「防衛線を突破されるな!ここが我らの墓場だと思え!!」
突如として始まった「ギニア作戦」。地上軍の本部であったバンクーバーが陥落したことで残り僅かの寿命だったズォバ地上部隊と、フロリダ基地からの司令を受けた宇宙軍の一個旅団による大規模作戦が決行されたのだ。
「こちらは揚陸艦レベル所属のグラトル大尉だ。援護するぞ!」
いくつかの防衛施設は破壊され、残された防衛線のうちの最大手「メインゲート」の死守を命じられたレベル一行は援護及び後方支援を担当した。MSのスペックだけでいえば統一国家に軍配があがるが、練度と士気は向こうが上だ。
「ちぃ。向こうにビーム持ちがいないから助かってるが、そう長くは持たないな」
この場所はマックス2機が通れるか通れないかぐらいの狭さなのが幸いして防衛は比較的ラクである。がそれもいつまで持つかはわからない。
「こんなときにガンダムがいればいいんだけどな…」
「コラ、捕まったやつのことは言うな。今はただ、目の前の敵に注意を向けろ」
そんな愚痴が溢れるのも無理はない。MSの戦闘経験は僅かながらも、その実力は計り知れない。統一国家を苦しめた名だたるエースパイロットを4人倒してるからだ(作品の都合上カットしたが、バンクーバーで2人、捕まったときに追ってきた部隊で1人倒してます)。噂では統一国家が否定した「フィーラー」ではないか、とも言われているが詳細はわからない。仮にこれが事実なら酷い仕打ちは免れないだろうが、もし有能な高官がいたら…。
(とはいえ俺自身もあいつに一度助けられたもんだし、もし帰ってきてくれたら…は流石に幻想だな)
淡い期待を胸に秘めて戦いを続ける。
「こちらエフェクト隊。これより挟み撃ちを行う。援護を要請する!」
「こちらはグラトル。援護、然と受け取った!」
向こう側からエフェクト隊のマックスが加わる。前後を挟み撃ちにされたら相手は一溜りもない。
「前線が崩れたぞ!今だ、行け!!」
MS、戦車、歩兵、艦砲が一斉に放たれる。幾つかは味方に当たっちゃったが、さしずめ気にするほどの損害ではない。
「ガンダムがいなくても、俺達はやれる!そのことを上にも見せ付けるんだ!!」
グラトルの合図とともに前線を飛び出し掃討戦に入る。敵の罠に入ったとも知らず…。
時は少し遡り、
「カルシア・ノード!貴様のような能力者がいながら、なぜ統一国家につくのか!彼らは、貴様のような力を忌み嫌う者の巣窟だ。それがバレたら、貴様は二度と朝日を拝めなくなる。それでも貴様は!!」
「アウル・マハト!そう言ってるあんたこそ、何故僕を殺さない!僕は統一国家について行く覚悟を既に持っている!あんたの軍門に下らないことは確定した。わざわざ決闘に持ち込まなくても、あんたの技量なら僕を殺せるはずだ!何故回りくどいことを!!」
ビームとビームが軋み合い、周囲に火花が飛び散る。お互いが相手を倒そうとしながら、その一撃はどれも急所をかすめてすらいない。前提として敵として認識してるかすら怪しい。
「だが、その力の意味を知らずに振りかざせば、やがて大きな悪意となって舞い降りる!その度胸を、貴様は持っているのか!」
「持っているさ。たとえ否定されようと、受け入れなくても、僕はこれを貫き通す!絶対に!!」
覚悟のこもった一撃がレッドスターの対艦刀を打ち破る。真っ二つに割れた刀身は落ちて、その場を溶かす。
「何!?」
「僕はガンダムのパイロットだ。それを任された以上、その期待に応えてみせる。そのためにもアウル・マハト、あんたをここで」
サーベルの刃がレッドスターに向けられたとき、かすかな爆発音が聞こえた。
「向こうも頑張ってるのか…。僕も戻りたいんだがな」
「…いや待て、まさかそんなわけ!?」
直後、バズーカの散弾が飛び出してきた。シールドで防ごうにもネヴォは盾無し、レッドスターは小さすぎて数弾当たってしまった。
「え?ええ?」
「嘘だろ、完成はまだ先だったはずじゃないのか!?」
「ボットマードリッシュ!?」
通路の奥から現れた機体、ボットマードリッシュと呼ばれる機体はバズーカを抱えて立っていた。いや、その砲口はネヴォとレッドスターに向けられていた。
二発目は頑張って避けてサーベルで胴体を斬る。しかし闘志は尽きてないのか砲口はレッドスターに向けたままだ。頭部バルカンこと近接防御システムで破壊に成功し完全な無力化に成功した。しかし…、
「待て待て!数が多くないか!?」
「こいつはボットマードリッシュ。所謂無人機だ。しかしまだ完成できてないはずだ。しかも…」
「アウル・マハト。一時休戦だ。武器を交換して立ち向かうぞ」
この非常事態を前に敵から提案が出る。確かにこのまま戦っても勝ち目は薄い。なら今は、呉越同舟として立ち向かうしかない。たとえプライドを、誇りを踏みにじっても。
「わかった。俺の対艦刀を渡す。ただそいつは扱いに一癖いる武器だ。気をつけろよ?」
「そっちこそ、機体を振り回しすぎるなよ?」
かくして、ここに一時的ながらも共同戦線が結成された。
「うわぁ、なんだコイツ!?」
無人機:ボットマードリッシュの被害はこっちでも発生していた。
それもそのはず。友軍も巻き込んで攻勢を強めるコイツらは、端から見ても異端、いや寧ろ不気味なナニかに見えるのだ。
両者共に追い詰められ、背中が合わさる。
「おい統一国家ども。お前らに手を貸すのは癪だが、有事だから仕方ない。ともに奴らを破壊できるか?」
オープン通信でトンデモな提案が飛び出してくる。
「それだけでは保証できないな」
「わかっている。コイツラを片付け次第、ここから撤退しよう」
「…わかった。ただし、ここだけの共同戦線だ。いいな?」
「理解が早くて助かるぜ」
こうして一時的とはいえど、統一国家とズォバ、地球住民と宇宙住民による、お互いの垣根を超えた戦線が誕生した。
「全部隊に告げる。こちらは本作戦におけるMS部隊総大将のグラトル・セルビースタだ。たった今、敵部隊の提案により、この基地にあふれかえる無人機を破壊する。くれぐれもズォバには手を出すな!この作戦における全責任は私が受ける。貴公らの罪をすべて私が受ける。だから今は、手を貸してほしい!!」
「こちら実行部隊大隊長アレクサンダー・ヘルベルス。我軍はこれより、憎き統一国家との共同戦線を張る。受け入れられない者は今ここで離脱してくれ。受け入れられるなら、あの不気味な無人機を倒すことに協力してほしい」
「司令!これはアリなんですか?」
「構わん。仮に彼らが今後も協力してくれるなら、これほど嬉しいことはない。そう思わないかね?」
「だとしても!!」
「君、僕はこう思うんだ。地球人だの宇宙人だの、そんなもので区切る必要はないと」
司令室には二人が討論し合っていた。今後の処遇についてだろう。
「で、ガンダムはどうした。脱走されたら溜まったものじゃないが」
「いえ、彼らも無人機の相手に苦戦中です」
「そうかそうか。これで破壊されれば…、勝てる」
「そうだろ?
どうも、ハサウェイ第二部を早く見たいRX140です
色々とネタバレ情報が流れ込んでくるが、遮断するのに一苦労しています
さて、ギアナ作戦も次で最後だ
物語は一気に加速するから、振り落とされるなよ?