隼田進次郎はULTRAMANである
「ちっ! 伏せろっ!」
俺は伊勢原市の大山阿夫利ダンジョンで救援依頼を頼まれた。
この異界は下社を入口にしたレベル7毎の5階層で地下洞窟型ダンジョンだな。
救援要請は地下3階層からか……
【飛行】して急行した所、救助対象がレベル19の悪魔〝コッパテング〟に攻撃される所だった。
「まったく、ギリギリじゃないか!」
救援を求めて来たのは、厚木市の大学での顔なじみ。
年齢が近く、友人付き合いをしている男友達のグループだった。
敵は友人達を範囲魔法の【マハザン】で攻撃しようとしている。
俺は友人達と敵の間に割り込んで魔法を発動させた。
「ザンでの勝負なら負けないぜ!」
敵の【マハザン】を切り裂くように俺の【ザンマ】がコッパテングに襲い掛かる。
亡き父親の親友だった井出さんから貰った、このデモニカ〝ULTRAMANSUITタイプB〟は既に俺に馴染み切り、思いのままに強力な力を発揮する。
今では魔法を多少アレンジする事も可能で、今回は井出さんのアドバイスに従って編み出した、チャクラム型の回転する【ザンマ】を撃ち放った。
井出さんはウルトラスラッシュと名付けていたな。
一瞬拮抗したが直ぐに悪魔の魔法を撃ち破って俺の【ザンマ】が悪魔を切り裂く。
弱体化した【マハザン】は俺は勿論、友人達すら傷つけられない。
「ガッ」
悪魔が悲鳴を残して消えて行った。
「ふう……馬鹿ども、無事か?」
「馬鹿はひでえよ」
「うるさい馬鹿、未だ行けるは、もう危ないって口うるさく言われてるだろうが! 迂闊に深入りすんな!」
全く、こいつら地元の強者として期待されてるのに、用心が足りない。
普通に強いんだが慢心してたか?
レベル13を筆頭とする4人パーティ。
それぞれアガシオンも連れているし、問題が無ければ勝てる相手の筈だ。
1対8で装備が充実しているこいつ等なら、だけどな。
「スマン、アイテムの補充をミスった……」
「あほぅ! それで救助依頼出したら赤字だろうが!」
管理された異界とは言え、油断は死を招くって知ってるだろうに。
救助要請が出来る呪符だって安くないし*1、救助料金だって掛かるのにな。
「返す言葉もねえ……慢心してたな」
「確かにな反省しないと、幾ら黒札様が安全地帯に量産型式神*2を配置してくれたからって調子に乗った」
「ゴメン、俺がもう少しなんて欲を出したのが悪い」
「回復代*3にマッカを払ったしな、欲を出して止めなかった俺らも同罪さ……」
まあ、反省したんなら俺がとやかく言う事じゃ無いな。
「じゃあ、護衛するから一度地上へ戻るぞ」
「「「「おう」」」」
「進次郎みたいに俺もデモニカが欲しいな」
気持ちはわからなくもないが……
「金を貯めて買おうぜ、無理せず慎重にな」
ある意味では俺もお前らが羨ましいんだぜ?
俺の強さはデモニカあっての物だからなぁ……デモニカ無しだとレベル9、これが上限だ。
十分強い、贅沢言うな?
そういう意見がある事は知ってる。
そもそも、現地の名家生まれでこいつ等の様に才能がある人間は少ない。
レベル一桁で打ち止め、覚醒は出来たがソレが限界、そんな話は幾らでもある。
俺でも強い方だってのは知ってるけど……あの娘達は素で俺より、ULTRAMANSUITを着た俺より強い。
こいつらにはマダ伸びしろがある。
流石にデモニカのレベル上限には比べられないが、ここらの名家では麒麟児扱いだ。
なんせレベル上限は15だ。
この異界は鉱物資源の宝庫だから欲張ったのかな?
無理して儲けを増やしても救援要請を出せば救援料で赤字になるんだが。
大怪我もせず、マッカの損失だけで失敗を経験出来たなら不幸中の幸いか。
キノさんもこいつ等には期待している。
然も無きゃアガシオンを格安で売ってはくれないだろうさ。
普通なら大金を出しても買えるかどうか?
