機動戦士ガンダム ノーボ   作:RX140

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第二話 襲撃

「-で、結局レジデンザが崩壊して取り逃がしてしまったと」

「はい。大変申し訳ございません」

「何もあそこまでしろとは言ってはないんだがな…」

「普通に火薬の量ミスりました」

「いや何をしてるんだ!?絶対それだろう崩壊したの」

「大変申し訳ございません」

「いいんだ。ミスは誰にでもある。それよりも、統一国家はとんだものを作ったな。ビーム兵器を持ってくるとは…」

 そんな会話ー一般兵と上官「アウル・マハト」が繰り広げられていた。

「ともかく、あいつを破壊しない限り、我らの勝利はないと思え。補給も多めに頼んどけ」

「はっ」

そう言って彼は悠々と部屋を抜けた。

「統一国家め。一体どんな技術を注ぎ込めばあんな化け物ができるんだ?おかげでこっちは頭下げまくりだしよ。…一回、戦ってみたいな」

不敵な笑みを浮かべて、船に乗った…。彼の目の前には、ゾロンジとは違う、エースパイロット向けの機体が佇んでいた…。

 

 一方、カルシアは、

「…、もう疲れた。これ以上は頑張れない…」

〔レベル〕の一角にあるテラスで轟沈していた。昔から勉強するのが嫌いだった彼にとっては、まあまあな地獄でもあった。主にモビルスーツの基礎知識、軍史、機体の整備、サバイバル術、などなど。一般将兵がこれを5年かけて覚えるものを一週間で覚える、というのは彼には酷に等しかった。

「はい。お疲れ様」

「あ、閣下。ありがとうございます」

そう言ってナリタ将軍からの差し入れのコーヒーを啜った。ブラックなので苦いが、疲れきった体にはちょうどよかった。s

「よくあの量こなせるわね。私なら投げ出しそうだわ」

ふと、閣下はそう呟く。

「ええ。でも、僕はガンダムを託された人です。託された以上、それに応えなければ死んでいったあの人に向ける顔がありません。そのためにも、生き残るためにも、必死にならないと」

「いいことを言うわね。でも…」

そう言って顔を近づけ、

「頑張りすぎも、体に良くないわよ」

耳元でそう囁いた。

「!? 閣下、近いですよ!?」

「いいじゃない別に。私h」

ガーガーガー 6時の方向よりモビルスーツの熱源を感知 直ちに戦闘体制へ移行してください MSパイロットは出撃準備を

「追手か。じゃあ、行くわよ。カルシア君」

「了解です。閣下」

 

第一ゲートオープン パイロットはMSへ 装備は対艦仕様を選択 カタパルトラインへ移動 カタパルト推力正常 進路オールクリア ガンダム、発進どうぞ

「カルシア・ノード、ガンダム、行きます!」

そう告げると、機体は一気に加速。スラスターを吹かせながら機体は虚空の空へ飛び立つ。

続いて ゾロンジ、発進どうぞ

「ワルスト・ナリタ、ゾロンジ、行くわよ!」

彼女もそう告げ、機体を発進させた。

 

 虚空の空の彼方から、3機のMSがやってくる。3機ともゾロンジだが、1機だけ明らかにカラーリングがおかしい。それは、虚空の戦場を駆ける、赤武者の機体だった。が、カルシアはそのことをまだ知らない…。

「バズーカは近距離には不向き、ならここで!」

早速バズーカ「プヒアヒ」を放つ。MS戦を想定してステルス弾仕様に変更していた。火力は劣るが、不意打ちにはもってこいである。しかもホーミング機能も有しており、完璧な初見殺し武器となっていた。だが、

