マカーブル氏よりFAを頂きました。後書きに載せときますね
キノが遺して置きたい物
「ねえ、ヤプールニキ。FPS*1って作れない?」
このままだと、様々な銃が忘れ去られる……
せめてゲームの中にだけでも存在を残したい。
何時しかそう思うようになった。
ボクは銃器博物館を作るつもりで、銃器を集めている。
それこそ、火縄銃、ゲベール銃、ミニエー銃、エンフィールド銃なんかの前装式銃は勿論、ドイツのドライゼ銃、フランスのシャスポー銃、イギリスのスナイドル銃等、基本的な古い銃はそれなりに揃えているつもりだ。
流石に珍銃、奇銃までは手が回らないけどね。
星杖ニキは強かったな……ボクとの模擬戦が御希望だった星杖ニキが『戦ってくれたら、御褒美を上げましょう』って、それがゲベール銃だった。実家の蔵に在ったそうだ。
物欲につられてホイホイ引き受けて後悔する事に……銃弾を切り落とす人、多過ぎないか!? 下手すると反射してくるってオカシイだろ!!*2
『また何れ』って言ってたのは覚えてたし、今度はミニエー銃が報酬だったから、引き受けたんだけどさ。
ライドウ付きって反則だよ!! 狙撃一つするのに、命がけの追いかけっこに勝利しなきゃダメだなんて……
酷い目にあった。
『ところで火縄銃は何をお持ちで?』
そう聞かれて国友筒、堺筒、雑賀筒はあるって答えたんだけど……
『ふむ、薩摩筒や仙台筒は持っていないと……探してみましょう』
コレクション出来れば嬉しいけど、今度は何されるんだろう? ふふふ、怖い!(震え
第一次世界大戦時代までの代表的な銃は問題無いと思う。
問題になるのは第二次世界大戦~現代の銃。
現役で使用されているこれらの銃を集めるには問題が多い。
マッカや食料+代替品の条件で買い取り希望の依頼を出してるけど、結果はイマイチ。
付喪神化してたら『マダ戦いたい』って子ばかりだし、主人から離れたがらない。例外もいるけどね、少ないけど。
逆に言えば普通の銃器なら準ガイア銃と交換してもらえるってんで、少しずつは集まるんだけどね。
だけど欲しい銃が多過ぎる!
国毎に代表的な銃位は集めたいんだけど、思ったようには進まないのが現状だ。
博物館自体がボクの我儘だし、無理して進める事業でもないんだよね。
集まった所で展示を如何するのか? 考えなきゃいけない事も多いしさ?
国毎で纏めるのか? 口径で比較させるのか? 銃器メーカー毎に展示する方法もあるな。
まあ、先の話だ。
そもそも、収集しきれるのかって問題もある。
ある程度、揃えたら展示を始めても良いだろう。博物館が稼動しても収集を続ければ良いんだしね。
現物が揃わなくても、どんな銃が有ったのかは知らしめたい。
そこで、思いついたのがFPSゲームだ。
データとしてなら現物を集めるより難度が低い。
ボクの頭の中にも、動作データを含めて何百丁もの銃器データがあるんだし……*3
事業として成り立たなくても良いんだ。
ボクが作る博物館に体験型のゲームとして設置出来れば良い。
銃を知りたい人間向けだ。一般向けゲームとしては、刺激が強すぎるだろうしね。
各ゲームメーカーにはホノボノ系で頑張って貰おう。
この博物館に来れば、銃が発展した歴史や構造を知れる。
そして実際にバーチャルなゲームで使用感も体験できる。
そんな場所にしたい。
これなら、何処かで技術がロストしても、無くなった所から調べ直せる筈だ。
〝リチャード・ジョーダン・ガトリング〟*4〝ジョン・ブローニング〟*5〝ジョン・キャンティアス・ガーランド〟*6〝ユージン・ストーナー〟*7等、アメリカの名銃を生み出して来た偉人達。
彼らの創意工夫をロストさせたくない。ミハイル・カラシニコフ*8も忘れちゃダメか……一人だけロシアだけど。
銃には功罪共にあるだろう。
否定する意見も分かる。
だけど、非力な人間が悪魔と渡り合うなら、頼れる相棒なんだ。
銃は人間の牙の一つだ、失って欲しくは無い。
使うのか? それとも捨てるのか? 選ぶのは後世の人間だ。
ボクに出来るのは選択肢を残す努力だけ。
意味が有るかは知らない。
只の自己満足、それで良い。
遠い未来の話
「願わくば人類の護りとして、か」
入口に掲げられた銘板を読む。
私はしがない一教員、今日は生徒の引率だ。
・
・
相模原銃器博物館と言う施設がある。
終末と言われる混迷の時代、後世に銃器製造技術を遺さんとした偉人がいたんだ。
イヤ、偉人は違うのかな?