井出さんに聞いたが、黒札が支援してないと、そもそも買えないし売ってても馬鹿高いのが普通だってよ。
異界で稼いでもコネが無きゃ買えねえんだ。
こいつ等もわかっている筈だ、自分達が恵まれている事はさ……
でも、上には上が居て、羨ましくなるのも事実。
人間なんてそんなモノだよな。
俺がこいつ等を、
ボクがULTRAMANのエースだ
僕、北斗星司は先生、矢生さんの研究所に向かっている。
昔、未だ小学生だった頃に巻き込まれた悪魔事件。
幼馴染の南夕子を狙った悪魔の襲撃、これで僕は両手と両足を失った。
偶然、感知して助けてくれた矢生さんによって命は助かった。
夕子も生きてる。一時は意識不明だったけど……
矢生さんに当たり散らした事を覚えている。
「何故、僕らがこんな目に合わなきゃならないんだ? なんでモット早く助けてくれなかったんだ!」ってさ。
でも、自分でも戦う様になると嫌でも思い知らされる。
戦いには相手が居て、悪魔何てモンは人間の都合なんて考えず好き勝手に襲う。
低位の悪魔なら考え無しに襲って来るし、高位の悪魔なら冷静に悪辣に人間を食物にするんだ。
テロでも同じだけど、護る方は常に受け身だ。
先手を取れる事なんて滅多にない。
矢生さんだって僕らを助ける義理なんてない、だけど出来る限りの事をしてくれたのに……
後で謝ったら「なんの事かね?」だもんな。
大人の余裕、子供の癇癪なんて気にしていない。
カッコいいと思った。
矢生さんに憧れた。
だから先生と呼ぶ様になった。
そんな僕に先生は新しい手足と戦う為の武具をくれた。
それが〝ULTRAMANSUIT Ver.A〟ガイア連合が開発した対悪魔用のパワードスーツ、デモニカのカスタム品だ。
僕の手足はシキガミパーツと呼ばれる物らしい。
霊的に上位の身体を取り付けた事で、覚醒しただけ悪魔を見れるだけの僕が生身でも戦える様になった。
しかし、元はレベル2が限界だった僕が強化されたところで限界は低い。
イヤ、現地の異能者に比べれば遥かに高いそうなので、贅沢だったのかも知れないけど……。
レベル22は普通に一線級の異能者だ、やっぱり贅沢かな?
でも、それで満足は出来なかった。
死線を超えれば、才能限界を伸ばせると知って無理を始めた僕を危ぶんで先生がカスタムデモニカを開発して渡してくれた。
ホント、先生には頭が上がらない。
夕子も先生が研究所で面倒を見てくれているしな。
先生がガイア連合の病院で診察して貰った結果なんだけど、夕子は意識障害と呼ばれる状態だった。
悪魔に襲われ、一度は魂を奪われた。
先生が魂を取り戻してくれたし、悪魔も滅びた。
けれど、あの時の恐怖に夕子は捕われた儘だったんだ。
優秀な先生でも対処療法しか出来なかった、無理をして失敗したら取り返しがつかない。
あれから5年。
夕子は目覚めてくれた。
縋りついて泣いた。
泣いて謝った。
そして夕子が放った言葉……
「星司君、泣き虫の儘だね」
そう言う君だって泣いているクセに。
「相変わらず小さくてカワイイ顔なんだね? もう高校生なんでしょ? 実感は無いけど」
うるさいな、身長や顔立ちは個人の努力ではどうにもならないんだよ。
体は鍛えて筋肉質だぞ!
久しぶりの幼馴染とのじゃれ合い。
先生が調べてくれた。
夕子のレベル上限は高い。
レベル21もある……今の日本では破格だ。
黒札を除いての話だけど。
僕にも一つだけわかる事がある。
弱い儘だと夕子を護る事が出来ない。
だから僕は強くならなきゃいけない!
