ったのであって、拷問を頑張ると言った訳では無い!

 

「チクショウ、あの野郎、私を何回殺せば気が済むんですか!?」

 復活しての第一声がこれだった。

 

「なら異能で戦うって事の一端だけでも体験しておいた方が良いね」

 

 こんな言葉に納得したのを後悔した。

 後で聞いたら新人あるあるらしい。

 私は覚醒してレベルも少しだけど上がっていた。

 ガリズルさんが仲魔として、経験値を分けてくれていた御陰だから養殖のようなもの。

 戦いの経験はゼロだし、異能の脅威は経験しておいた方が良い。

 これは事実で、実際為になった。

 ウソでは無いしショタおじ的には親切なんだろう。

 

 結果が消し炭二回、凍死一回、感電死一回、状態異常で死ぬこと六回です。

 二桁死んでたんですね……

 

「マダ衝撃や呪殺とか色々あるけど経験しとく?」

 親切なんだろうけど、余計なお世話だ! 私はもう死にたくない!*2

 ともかく、いくつか耐性を手に入れて霊能者としては万全の状態で修行が出来るんですよね?

 

「フォトネキの場合はヒーラーに適正があるね……必死に鍛えた方が良いかも」

 ボソッと言った後半が気になります。

「メシアってさ、優れたヒーラーを聖女とか言って祭り上げそうでね」

 

 うわぁ……ありそう、可能性は高いかも知れません。

 つまりメシア的に私の価値が倍増ですか?

 うん、頑張りますので方向性を教えてください。

 

「ヒーラーなら喜んで迎えるパーティーもありそうだけど?」

 

「撮影に同行してくれるとは限らないし、同行を依頼するなら護衛を頼むのと一緒ですよね」

 

「そうなんだよねぇ……」

 

「サマナーの修行をお願いします」

 コレしかないと思うのです。

「オススメ出来ないんだけどなぁ」

 ショタおじは気が進まない様子。

 でも、私がソロで撮影旅行をするならコレしかない!

 私の決意を見て。

 

「仕方ないか、でも悪魔と関わるのはホンキで危険だから妥協はチョットしかしないよ?」

 よし、頑張る方向は決まった。

 

「きゃあああ」

 指が吹っ飛んだ!

「霊力の制御が甘いからそうなる! 悪魔に隙を見せたら死ぬよ。気を逸らさない!」

 私が望んだ事だから、文句は言えない。

 

 でも……

「サマナー修行も拷問じゃないですか!! ヤダァー!!」

 

 

 無駄じゃない、あの日々は決して無駄じゃないんだ……

 

 そんなこんなで必死に三か月程修行してショタおじから合格を貰えた。

「ギリギリだからね? 召喚する悪魔には制限を設けるからね」

 合格は合格なのです。

 術式の制御やら覚醒訓練と言う名の拷問に耐え、キノさんの支援で愛好部式ガイア銃や各種ストーンを頂いた御陰で、戦闘者としては最低限のレベルに成長もしました。*3

 頂いた銃は実績があり小柄な女性*4である私にも使いやすいという愛好部式Minebea P9、SIG SAUER P220をミネベア社がライセンス生産した物。

 つまりは自衛隊が使用する9㎜拳銃の退魔銃版だそうです。

 扱いに関しては教官ニキと名乗る小父様がキッチリ教えて下さいました。

 実弾を扱うのです。

 軽く考えてはいけません、海外にソレナリの期間居たのですし理解出来る話です。

 

 それは兎も角サマナーになったからには、堂々と仲魔を呼べるのです。

 そうです、縁が出来ているガリズルさんを召喚するのも無理では無い筈なのです!

 

「行きます!」

 気合を入れて召喚開始。

 ショタおじから頂いた封魔管は三本。

 つまりレベル10以下の三体が召喚の限界ですね。

 一体目、ピクシーレベル3。良しとしましょう一緒に強くなれば良いのです。

 二体目、エンジェルレベル10。私が使役できる最大レベルですね。思わず期待してしまいますが……*5

 

「私は天使ガリズル……お久しぶりですね。コンゴトモヨロシク」

 美人で中性的な天使さん、あの時とは違う分霊なのでしょうがガリズルさんはガリズルさんです。

 思わず涙し抱き着きました。何度もお礼を言って、謝って。

「これからは仲魔として貴女を支えます。ただ頼り切りはダメですよ?」

 そうだ、ガリズルさんは私の恩人? 恩がある悪魔ではあるが、悪魔は悪魔、適切な距離を保って相対して行動しなければ。

 

「最後の一体も召喚しようか?」

 ショタおじに注意されました、ゴメンナサイ。

「では、行きます」

 三体目、ジャックフロストレベル9。今の私には強力な悪魔が二体目、強いのは良いのですが私自身のレベルアップも急がなければ。

 

 必死で頑張ってレベル14になった頃、ガイア連合産の悪魔召喚プログラムが発表されたと聞きました。

 一週間しか経って無いんですけどね!

 つまり以前から開発してたんですよね? メシア版の天使召喚プログラムなら修行前から既にあった!?

 おい、どういう事だ! いや、メシア版が使いたかった訳ではありませんが……

 

「ゴメンネ☆」

 楽をするより、正規の手段を覚えた方が良いと言う事でした。

 納得はしましたけど、恨みもあります。

 でも正規の召喚法で無ければガリズルは呼べなかったと聞けばお礼を言うしかありません。

 くやしいですし、ひっじょーにムカつきますが!

 

「だから、コレを準備したよ」

 仲魔用のシキガミ体だそうです。

 使用された私由来の素材は修行の時に出たものを保存していたそうです。*6

 キノネキの依頼だった様ですね。ガリズルさんに使って貰って、シキガミにすれば裏切る心配も無くなるし周囲の雑音も消えるだろうと?

 

「私は構いませんよ。ここでマスターに再召喚されたなら、この娘を護れという主の思し召しでしょうから」

 障害が減るなら歓迎するそうです。

 ならお願いしましょうか? 負担が減るなら助かりますしね。

 装備も整えないと。

 仲魔の戦闘スタイルを考えるとタンク役が不可欠ですね。

 少々お高いですがアガシオン・スパルトイを購入しましょうか。

 

 シキガミの代金はキノネキが出してくれたそうです。*7

 面倒見の良い方ですね。

 今度、お礼に行きましょう。

 

 ところで、召喚に成功した事で第二覚醒とやらをしたらしく気付いたら私の外見がキノの旅の登場人物。

 フォトにソックリになったんですが、キノさんに謝った方が良いのでしょうか?

*1:
キノ「レジェンドレアだよ!」

*2:
キノ「意外と根性あるし鍛えればイケるのでは?」

*3:
レベル11 キノ「やっぱりイケたじゃないか!」

*4:
身長154cm

*5:
ガリズルの召喚確率を5%としてダイスを振りました。二回目で01が出たんですよねビックリです

*6:
自己防衛の為のマイルドな表現

*7:
キノ「縁があったんだし助け合いだよ」建前 「だから相模原に来て助けてよー」本音




本文で名前が出なかったのは原作リスペクトw 
フォトは綽名なんですよね
原作で名前が出てこない娘なので演技された声優さんの名前を捩って命名します
水無瀬 伊織 が本作でのフォトネキの本名です

読者さん達がガリズルを惜しんでくださったのは作者としても嬉しい限りです
ダイスの神様のお導きとはいえ、こんな簡単に復活するとはこの作者の目をもっても(リハクアイ
5%なんて、早々出ないんだからサマナーを続けていれば何時か会える! 
希望の未来へReady Goが私の想定だったんですが……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。