銃仙キノ、神話の登場人物だ。
彼女は仙人としては落ちこぼれだったが銃撃を極めて、天仙の高みに至った人物だ。
彼女の功績を此処で語るのは止めよう。
時間が幾ら在っても足りないからね。
この地方の守護者であり、文明の護り手の一員だった事だけ覚えておけば良い。
そんな彼女が万が一を考えて遺したのがコノ場所だ。
ここでは、火縄銃、フリントロック、紙薬莢、金属薬莢と銃の進化の歴史が分かり易く解説されている。
各時代の銃器の作り方も含めてだ。
ここに来れば、どの時代の銃器であっても、構造が分かるし、作り方も分かる。
黒色火薬も無煙火薬各種も作り方が分かる。
例え、技術レベルが中世にまで落ち込んだとしても、人類は火縄銃から再発展する事が出来るだろう。
あの時代は人類が生き残る為に戦った。悪魔とも人間同士でも戦わざるを得なかったんだ。
生存の為のリソースを争い、人間を襲う悪魔に勝利する。
そうやって生き残るしか無かった時代だ。
我々では想像もつかない苦難の時代だったと伝わる。
・
・
「終末後、人類が磨きぬいた牙を未来に遺そうとして作られたのが、この施設だ」
博物館を背後に、生徒達を見回す。
「銃は道具だ。実用の機会が無い方が良い道具だ、これはどんな武器でも一緒だがね」
何人かの生徒が頷くのが見えた。
「人間は弱い。覚醒していても、生身で同レベルなら悪魔は勿論、動物にも負けるだろう」
振り向いて、もう一度博物館を見る。
「それを補うのが道具だ。銃は悪魔とも戦える様になる強力な道具だ」
入口を潜り抜けながら、さらに言い募る。
「強力な道具は扱い方を間違えなければ心強い味方となる。その事を考えながら見学して欲しい」
さて、将来の守護者達はどんな反応をするのだろう?
ゆっくりと扉を開き、門をくぐった。
皐月と言う名の少女
「すごぉ……」
順に見学すれば、容易に銃の進歩が分かる。
非力な僕には剣も槍も使い熟せなかった。
戦士としての才は無いのかも知れない。
だからって、子供の頃からの憧れは止められない。
諦めるなら、初めから目指しはしない。
それが夢って奴でしょ?
あの日、キャラバンを護る為に死地へ向かった父達の遺志を継ぐのだ。
他ならぬ僕が決めた事だ。
体格が劣る? 非力だ? 知った事か!
僕は人間だ、人間には知恵がある。足りなければ補えば良いんだ。
僕にも使える武器がある筈だ。もしかすると銃なら僕でも戦えるんじゃ無いか?
