4/14秋の四女の名前を間違えてたので修正
春の娘達の長女
「今日から三日間は受付業務ですね」
スマホのスケジュール帳で確認する。
仕事着に着換えましょう。事務で働く時の制服です。
私は一応長女と言う事になっております〝
お嬢様は私達をお助け下さった後、体と名前を下さいました。
「ボクは名付けも覚えるのも苦手だからね? 不満があったなら言ってね? 察する事は出来ないと思うから」
うんうん唸りつつ名前を考えていらっしゃったのは存じております。
ですから余程でない限り受け入れようと思っておりました。
頂けた名前は花の名前から取られた素敵な名前でした。藤の花が香る……普通に良い名前だと思うのは自惚れでしょうか? お嬢様的には普通の受け入れやすい名前を選んだつもりの様ですけれど。
妹達はそれぞれ〝アヤメ〟〝鈴蘭〟〝菫〟〝
お嬢様が覚えやすい様に春の花の名前で統一されたそうです。
6人姉妹は多いのかも知れませんが、どうせ戸籍上の事。
私達は助けて下さったお嬢様をお助け出来ればそれで良いのです、戸籍なんてモノは些事と言って良いでしょう。
私達が名前を受け入れた事に安堵されたお嬢様は私達にそれぞれの名前に因んだ髪飾りを下さいました。
「ボクが見分け易いようにね」
そう仰いますが〝精神異常無効〟の効果が付与されているのです。
あのような不幸にマタ巻き込まれないように……そんな心遣いを感じるのは私だけでしょうか?
たぶん、姉妹全員が感じている事でしょう。おそらく夏と秋のグループも同様だと思われます。
奪われる事の無い様にと個人認証まで付けて下さいました。とても優しい気遣いの人だと思います。
多分一生忘れる事は無いでしょう。
この髪飾りを頂いた時の御言葉……
「気にしないで、メシアにやられた事考えたら、洗脳が一番怖いでしょ? 二度とあんな目には遭わせないよ」
淡々となんでも無いと言う様に語られましたが、あれ程のアイテムが安い筈がありません。
私が、そう言っても。
「お金? お金で君たちの安全が買えるなら安い安い♪」
トンデモナイ大金が掛かった筈なのですが……それに身を護れるだけの実力が欲しいと言えば、防具一式や銃にナイフ等の基本的な装備も頂けました。
ガイア基準でレベル30位までは使える装備です。
コレだけでも相応の金額が掛かった筈なのにプラスしてこれです。
盗難を心配すると。
「盗まれないように個人認証も付けて貰ったからね! 変な心配はしないで何時も付けててよ。君達が洗脳されて嫌な目に遭う方がボクは辛いんだからね?」
これです。女の子同士なのですが、胸がキュンキュンしたとしても無理は無いと思いませんか?
脳だけにされ自分の姿すら思い出せずに居た私達に新しく体を頂けた。
贅沢な話ですが、同じ姿を持つ人間が18名もいる事態に戸惑った時期もありました。
そんな時にお嬢さまが掛けてくれた言葉があります。
「個性なんて、自然と出来るよ! それにさ、世の中には五つ子だっている、チョット多いけど十八つ子ってだけでしょ、性格、ファッション、なにより人格が違うんだから個性はもう持ってるんだよ? 後は育てるだけさ」
絶句する私達に向かって、さらに続けて。
「そもそも魂が違うんだもん、それぞれオーラの輝きが違うよ! 例えば君は藤色に輝いていて綺麗だよね♪」
だから名前を
私の場合、ヒョットすると元の体は男性だった可能性があります。
無意識の所作が男性的だと妹に指摘された時期があるのです。
しかし、もう過去の話ですね。お嬢様に堕とされた私は完全にメス堕ちしてしまっています。
妹にも所作が女性らしくないと指摘される事も無くなりましたし……
でも、かつての私は一神教に帰依していたんですよね。おそらくですが、記憶がありませんので。
同性愛に対する、忌避感がゼロとは言えず……でも背徳感でゾクゾクする気持ちもあって、チョット複雑ですが自分に素直になろうと思っています。
カッコカワイイお嬢さまが悪いのです♪
大体、この体を作らせたのはお嬢様なのですから、好みから外れているって事はありませんよね?
