機動戦士ガンダム ノーボ   作:RX140

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第十話 共鳴

 深夜でも夜明けのような、いや、昼間のような明るさだった。それと共に、耳に鳴り響くような轟音も聞こえた。これは、あの時、2機のガンダムが暴走したときの様子を語ったものである。鳴り響く轟音は、ビームサーベルの鍔迫り合いや機体同士の接触だろう。それだけでなく、街が崩壊する音も重なったかもしれない。それだけの激しさを、この一言で表せるほど、この暴走は意図しないものだったのか、あまりの過激さに言葉を失ったのか…。

 

 あの時白いガンダム、ガンダムネヴォのパイロットは、

「くそっ、なんで言うことを聞いてくれないんだ!通信もできないし!」

必死になって暴走を抑えつけようと設定をいじっていた。しかしその努力とは裏腹に、機体の暴走は止まらない。今のところはまだ五分五分だが、相手の行動次第ではやられるリスクも大きい。しかもこちらの動作を一切受け付けないから、脱出ユニットも機能しないだろう。そうなると、機体の運命と共にしなければならない。

「こんなときにマニュアルにも乗ってないから対処しようが…、待て、おかしいぞ」

ここでようやくモヤモヤがスッキリしていく。正確に言うならば、宇宙要塞のときから密かに持っていたモヤモヤだが。

「あの提督、はじめからパイロットを、僕を捨てるつもりだったのか!?」

はじめから暴走の危険がある、もしくは何らかの要因で暴走した時の対処法がマニュアルに載ってるはず。それがないということは想定外なのか、もしくははじめから知っててそれを隠したのか。だとしたら…。

そう考えていても、機体の暴走は止まらない。すでに機体は街中に侵入している。足元では逃げ惑う人たち。それも気にしないかのか、被害を顧みずに潰してゆく。建物は積み木のように崩れる。地面には見るに耐えない死体がどんどんできる。賑やかな街はいつしか、悲鳴と死体と瓦礫に埋もれていった。

「暴走を止めるならば…!」

そして行き着いた答えは。

 

[system error,system error.braver mode is out of control.system forced stop.]

 

コクピットの後ろについていたブレイバーシステムの制御装置を取り外した。スパークが飛び散り、機体はダウン。すぐさま再起動してマニュアル動作に切り替えて攻撃を防ぐ。弁明は全く考えていない。今は眼の前に集中している。ここでやられたら余計に悪い。せめて生きて償うしか道はない。そのためにも、敵、レッドスターを退けなければ。その時、

「なんだ、頭が」

突然頭に大きななにかが響き出した。耳鳴りではない。それ以上のなにかだ…。

 

 一方、敵のほうは、

「ガハッ、持ってくれ、俺の体よ…!」

パイロット:アウル・マハトの乗機、ガンダムレッドスターのブレイカーシステムに翻弄されていた。ブレイバーシステムが機体の動作補助に対し、ブレイカーシステムはパイロットと感覚を一体化する、鉄血のオルフェンズの阿頼耶識システムと似たようなものだ。もちろんパイロットにかかる負荷も強く、後遺症も残りかねない。おまけに、このシステムは専用の端末を体に入れないと完全に使うことはできない。つまり、アウルは今、体中に回る激痛と戦いながら動かしているのだ。

「ええい、統一国家め!なんちゅうもんを作り上げた…、いや、まさか!?」

ここで一つの疑問が出てくる。こんな物騒なシステムは本来存在してはいけない。既に旧暦の条約でそれが定められている。それが搭載されていることは、統一国家は条約違反を犯している、ということになる。それにこれは人体を改造する必要があるとなると…、

「こいつら、まさかヤケクソになって禁忌を破ったのか!?」

許せない、その思いが彼の中に芽生え始めた。自分たちも責められないのは百も承知。それでも、負けたくないからと言って条約を破るのはおかしい。そうなれば、自らの威信を下げるばかりだが、その気がないということは、もしかすると…。

「そんな奴らに正義ヅラをされるのは片腹痛い。やはりあの戦艦を奪うしか…」

地上侵攻後のプランを構築する暇はないが、もしかしたら、と考えてしまう。その時、

「うっ、なんだ、またあの痛みが、」

突然吐き気と頭痛を患う。おまけに耳になにかが響く。耳鳴りではない、なにかが…。

 

目を覚ますと、見慣れない軍服を着た軍人が目の前に立っていた。奥には、数回、競り合ってきたレッドスターの幻影が見える。

「あなたが、アウル・マハトか」

「そうだ。お前は何者だ?」

「…カルシア・ノード。成り行きで軍人になった、ただの一般人さ」

「にしては、随分動かせてるじゃねえか。工学科でもMSは回ってないはずだが?」

そんな他愛もない会話を繰り広げていく。

「アウル・マハト。なぜ俺を狙う?ガンダムを倒せば士気も上がるっていうんか?」

「それもあるな。だが、俺はそんな安い考え方はしないな」

「じゃあなんだ?」

その問いに対し不敵な笑みを浮かべる。一瞬気味悪く感じたが、居心地の悪いものではなかった。

「俺は統一国家、つまりお前達を倒そうと考えている。どうだ、俺と来ないかね?」

「奇遇ですね。僕も似たようなことを考えていました。どうやら、同じ考えを持ったことで共鳴を起こしたのかもしれませんね」

「これで共鳴を起こしてたら…、いや、まさか」

その時、また頭痛が始まった。

「ここでお別れですか、またお話したいものですが」

「あまりそう願うな。あとお前はもしかしたら命を狙われるかもしれんぞ。用心はするんだな」

そういって二人の共鳴は終わった。

再び現実世界に戻ると、

「ガンダムネヴォ及びガンダムレッドスターのパイロットに告ぐ。直ちに投降しろ!繰り返す。直ちに投降するんだ!」

カルシア・ノードとアウル・マハトは、連行された…。




どうも、期末試験が終わった者、RX140だ。
先月サボったのは期末勉強のためだ、許せ
あと第3部は内容の調整のため、12月ごろになると思う
それまでしばし待っててくれ!
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