そんな期待を持って此処に来た。
過度な期待は禁物だろうと思う。
銃は貴重で高価だ*9。弾薬代だって必要になる。
けれど銃は非力な女子供ですら戦力に出来る武器でもある。
それ故、運用に慎重なシェルターも多いんだけれどね……
管理が甘ければ、容易に犯罪に使われる。
だからって規制するばかりではイザって時に間に合わない。
ホント、ジレンマってヤツだ。
ある程度の覚醒者にとって、銃を規制した所で意味は無いんだけどね。
覚醒者なら素手でだって人間を殺せる。簡単にね……
僕みたいな雑魚であっても、それは同じ。
だから覚醒者は自制を求められるし、モラルを守らなくちゃいけない。
能力に応じて優遇されるし、危機的状況では戦う事を期待される。
基本的には無理強いは出来ないんだけど、報酬も良いから自信があれば受ける事が多いらしい。
それで死んでも自己責任だけどね。
覚醒者じゃないと旅は出来ない。
キャラバンに参加していたんだし、僕は元々覚醒はしていた。
でも、成長できるかは不明。レベル1で限界って人も多いしね。
だからレベルが2に上がった時は嬉しかった。伸びしろを調べて貰えて、成長限界も高め*10って分かったしね。
後は強くなれば皆と旅が出来る、僕でも護れるって、父の遺した商隊を引き継げると思ったのに。
さらにレベルが上がっても覚えられたのは【ディア】だけ、戦いの技も攻撃魔法も覚えられない雑魚が僕だ。
先生が言うには武器適性が無さ過ぎるって言うんだ。戦うのは諦めろって……
後方のヒーラーだって必要なのは分かる。
分かるけど、それは嫌だ! あの日みたいに、後ろで震えてるだけじゃ嫌なんだ!
僕を護ろうとした誰かが死ぬのを見ているだけ、それしか出来ないのは絶対に嫌だ!!
父が遺した部下達、家族と離れるのは嫌だ!!
そう思って、人一倍努力したつもりなのに、結果は出なかった。
此処が、銃が最後の希望だ。
一人だけ、熱心に見学し、説明文を読み込む僕は、何時しか級友と逸れ一人になっていた。
そして、ふと気付く。
「あれっ? こんな所にドアって有ったっけ?」
興味を惹かれた僕は、そのドアを潜った。
とある男子生徒
「銃って言われてもなぁ……」
そもそも役に立つのか? 正直な疑問だ。
少なくとも、俺には向かない。大抵のヤツが使わないんじゃないか?
弾薬費が掛かる割に、命中率が悪いと聞く。銃が弱点の悪魔もいるしサイドアームとして所持するのが精々だろう。
防衛隊の弾幕は脅威だが、集団戦で役立っても、異界探索のメイン武器としては微妙ってのが俺の評価だ。
「皐月が期待してたけど、無理に戦う必要は無いと思うんだけどな……」
未だ未熟だとしても【ディア】を使えるヒーラーなら仕事に困らない。
最後尾で熱心に見学している、皐月をチラ見する。少し距離が開いたか?
「でも気持ちは分かるよな……」
この地域を旅しなから商売をしていたキャラバン隊、そのリーダーの娘。
俺の幼馴染。
皐月の父親は、強力な悪魔に襲われた時、戦えない女子供を逃がして死んだ。
戦える人間で生き残れたのは半分だ。
生き乗った人間は商隊の立て直しに必死だ。
副リーダーだった、俺の親父が代理として商売を続けているが、皐月は残された。
俺を含めた戦えない子供達と一緒にな。
一からの出直し、子供を護る余裕は無い。
勉強を兼ねて、学校がある此処に残されたのは必然だろう。
皐月が納得できるかは別にして。
「納得してたら、ああも努力する筈が無いよな?」
あらゆる武器を試し、攻撃魔法を必死に学んで……結局身に付かなかった。
多少の護身術は覚えたがソレだけ。
ヒーラーに専念するなら、それでも良いんだけどな?