「
「お待たせしました、菫ちゃん。皆、揃ってるのね?」
「大丈夫! 皆、車に乗ってるよ」
では仕事場へ行きましょうか。
支部の備品である、ハイエースのハンドルを握り出発です。
夏の娘達の四女
「次は僕達がフロントマンだよ~」
僕達は訓練用の異界に居る。
訓練用と言っても、定期的に間引いているから訓練に使えるだけで、管理をサボレば周囲に破滅をもたらす危険な異界には変わりがない。
よくあるダンジョン型の異界で洞窟の通路と広間で構成されている。
階段があって、下に行くほど強い悪魔が湧く仕組だ。
僕の名前は
あくまで戸籍上の話だけど18人もの同い年の姉妹は多過ぎるとの事で、春、夏、秋の三グループ毎に六つ子の姉妹で従妹同士と言う事になっているんだ。
これでも無理があるけど十八つ子よりはマシだってね。
今日から三日間は僕達、夏の姉妹が訓練を兼ねた間引きを担当しているのだ。
簡単にニ名ずつ前中後に別れてフォローし合う。フロントは負担が大きいので交代制、他のポジションが楽々って訳じゃ無いけどねー。
姉妹の名前はそれぞれ長女の〝
これは僕達にお嬢が付けてくれた大切な名前。
一度聞いた事がある。なんで僕に
「そうだね、君の魂が一番傷ついていたんだ。でもさ、ボロボロの魂に生きようとする意志の輝きが見えた……それが泥の中で咲く蓮の花に見えてね」
うーん、泥って良い意味じゃないような気がするなぁ~。
表情に出ていたんだろうね? お嬢が続けてこう言った。
「蓮在泥中潔(はすはでいちゅうにあっていさぎよし)」
なにそれ?
「仏教の言葉でね、汚れた環境の中でもそれに影響されずに、清らかさを保っているって意味だよ」
あれっ? そう聞くと悪くない?
「君の魂はさ、アレだけ酷い目に遭っても清らかな儘だったんだ。だから蓮に例えたんだけど……嫌だったかな?」
自信が無さそうに僕を見つめる、お嬢の顔を見て僕の胸は高鳴った。
「ううん、ステキな意味で嬉しいな♪」
なんだろう、凄くドキドキしてる……良くわからないけど、お嬢が安心したって笑ったら僕の心もポカポカする。
そしてお嬢の為にも頑張ろうって思ったんだ。
「油断しないで行こうね~」
僕たちは異界に挑む。少しでもお嬢の助けになりたいから。
広間の前で一旦停止。入って直ぐ僕とダリアねえが左右を向いて、銃を構える。ミドルポジションの娘達がそのまま正面を警戒。ここに敵は居ない……
「クリア!」
安全を宣言。姉妹全員が広間に入り、次の通路を僕たちが偵察。
定期的に見回っているから予定外の所には悪魔が湧いていないみたいだ。
だからと言って油断はしない。僕らが大ケガをしたりしたらお嬢が悲しむ。それはダメだ!
「次の部屋で接敵予定だから、警戒を厳に! いっくよー!」
ゆっくりと確実に敵を倒しながら進む、僕は強くなる。レベルの限界は有るけど、大丈夫! 連携やスキル、磨ける部分はイッパイあるんだ!
