機動戦士ガンダム ノーボ   作:RX140

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第11話 脱走

「ここがギアナ基地ですか…。いやーそれにしても」

 

「広いな」

 

「そりゃそうですよ。何せ統一国家地球軍の最大の要ですから、寧ろもっと拡張したいくらいですよ」

カルシアが連行されてから3日ぐらい経った。一行は浮かない顔のままギアナ基地に入った。まだ不安の色が残っているのは彼らの処罰が気になるからであろう。何しろ、成り行きとはいえガンダムを動かしていた奴が捕まったのだ。もしかしたら次は俺達の番じゃ?と疑心暗鬼になっている。

「それで…、俺t、いや、私らがここに呼ばれた訳は?まだフロリダには敵の残党がいると伺ったのですが」

「なに、あれはただの雑魚ですよ。向こうもガンダムを失った以上は、大人しくなるはずです」

「そうか…」

未だに腑に落ちない様子のイソゴロウ艦長だが、無理矢理にでも納得するしかない。確かに向こうもビーム兵器を造ってはいるものの、まだ実用化レベルには達していない。しかも、数も流言飛語も混ざってるとはいえ、MSは概ね15機程度だ。これなら放置しても多少は大丈夫なのかもしれない。

「それで、俺達がここに呼ばれたわけは?ただで休ませるだけじゃあないですよね?」

「口を慎め、セルビースタ大尉。ここは軍の上層部しか入れないエリアだ。どこで誰が見てるかわからないぞ」

「は、以後気をつけます」

「別に畏まることはないですよ。そんなことで降格されたら息苦しいじゃないですか」

しばらく談笑したあと、ある部屋に入る。一面はモニター張りのようだ。

『よく来たね。第3独立艦隊所属「レベル」の諸君』

モニターに映し出されたのは、宇宙軍の総司令官、ギルデイド・アルバーダ提督だ。しかしどこか違和感を覚える。前に小惑星基地で会ったときはこう、ふっくらとしていたというか、肉付きは良かったのに、1ヶ月弱会ってないだけでここまで痩せるのだろうか?疑問に思っていると、

『ハハハ、驚いたかな。食料の補給をしくじってね。それはまあ良い。諸君らには第3独立部隊から逸れ、新たなる治安維持部隊の旗艦を勤めてもらおう。詳しいことはアルテッツアで伝える。それと』

そういったところでノイズが走る。それと同時に部屋の照明がチカチカと消えたり点いたりしだした。

『k、kkきttt、、、地の、ぼっっ防衛を頼む…。かれr』

ピーーー、

昔のテレビに出てた放送時間帯外の表示のやつが映って最終的に画面は消えた。

「というわけです」

 

「「「「「「「「「「「いやそうじゃねえよ!!!」」」」」」」」」」

 

全員でそう突っ込む。急に言われては仕方ないのかもしれないが、かと言って少しは相談してほしいものだ。

「待ってくれ!それは戦争が終わったらの話ではないのか!?」

でも一番驚いていたのは案内した人だった。

「いや貴方が知らなくて他に誰が知ってるんだ」

冷たい顔で突っ込む艦長。

更に追撃が巻き起こりそうなとき、

ダーン、ダーン、

「なんだ?外で演習でもやってるんか?」

「いや…、まさか!?」

部屋に赤外光が灯った―。

 

一方、牢獄では、

「なんで俺が捕まらないといけないんだ!確かに民間人に被害を与えすぎたのは認める。だが、それでもこのような仕打ちはおかしいぞ!!」

ガンダムネヴォのパイロット、カルシア・ノードは一人そう漏らす。握られた拳には悔しさが滲んでいた。

「あまり壁を叩くな。ゆっくりと寝れやしないから」

その壁の向こう側にはガンダムレッドスターのパイロット、アウル・マハトが居た。身ぐるみは全て剥がされ、囚人服一枚を着ている。お互いに言えるのは一旦尋問が終わって狭い牢獄にぶち込まれたこと。そしてガンダムを動かすのに必要な鍵も没収された。

「あんたは楽だな。こういった修羅場を何度もくぐり抜けてるであろうから」

「いや、それ程でもないさ。いつだって、捕まったときは毎度死を覚悟するぐらいだよ。そっちこそ、これから起こるであろう出来事を知らないな?」

「また拷問ですか?吐くだけのことは吐きましたよ!?それとも、条約で違反扱いされてるようなこともするって言うんすか?」

「まあな。流石に本部と言っても差し支えのないここではないだろうけど、尋問官次第だな。一つ助言を出すならば、必要以上に考えないこと。意外と、人の考えてることって、顔に出やすいからな」

「良いのか?敵である僕にアドバイスするのは?」

「敵って言ってもたかが陣営が違うだけだ。なのにそれだけで争いが生じるきっかけともなる。この世界がいよいよわからなくなってきたな…」

彼の愚痴に納得と疑問が残る。確かに、今までの歴史もそうだった。2つの陣営が、お互いの利権を掲げる。それに反発し小競り合いがおきる。そしていつしか互いにぶつかり合う。かなり端的だが戦争はそうやって起こった。それはこの戦争でもそうだった。

 まずこの戦争が始まったきっかけはスペースレジデンザの自治権獲得を求める署名から始まった。地球圏軌道に作られたスペースレジデンザ、当初の計画であった35基ができてから10年ぐらい経てばかなり安定してきた。それまでは統一国家が管理していたが、これを機に自治権を得ようと再三要求した。結果、すべてシカト。それだけならまだしも余計に監視の目を厳しくしたのだ。そうしたらどうなるのか?お互いに睨み合いが発生するわけだ。とりわけNo.18「ズォバ」は早くから秘密工場ができており、そこから新型作業ユニットを軍事兵器に転換。そうして宣戦布告して今に至る、というわけだ。

「でもあんたそう言ってる割には若く見えるんだがな」

「見た目だけさ。それより、あんたはどう思ってるんだ?この戦争を」

「僕は…」

言葉が詰まる。心の底で思っていることを言っても筒抜けのように思えてしまう。彼はどこかそう思えてしまうような人物だ。

「僕はこの戦争を、よくわかっていません。成り行きでガンダムに乗り、この戦争に突っ込んでいったとはいえ、どうも理解できるとは限りません。アラスカの自爆も、バンクーバーも、なんならあの艦に乗ってからずっと…」

「君はまだ若いからそうだろう。何れ分かることさ」

その時、牢屋中にベルが響いた。同時に赤色灯も点滅する。

「おっと、来たか。にしては、早いような気もするが…」

「いや待ってくれ、鍵が空いてるぞ!」

扉に手を当てたときに気づいたが、どうやら鍵が壊されていたようだ。いつの間にやらだが、これは乗るほかはない。

「あっ、貴様r」

ボカァ、

たまたま近くを通っていた巡警をぶん殴って武器を略奪する。幸いにも上を見ればルートがわかってしまうのでそれを頼りにデッキに向かうと、

「あ、あったぞ!あれだ!!」

整備が途中だったのか、コックピットハッチが開けられたままのガンダムが2機、鎮座していた。もちろん、鍵も刺したままで。

「よし脱出を、って、まさか…」

「ああ。ここで一つ、決着をつけようかね?」

対艦刀を突きつけられたら為すすべもない。バックパックからビームサーベルを取って構え、睨み合う。血糖の続きが、今―。




お久しぶりです、RX140です
かなりの期間が空いたのは許してクレメンス
あと来月も休みます、これに関しては見逃してくれ…
では、良いお年を!
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