「諦められず足掻きに足掻いて……最期の望みが此処か」
銃。
このシェルターなら入手可能ではある。
俺にとっては費用対効果が見合うとは思えないが。
銃本体も値段が高いしメンテや弾薬にかかる費用もある。
維持するだけでも一苦労だ。
俺なら剣の方が強いし、誤射の心配も無い。
だけど、皐月にはもう銃しか残っていないんだよな……
「せめて適性が有れば良いけど」
銃に適性が有るなら、次は銃を入手するのが目標になる。
バイトなりなんなりでマッカを稼がなきゃならないだろう。
少なくとも、無意味に体を痛めつける修行よりは建設的だ。
「此処にはキノ様が遺したゲームがあるんだよな?」
仮想現実で行われるシューティングゲーム。ゲームの形を取ったシミュレーション。
ここで高得点を取れるなら、現実でも銃で戦える可能性が高い。
逆に言えば、ポイントを稼げないなら……諦めてくれれば良いけど。
俺は頑張りすぎな幼馴染が心配だった。
残留思念
『やあ! ボクの領域へようこそ!』
僕の目の前に現れた人影がイキナリ言った。オヌシナニモノ?*11
何も存在しない、白い世界。居るのは僕と彼女だけだ。
「誰?」
警戒心もあって、上手く喋れない。
『ボクはキノ。そう呼ばれた仙人の遺した影、残留思念だ』
生きている存在じゃ無いんだ? でも、キノ? それって……
『本体は銃の仙人とか呼ばれる事があるみたいだね?』
やっぱり! じゃあ此処は!?
『修行場で、ボクが教官になる。銃、使いたいんでしょ?』
心を読まれてる!?
『驚く事かな? 本体は天仙、仙人の最高峰へ至った存在だよ?』
神通力か……
『気にしないでよ、ボクは影。此処にしか存在出来ないし、二度とは会わないんだから』
如何いう意味だ?
『
異界の一種なのかな?
『卒業するか諦めるまで、幾らでも付き合おう。そしてどちらにしても二度目は無い』
「諦めなけば、銃が使える様になるんですね!!」
『適性の問題はあるけど、ボクは君が諦めない限りは付き合うよ』
「よろしくお願いします!!」
これが最後のチャンスだ。
どれだけ時間が掛かっても、絶対にモノにする!
あの決意はなんだったのか……
『へぇー、才能あるじゃん!』
キノ様が驚く程に、銃は僕の手に馴染んだ。
『ハンドガンで狙撃が出来るなんてね……』
キノ様の方が頭オカシイ癖に。同じ銃を使っていても、精度は数倍。銃を極めた仙人に対抗意識を持つ方が不遜でオカシイのだろうけど。
『その仙人、過去の影とは云え、ボクと比較が出来る時点で規格外だからね?』
否定できねぇ……レベル一桁前半の雑魚が超越者と同じ舞台にギリ立ってるってだけで、無茶苦茶だな。*12
『しかし、ボクみたいな霊質の人間が出て来るなんてね……治癒魔法に適性を持つ分、君の方がマシだけど』
キノ様は自嘲する。魔法に適性が有る分、僕の方がマシって……この人はどれだけ苦労をしたのだろう?
『まあ良いや、思った以上に修行が捗ったんだ。良しとしよう』
じゃあ、卒業? もっと教えて欲しい気がするのに……
『後は実戦で磨く段階だよ。ボクみたいな過去の遺物と戦ってばかりだと歪むからね?』
それもそうか、僕の敵は悪魔だ。キノ様相手に特化しても意味が無い。
「ありがとうございました」
体感では数年掛かりの修行。あらゆる種類の銃の使い方、手入れの仕方、そして【電撃付与弾】*13スキル。
覚えられる全てを覚えて、僕は卒業する。師匠であるキノ様と会うのもお終いなのか……寂しいな。
『影のボクとは会えないだろうけど、本体は健在で旅をしている筈さ。縁が有れば会えるよ♪』
でも、それは師匠じゃない。
『ふふっ、君は可愛いね。可愛い弟子には餞別を上げよう』
師匠が手を振ると現れるライフル。
『M1ガーランド、アメリカと言う国が作った名銃だ。7.62x51mm NATO弾使用、エンブロック・クリップ式で装弾数8発、M1905銃剣付き。本体の霊能で付喪神化してある』
付喪神?