「当たるか」

赤いゾロンジはいち早く気づき、マシンガンを掃射。弾は爆発した。

「ステルス…、敵は近くだ!警戒しろ!」

そう言って急加速。瞬く間にガンダムの頭上を通る。

「しまった!?」

気づいた頃には後の祭。背後からマシンガンを撃ち込まれ、バズーカは破壊された。その反動で少し吹っ飛ばされる。ナリタ将軍のゾロンジも追尾するが当たらない。どころか懐に潜り込まれ、強烈なタックルを食う。

「ぐぅぅ!?」

と、双剣を手に持ったかと思えば組み合わせ、一つの大剣にした。ナリタ将軍もサーベルで応戦するも、パワーが劣っていた。最も、ナリタ将軍もMSには慣れておらず、相手はエースパイロットだったから実力でも大差があったが。そこにトドメが降る直前、カァァンッ、間一髪でガンダムシールドで防御に成功するが、ガンダムでも防御で手一杯のようだ。

「やるな二つ角。だが!」

そう言って蹴飛ばして再び距離を取り、もう一度構え直すと切り掛かる。しかし、スパァンッ、シールド裏に用意していたビームサーベルを抜き、素早く切り掛かったガンダムの方が早かった。武器ごと両腕を切られた赤いロンジは成す術もなくやられるーわけにもいかずに、突進を繰り出したあと退散した。

「あ、待て!」

「よせ、あの2機がどこかにおるはずだ。バッテリーも持ちそうにない。ここは撤退だ」

「くっ、わかりました。ガンダム及びゾロンジ、これより帰艦します」

 

「閣下、あれがアウルと知っておきながらなぜ伝えなかったんですか?」

「私だって、戦いで精一杯でしたよ。それにいくら訓練してるとはいえ、あれが初実戦ですよ。彼が助けてくれなければどうなってたか…」

帰還後、ブリーティングルームで会議が開かれていた。先程の戦闘の映像を共に。進路をとある小惑星基地に向けながら。

「取り敢えず、今後の方針だ」

中央のディスプレイに方針が移された。要約すると、

⚫︎MSの出撃はできるだけ控える(補給回数を減らすため)

⚫︎レーダー設備の強化(索敵及びいざという時のため)

⚫︎次の補給でMS一機追加

と言ったところだ。また、毎日二時間はMSシミュレータに籠ることになり、カルシアとナリタ将軍は色を失いかけた。その他、人員配置も決まり、カルシアは砲撃手、ナリタ将軍は艦長に就任した。イソゴロウは副長及び操舵手に就き、他のクルーもそれぞれの持ち場に就いた。

 

「…そうか。わかった。下がって良い」

小惑星基地ハルバードの一室では、初老の軍人が部下の報告を聞いていた。後ろを向いていたから表情はわからないが。

部下が退室した後、所持していたワインを取り出し、特注のグラスに注いだ。淡いいい匂いが漂い、思わず顔を崩す。しかし、彼の思考はワインより濃かった。先程受けた報告はレベルの現状とズォバの様子、地球圏の世論だった。どれも聴き心地の悪い報告だったが、とりわけ平静を保ったのは補給で訪れると聞いたからだろう。ナリタ将軍以下レベルの人員たちの面を見れる、いざとなればガンダムパイロットも粛正できる。それだけの力が、彼にはある。そう思いながらワインを飲む。仄かな香りが口の中で漂い、そこに果実の酸味が押し寄せる。絶妙な混ざり合いがさらに美味しいところだった。

「さて、カルシア君。君のMSの腕前、確かめさせてもらおう」

あわよくば、レベルの誰もがこのような目にあうことを知るはずがない。知っていても疑うはずだ。彼はそのような仕打ちをする人間ではない、と。それもそうだ。彼の隠された経歴は、ワインより苦く、ベジバイトより不味い人生だ。そんな世界で生きたからこの面、この思考、このやり方になる。いや、なってしまった。そう思いにふけながら、何か思案に暮れていた…。




どうも、期末が終わってホッとした者、RX140だ。
MS戦は書くのむずいなあ。
あ、最後の初老の軍人は初代のあの人がモデルです。
ではまた!
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