装備を強化する手もあるしね。
レベル限界を上げて貰ったから、僕らはマダ強くなれる。流石にレベル40以上を望むのは贅沢だろうな。
「またお嬢に褒めてもらいたいな~」
お嬢に頭を撫でられると幸せな気分になるんだ♪
小声だったのに姉妹に聞こえたみたい。
抜け駆けは許さないって顔で睨まれた。
秋の娘達の五女
「うにゅぅ? あれ~寝すぎたかなぁ」
スマホでスケジュールを確認。ああ、そっか。
「今日から暫らくはお休みだぁ~♪」
私は椿、秋の花の名前を付けられた
私達はローテーションで事務、修行、お休みを繰り返している。
やっぱり休養も大事って事で、働き詰めはダメだって。
でもお休みって言っても趣味がある娘は良いけど私みたいな無趣味な娘は何をしたら良いのかな?
だからって寝るのが趣味って言うのは違うよねー。
誰かお手伝いが欲しい娘は居ないかな?
お屋敷を散策してみよっと。
私達姉妹の名前は上から〝
お庭に行けば
「お姉ちゃん、お手伝いする事なーい?」
「後は水遣りだけですけど、やりますか?」
あれ? 草むしりとかは終わっちゃったんだ?
「ん~ん、お姉ちゃんのお楽しみは盗りませんよ~」
最期の水遣りって何時も楽しそうにしているものね。
今日はノンビリし過ぎたのかも? そう言えばお寝坊さんって言われる事が多いかな? お仕事の有る日は起きれるんだけどなぁ~?
じゃあキッチンに行って見よう。
のんびりと歩く。なんか良い匂いがするよ?
「クンクン、この香りはクッキーかなぁ?」
キッチンに入ったら楓ちゃんが答えてくれた。
「惜しい、スコーンです。お茶の時間に出そうと思って」
残念、外れたかぁ。
「そう言えばお腹空いたかも……」
「もうお昼過ぎですよ? ご飯は食べましたか?」
「ありゃ? お昼過ぎまで寝てたのか……お寝坊さん呼ばわりされても仕方ないかも?」
「お寝坊さんで間違いないでしょう? 仕方ないお姉ちゃんです。簡単にトーストで良いですか?」
「わーい、食べるぅ!」
休日なんだからノンビリしてても良いよねえ~。
こうやってノホホンと過ごせる日々に感謝。こんな日々をくれたお嬢様にも大感謝なのですよー。
「紅茶とコーヒーどっちが良いですか?」
トーストを焼く間に飲み物も入れてくれる、優しい妹でうれしーなー♪
「コーヒーにしようかな」
お砂糖とミルクをタップリ入れて飲むのが好き。あれ、これだとカフェオレになるのかな~? 細かい事は良いかー。
「はい、どうぞ」
「ありがとー」
もぐもぐ食べだす。
幸せなのですよ。毎日がとっても幸せなのです。
だから、私から幸せを、お嬢様と姉妹達との暮らしを奪おうとするモノが居るなら、それは私の敵です。
記憶も含めて一度は全てを奪われたんです。二度目は要りませんし許しません!
だから、メシア教を名乗る不心得者共よ、次は無いぞ!
「お姉ちゃん? お顔が怖いかも」
「ん~? 気のせいだよ~」
私はのんびり屋さんなのです。願わくばこのままのんびりと暮らして生きたいですね~。
多くは望まないのです。
お嬢様が居て姉妹達が居て、偶に義妹様達が帰って来てお嬢さまに甘えて。
ココ様やヨナ君がイチャイチャし過ぎてお嬢様に叱られるのを笑って眺めて。
ふらっとお嬢様が旅に出て、皆で留守番。
帰って来たらお土産を食べながら、お嬢様が旅の思い出を話してくれる……
それだけで良いんですから~。
そんな細やかな望みすら私から奪うと言うなら、生かして返しませんよ~。
キノちゃんったらこんなに尽されてるのに「皆、恩義に篤いなぁ」としか思ってません
さて、どう収拾付ければ良いんでしょうね? ある意味で責任がある、シキガミちゃんにしたリコも居るし……まあ未来の私が頑張るだろw