『知らないかな? 人間の想いを受けて産み出された悪魔、この場合は使い魔と思えば良いよ』
使い魔……
『君を認めている。契約すれば裏切る事も無いしね』
なるほど、助かるな。
『なによりコノ子はスキルを持つ。【弾薬庫】【クリップ付き銃弾生成】スキル名だけでも意味がわかると思うけど、解説は要る?』
【クリップ付き銃弾生成】スキルで作った銃弾を【弾薬庫】に保管出来るのだろう。容量は何発だ? 生成速度も気になるな。
『一瞬で君のMPを使用して銃弾を生成する。クリップは再利用するから一発=1MP。8MPでクリップ一つって事だね。クリップ生成は2MPだから、クリップ毎なら10MPだよ』
なら、MP回復のタイミングで銃弾生成を使えば良いのかも? 回復可能な状況ならだけど……
『保管可能数はクリップ4個。君と共に成長すれば個数も増えると思うよ?』
僕もこの子も成長の余地はあるっと。
『最後にハンドガンとホルスターを選んだら帰ると良い。出口はあそこだ』
何時の間にか現れたドア。その横の棚にホルスターに収まった拳銃が何丁か置かれている。
流石にこれ等は付喪神じゃない。
僕はその中から、リボルバー〝コルトSAA ピースメーカー シビリアン〟を選んだ。イザと言う時のサイドアームなんだもん、万が一のジャム*14が怖い。
西部劇で良く見たし。ホルスターとセットのガンベルトに付けられていた12発の.45ロングコルト弾も決め手だった。
腰にガンベルトを巻き、ホルスターの位置を調整する。
そしてM1ガーランドを手にした僕は、師匠に向かって大きく頭を下げると、踵を返して修行場を出た。
シューティングゲーム
「うわっ、またヤラレタ!」
迫りくるゾンビを撃ち殺す自分視点のゲームだ。*15
俺は一番簡単なステージで躓いている。
仲間の中には、遮蔽物有りのステージや建物の中なんかの複雑なステージに進めた人間も居るらしい。
使える銃は様々。俺には良く分からんから、オススメのグロックから始めている。
「ふーん、こんなゲームもあるんだ」
うん? 皐月が合流したのか……
ゲームからログアウトしたタイミングだったし、丁度良い止め時か。
「おう、遅かったな」
声を掛け振り向くと、銃器で武装した皐月が居た。
「お前、それ……」
言葉が出ない。
「これ? 仙人様からの贈り物」
冗談じゃ……なさそうだな。
「じゃあ、僕にもやらせてよ」
俺と入れ替わりにログイン。
そして皐月のプレイに驚愕する羽目になった。
「なんだよ、これ……」
驚愕の呟きが聞こえた。
諦めたクラスメイトが続々と集まって来ている。
皐月の銃撃はレベルが違った。
焦らず、着実にゾンビの頭を吹き飛ばす。
武器は最初に選んだグロックから変えていない。アサルトライフルやサブマシンガンも選べたのに、あえてだと思う。
「ハンドガン一丁で此処まで進めるんだ……」
皐月が来るまでは一番のポイントを稼いでいたヤツが呻く。
アイツはアサルトライフルで進んでいたからな。視界の悪い部屋で奇襲を喰らってゲームオーバーだったが。
「マガジンチェンジが早い、照準も正確で銃身がブレない……すげぇ」
俺には凄いって事しか分からん! ならアイツにも銃の才能が有るんだろう。
皐月には劣るが。
「これで終わりっ!」
パーフェクトゲーム。ノーダメージでゲームをクリアしやがった……
皆が絶句している。
引率の教師が皐月に近付き、声を掛ける。
「認められたか?」
一瞬の戸惑い。
「はいっ♪」
そして、満面の笑顔での返答。
昔は良く見せてくれた太陽の様な笑顔。金髪も相まって輝く様だ。
「ちっ、悪い虫が……」
笑顔の直撃をくらって、胸を抑える野郎どもを苦々しく横目で睨む。
皐月の笑顔がまた見たい。俺の密かな望みが叶ったのは嬉しいけどな。
「でもま、良かったな。皐月」
細かい事はわからんが、皐月の努力が報われたんだ。今はそれで良いさ。
「それはそれとして、皐月に変なチョッカイを出すなら、駆除しないと……」
皐月をゲヒた目で見ている野郎は闇討ちだな!
俺は決意も新たに、計画を練り始めた。