その為にも鍛錬を欠かしちゃいけないんだ。
悪魔がまた夕子を狙って来るかも知れない。
だから僕はその日に備えて牙を研ぐ。
今日も異界で鍛錬だ。
先生に素材を頼まれて居るしね。
【浮遊】スキルで浮きながら【ガル】を推進力に飛ぶ。
悪魔の群れに飛び込んで両腕で【ガル】を発動、左右の腕でそれぞれ別の悪魔を攻撃する。
悪魔の群れは4匹。
通りすがりに2匹を切断して、距離を取る為1匹を蹴り殺しジャンプ。
雑魚だがマルチタスクの練習にはなる。
御陰で【ガル】なら三つ同時に発動できる様になった。
次は推進用の【ガル】と【ガルーラ】複数の同時使用が目標かな?
今回の悪魔は残り1匹だから次の機会だな。
「だから切り刻まれて死ね!」
ノズチに【ツインガル】*4を放つ。
両手からガルを同時に放つ事で切断性能を上げた、この魔法が僕の得意技だ。
もうデモニカのレベルは上がらない。
でも、体捌きや魔法の練度、格闘技や戦術。
磨ける所はマダマダあるんだ。
レベルだけが強さじゃない。
レベルが下の相手に技量の差で負けた事もある。
レベルなんてのは指標に過ぎない。
正直に言えば先生が管理する異界では物足りない。
だが、安全に技を磨くには調度良い難度なんだ。
キノさんも【貫通撃】習得の為に格下相手に鍛錬を積んだと聞く。
今の目標はどんな悪魔にも魔法が通じる様にする事だ。
使い手が少ないガル系の魔法は疾風系とも呼ばれる。
使い手が少ないから、耐性を持つ悪魔も少ない。でも居ない訳じゃ無い。
僕は一つの魔法を高める方向に進んだから【疾風無効】や【疾風反射】なんてスキルを持つ悪魔が出たら勝てなくなる。
だから目標とするスキルは【疾風貫通】、コレを習得して極めれば……
【貫通撃】は自力で覚えたから無力では無いと思いたいけどな。
「僕がULTRAMANのエースだ」
悪魔の集団を滅ぼしてから呟く。
これは誓いだ。
夕子、必ず君を護り通す!!
三代目鬼太郎の葛藤
「若、メシア教には異常なしですぜ」
「おう、早々ねえとは思うが油断はすんなよ? やつらのセキュリティはガバガバだかんな」
度し難い事に、やつら穏健派ってのは人が良いのか馬鹿なのか、改心したって言うだけでそいつを信じるからな。
過去にテロじみた悪行を重ねた人間でも簡単に信じやがる。
過激派って奴らもタチが悪ぃ事に、信仰の為ならウソも悪行も許されると思い込んでやがるから嫌になる。
んで被害が出ても穏健派って奴らは自分達は騙されただけだ、と頭を下げて賠償したら終わりだと信じてやがる。
何度騙されてもだ!
結局、自衛するしかない。
これでメシア教穏健派とやらは自分達が信用されないのは不当だと、本気で思ってるんだからやってられねぇ!
親父は良く辛抱したと思う。
先祖代々護ってきた八王子の縄張りを捨てた時は狂ったか? それとも日和ったか? と疑ったモンだが……
「まさか、奴らから神奈川の半分*5を奪いとる為の布石だったとはな」
こういう所で自分の未熟がわかる。
まあ、亀の甲より年の功と言うし、若造が陰謀で親父に勝とうなんて十年早いわな。
学業を真面目に熟して、建築士としての資格も取った御陰かね?
鬼太郎の名と〝TAROSUIT〟を譲られるくらいには認められたんだ。
嬉しくも誇らしくもある。
喜んでられたのは最初だけで、それからは苦労の連続だったが……
デモニカってのは個人専用だ、強力な武具だが育ったらの話さ。
デモニカのレベル上げと会社の経営を同時に熟すのがこんなにシンドイとはね。
やっぱ親父は凄ぇよ。
負けてばっかってのも悔しいからな、頑張ったし部下や親父、それに黒札のキノさんのフォローの御陰で何とかなった。
年下の女の子に頭が上がらない。
良く知らなかったから親父を馬鹿にしてた時期もある。
でも、直接会えば理解せざるを得ない。
キノさんに軽く頭を下げるだけで済ませられる親父は凄い。
俺なんて思わず平伏したくなったからな! 部下の手前堪えたけどよ。
詳しく知れば尊敬せざるを得ない人だもんなぁ。
俺等にとっても恩人で親父のお師匠さんの孫娘。
しかもガイア連合の黒札で、それに相応しい実力と逸話の持ち主だぜ?
たった一人で完全武装の兵士600人を打ち倒したってよ? 普通なら冗談にもならない。
ハリウッド映画だってもう少し自重するぜ? しかも、そいつが大天使撃破の為のオマケと来たもんだ。
若い部下達、高卒や中卒の跳ねっ返り者の中には舐めた態度のヤツも居たがな、俺がホンキで睨めばびびって大人しくなった。
キノさんにチョット睨まれれば漏らす程度の奴らだ、まあ学は無ぇが性根は真っ直ぐな連中だからな。
どちらが格上なのか分からせれば素直なもんだ。
霊格、レベル上限も悪くないしよ。
レベル上限は7~10って所だ。
本気で金の卵だよ。
大事に育てないとな。
多分、俺や俺の子供の代での幹部候補だ、勿論親父から受け継いだ今の幹部を頼りにするがな。
でも親父と同年代だから10~20年で引退する人間だ、次世代の事、その後の世代の事も考えにゃならん。
今は親父が育てた次の幹部候補、一回り上の世代との交流に励んでいる。
大体は酒になるんだがな。
もっとも、俺の次を考えるなら、先ずは嫁さんだねぇ……
俺みたいな荒くれもので良いって言う奇特な美人さんは居ないもんかね? 結局、大学じゃあ彼女は出来なかったしな……
ホント、気は優しくて力持ち。見た目は厳ついが悪くないと思うんだがね?
まっ、まだ若いんだ、焦る事はないやね。
イザとなれば親父が見合いでも用意すんだろ。
「ちょっくら異界に潜って来らぁ」
幹部に声を掛けて緑区ダンジョンへ行こう。
「へい、若。行ってらっしゃい」
仕事は大量にあるし、建築現場にも顔を出さなきゃいけねえしよ。
途中で現場に顔を出しゃあ都合が良かろうさ。
今の内に少しでもレベルを上げなきゃな。
三代目鬼太郎の名前は軽くない、名を汚す様な事はあっちゃならねぇ。
幸い、俺には素質があるらしい、努力で磨けるなら磨かなきゃなるめぇよ。
先ずは俺個人のレベル上げとデモニカのレベル上げかねぇ? 俺のレベル上限は16だし、そろそろ上限だ。
デモニカのレベル上げが優先かねぇ?
わからん事は素直に親父に相談するか。
どうせ緑区ダンジョン行きゃあ会えるんだ。
俺が意地を張ったって役に立たねぇからな。
親父に相談した結果、異界で鍛錬してデモニカのレベル上げするのが一番って結論だった。
デモニカって奴は自分が思う通りには成長してくれねえ。
レベルが上がり、どんなスキルを覚えるかは使用者とデモニカ次第……育てて見ねえとわからねぇからな。
なら四の五の言わずにレベルを上げて、覚えたスキルをどう運用するかを考えた方が良いって事かい。
まあ、親父の経験から、ある程度の予想は出来た。
俺も【アギ】系や【フレイ】系の使い手だし、多分その系統が育つんだろうさ……
予想外の結果も覚悟しなきゃならんがな。
そんで異界に潜ってみたら苦戦している女性用デモニカを装備した二人組*6を助ける事になった。
西隅のお嬢さんと門弟のお嬢さんだ、八王子じゃ半分敵対してたが……今は同じ相模原の仲間だしな。
見捨てるのも胸糞悪いし助けたんだが……何か居心地割悪いな? なんかお嬢さん同士で牽制してねぇか?
良くわからんが、まあ俺が悪い訳じゃ無さそうだし、気にすることも無いかね?
ほんの一月で、この時の俺はお気楽過ぎたと後悔する事になった。
仕方ねぇだろ! この年になるまで女にモテた事なんざねぇんだからよ!!
元在日米軍所属の異能者
「じゃあ、北神奈川支部の要求は呑んでくれるんだな?」
「ああ、イザと云う時に飲料水が保障されるのは大きい、私の権限が及ぶ範囲で便宜を図ろう」
「OK、一応米軍基地内の異界も把握はしておきたいからな。一度調査させてくれるなら助かるぜ」
俺はジャック。只のジャックで通している。
まあ、基地司令には本名も経歴も知られてるんだがね。
俺はアメリカの西海岸の生まれだ、ハッキリ言えばアメリカで好んで兵隊になろうってのは落ちこぼれだ。
士官は兎も角一兵卒はな。
少なくとも俺は飢えるのが嫌だから兵隊になった口さ。
だがよ、霊能の才があってフリーの方が稼げるってわかった時に兵隊は止めた。
で、故郷でデビルバスターをやってたのさ。今の雇主、キャスパーさんに見い出されるまではな。
腕はソコソコ、基本物理で殴る事しか出来ないがね。
生身でもソレナリには戦えるんだぜ? 銃の方はイマイチだったけどよ。
ガイア連合の基準だと限界レベル14だそうだぜ?
そんでも、上には上が居て勝てない悪魔も多いんだ。
俺は魔法も使えないしよ。
キャスパーさんに会ったのは、そんな悪魔にやられかけた時だったな。
部下を指揮して、あっと言う間に滅ぼしちまった。
大怪我をした俺に、部下になるなら治してやるって言われてよ、俺だって死にたかないからな。
一も二も無く頷いたよ。
薬一瓶で完治するとは思わなかったな。
そんな、トンデモナイ薬を大量に作り供給できる組織が日本にある。
そしてボスの従妹が神奈川で支部を任されていて、相模原や厚木の米軍と交渉できる人材を探してると来たもんだ。
ガイア連合、兵隊だった頃にも聞いた名前だったが俺には関係ないと聞き流してたんだがな。
チャンスだって思ったね。
手を上げたのさ、相模原の米軍基地なら俺の古巣だってな。
最低限の信頼はされてたのかね? 契約には誠実に数か月は共に戦ったんだし、信じて貰えるだけの実績は積んでたよな?
それ以上にキノお嬢さんの強さへの信頼が強かったんだと思うがな。
ありゃあ、バケモンだよ。
見た目で侮るヤツは不感症かねぇ? 鈍いんだろうなぁ……ホント、お嬢さんを舐める輩は馬鹿だと思うね。
覚醒してからは素手で悪魔と遣り合う事もあったんだがな、特別製だっていうデモニカ〝JACKSUIT〟って言ったかな? ULTRAMANSUITの一種で格闘戦に強い機体だ。
装甲も厚いし【物理耐性】【大活脈】【不屈の闘志】【食いしばり】が揃っていてタフそのもの。
俺個人のスキルでもあるが、貫通系の攻撃スキルも持っているし、物理特化でも多少格上の悪魔とだって遣り合える。
実に頼もしい相棒なんだが、お嬢さんの前じゃあ、紙切れ扱いされるのが関の山って奴だ。
敵対しちゃダメなお人さ。
ホント、コイツを着てても死ぬまでの時間がチョットだけ伸びるかな? って程度だもんよ。
配下の肉体派にハークとか言う、丸っこいパワードスーツを与えてたが、平気で渡せる筈だよ……デモニカ程度じゃ脅威にならんのだから。
基地司令にもそれは伝えてある。ハークの事も含めてな。
キノお嬢さんの狙いは抑止だからな、キノお嬢さんは勿論、義妹の二人やメイドさん達、それから友人で北神奈川支部では幹部クラスの黒札二人にシキガミ。
コレだけで神奈川の在日米軍と互角以上に戦えるんだぜ?
その上で、支援車輌がタンマリあって、ピョンピョン跳んでパンツァーファウストで戦車の上部装甲を狙い撃てるパワードスーツの部隊が居るんだ。
航空戦力は米軍の方が上だと思いたいが、どんな隠し玉が有っても可笑しくないしな。
舐めた真似は出来ない。させちゃいけない。
今の職場は居心地が良いんだ。壊されたくないし古巣がヤラレルのも嫌なんでね。
オカシイ、俺は飯の美味い日本で闘争心と金銭欲を満たす予定だったんだがな?
何故か、必死に交渉役を熟しているのさ……
今日はストレス解消に異界に潜るか。
先代鬼太郎、北神奈川支部代表代理
「ではハークの生産は一旦停止と?」
「ああ、流石に予算がな。36機もあるんだ、十分だろう」
「自衛隊も興味を持っている様ですが、どうするんです?」
「迷ったんだがな、今の所は止めとこう。ジャックの報告を待って判断した方が良いだろう」
多分、少数は回さないと行けなくなりそうだが。
「わかりました」
事務の中心人物、
春のシキガミ娘の長女でお嬢の身内だ。
俺もお嬢には身内として扱って貰ってる。
恩も借りもある。
少しは返したくて、息子が一人前になったんで代行に専念してるが、借りが大きすぎるな。
思わず苦笑する。
お嬢への借りは大きすぎて残りの一生をかけても返しきれるかどうか?
ともあれ、会社は息子に引き継げた。
生意気なヤツだったが、根は素直で気持ちの良い漢に育った。亡き妻には感謝している。
そしてキノお嬢に会った事で一皮むけた、自分では絶対に敵わない相手と向き合って突っ張るだけではマズイんだと実感できたんだろうな。
俺等親子はお嬢の世話になってばかりだな。
仕事の紹介、協力企業の仲介、こっそり退魔用の銃器や使い魔なんかも頂いている。
お嬢を護って亡くなった〝とっつぁん〟*7がくれた縁だ。
師匠と呼ぶと『くすぐってぇ呼び方すんな! とっつぁん、で良い!』そう言って、退魔のイロハを教えてくれた。
口は悪いが親切で頼もしい漢だった。
引退した〝とっつぁん〟を殺そうとするまで恨んでいたのか? そう思ったんだが、お嬢を見て納得した。
この素質、メシア教のクソ共が狙わん訳が無え!
変に目立つのもマズイと思って、初対面では会釈だけで別れた。
俺が甘かった!
思い出せば今でも後悔ばかりだ。
あの時、お嬢と〝とっつぁん〟を逃がしゃあ良かったんだ。
ヤツラが平穏に暮らす市民だからと遠慮するはずは無い、良く知ってた筈だったのに……
まさか御近所さんまで纏めて焼き殺そうとするなんて、予想外だった。
だが言い訳は出来ない、奴らのキチ〇イっぷりは知ってたんだ。
実感は出来て無かったんだが……
謝りに行った俺をお嬢は責めなかった。
逆に慰められたようなモンだ……そしてお嬢はガイア連合で修行して力を付け、この世界でも名の知られた強者にまで育ってる。
師匠の〝とっつぁん〟の忘れ形見だ、俺が守護しなきゃならんと思っていたのに逆に俺や仲間達と、その家族。俺等を慕う堅気の衆までが世話になっている。
豪快な〝とっつぁん〟の笑い声が聞こえる気がするぜ『俺の孫は凄えだろ? 器が違うんだよ!』ってな。
それでも、俺は大人だ。
お嬢の両親とも友人だった。
なら大人としての矜持を示さにゃならん!
鬼太郎の名と〝TAROSUIT〟は譲ったが、〝ULTRAMANSUIT Ver7.1〟としてデモニカコアはそのままに俺の新しいデモニカとして生まれ変わった。
通称セブンスーツ。
退魔用の太刀を装備する頼もしい相棒だ。
剣技はそれなりに収めているし【アギ】系の魔法が使え【飛行】も出来る。
若いヤツラが育つ環境を整えるのが今の仕事だが……
何時でも戦える様にはしている。
お嬢には悪いが若いもんの盾になって散るなら本望なんでね。
やはり俺は〝とっつぁん〟の弟子なんだよ。簡単には死なんがな。
渋いオッサンは好きです、でも女の子はもーっと好きですw
とは言え、野郎の描写をしない訳にもいかないのよね
ULTRAMANSUITの特殊性は装甲強度と魔法をアレンジできるって事にしようと思います
一切魔法を使えない人も居るけどw
ディストピア氏が設定した量産型式神【重騎士女】と【僧侶男】をお借りしました
最初は【氷棲族】で考えていたけど、安全地帯に置くならこっちの方が便利だなとw
回復魔法の料金はケチられても使われ過ぎても困るのでマッカオンリーで少しだけ支払って貰う感じです。利用状況次第で料金改定も有り得ます
どれくらいのバランスが適当なのやら?
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ネットスラングとしての基地外を使用していましたが誤字報告もあり、一度は正しく表記しました。でも配慮は必要と考え直しカタカナ表記で一部を隠す方向に修正し直しました