機動戦士ガンダム ノーボ   作:RX140

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第四話 暴走

「おいおい待て待て!なんだよあれは!?」

突然のガンダムの自律稼働、もとい暴走の様子を見ていたレベルのクルー達は動揺が走っていた。それもそうかもしれんが、ガンダムの開発自体が極秘プロジェクトだった、というものが大きく、全てを知っているのは現状提督だけだという。もちろん、提督に詰め寄るクルーもいて…、

「おい提督!あれは一体なんだ!ガンダムに何を仕掛けた!?」

「私は知らんぞ!あれに自律稼働システムを組め、なんて一言も言ってねえぞ!大体、そっちらがいじったとしか思えないがこっちは!」

「あーーもう!クソッタレ!」

「あ、将軍!何方へ!」

「ハッチを開けろ!救援に向かう!」

「でもそうしたら」

「行かせろ。防衛は奴らに任せる」

「…わかりました」

第一ゲートオープン ゾロンジ、カタパルトラインへ移行 スラスター出力正常 進路クリア ゾロンジ、発進どうぞ

「ワルスト・ナリタ、ゾロンジ、行くぞ」

慌てて機体を発進させ、現場へ急行していった…。

 

「こっこいつ。どうなっているんだよ!?」

そんな悲鳴がコックピットに響く。防御で手一杯な現状にガンダムの猛攻。そこに加え常人では追いつけないスピードでhit &awayを繰り返していく。なにしろガンダムのコンピュータにはこれまでの実戦データ(ただしスカスカ)とシミュレーションデータ(イソゴロウ艦長が技術班にお願いして勝手にインストールしていた)が詰まっており、手数は豊富だ。それに加え、先程の電撃がコンピュータのプログラムを(いい意味で)改変してしまい、戦闘補助が自律稼働に変わっていたのだ。しかも中のデータの大半はアウル・マハトの対戦で埋まっており、その対策が功を奏した(結果論)。

さて戦闘に戻ると、

「うわぁぁぁっぁぁっ!?」

背後から攻撃した別動隊を1人ずつ片付けていく。最初に攻撃した先鋒隊と比べてこいつらはまともに戦えない。加えて、MS運用母艦が近くにいたのも誤算だった。別動隊の任務は主に母艦の防衛。しかし数が減らされては裸も同然。甲板、MSハッチ、艦橋、ブースター、戦艦の重要部位が悉く破壊されまくり、速攻で沈められた。見るにも耐えられないぐらい無残に。

「己二つ角ぉ!!」

激昂したエースが果敢に斬りかかるも、ガンダムはいとも容易く避け、強烈な蹴りを叩き込む。バランスが崩れた隙にビームサーベルを振りかざすもギリギリで受け止め立て直す。激しい斬り合いと鍔迫り合いが続いていく戦場。ビーム式とヒート式。本来ならビーム式が勝つが、出力が低いのか鍔迫り合いができている。お互いが疲弊していくなか、エースはあることに気づく。

「おい、まだあいつ動けるのかよ?」

ズォバの一般機であるゾロンジはバッテリーで稼働しているが、長期戦にはやや向いておらず、持って6時間が限界らしい。そこに気づいたのは良いが、それが命取りでもあった。

再び構えようとした隙を見逃さなかったガンダムが一気に接近しビームサーベルで胴体を貫いていた。

「なn、だ、、と…」

機体は爆散することなく機能を停止。そこに被さるようにガンダムも倒れた。

次にワルストのゾロンジがついた頃には、稼働停止したガンダムと気絶したままのカルシアがいた…。

 

「ーーーきろ。起きろ。起きろっつたら起きるんだ、よ!」

「痛っ!?って、ここは…」

「独房だ。あんたには聞きたい事が幾つかある」

2時間後、レベルの独房でアルバーダ提督の立ち会いの元、ナリタ将軍による尋問が起こっていた。内容はあの時のオープン回線と、突然の暴走だ。前者は早く終わらせたかった、という子供じみた答えできつく怒られた。後者はというと…、

「俺も正直、あの電撃を食らってからの記憶がないんですよね」

「本当か?嘘発見器は反応ないが…」

「本当ですよ。なんならコックピットの動画見ますか?本当に気絶してたんでってあの電撃くらったらそれもやられてるんだった…」

「…とにかく」

と口出ししてなかった提督が言い出した。

「君は意図しない形とはいえ、国家の機密に触れてしまった。その事実は覆らない。本当なら即刻君を射殺したいところだが…」

しれっと物騒な事を言いつつ、やや間を置いて、

「では君を本日付けで国際統一国家宇宙方面軍に入隊し、第3独立艦隊旗艦レベルに配属する。階級は2階級昇進で中尉だ。依存はないな?」

「…はい。もう踏み出してしまったなら…。カルシア・ノード、勤めを果たしてきます」

「うむ」

そう言って将軍と提督に敬礼した。

 

一方、ズォバ宇宙突撃艦隊旗艦グワダンでは、

「アウル少将。4時の方向から救難信号が上がっていますが、如何なさいますか?」

「通信に応じるか?」

「いえ、それが貨物コンテナのようですが…」

「なら回収させろ」

「わかりました。コルドン、ゲシュタルト。直ちにMSを発進させて貨物を回収しろ」

「はっ」

そんなやりとりをしながら、アウル・マハト少将は独り思考を重ねていた。

(こないだの統一国家のMSに先程の報告…。クソッ、今の状況では正面から殺りあったら負けるのは確実。しかも国力差も考慮するとおそらく二つ角はあと数機はあっても良い…。このままじゃあジリ貧で敗北が見えてくるのは確実。勝つにはゲリラ戦に持ち込んで掌握か、条約違反してでもステルスミサイルで無力化するか…。いずれにしろ、こっちもビーム兵器の量産を最終段階まで来ている。あと2か月耐えなければーーー)

「少将。アウル少将!」

「おっと。どうした」

「例の貨物コンテナを回収しましたが…」

「なんだ?もぬけの殻か?」

「違います。これは見に行った方が早いかと…」

「何を勿体ぶっておる。そんなに言いにくいものでもあったのか?」

「その言いにくいものですよ」

その返答に少しため息をついて、

「…わかった。向かおう」

そう言って艦長席を降りた。

 

「な、なんだこれは…」

回収された貨物コンテナから現れたMSを見て、全員言葉を失って只呆然と眺めていた。そこにあったのは、赤い二つ角:ガンダムレッドスターだった。なぜこれが漂っていたかはわからない。おそらく、月面基地:アルテッツァに持ち込もうとした時にトラブルに巻き込まれ、誤って放り出したのだろう。いや今はそんなことを考える暇はない。重要なのはこいつが動くかどうかだ。動力は中破したゾロンジから移植すれば良いが、コックピットハッチが開かなければ意味はない。が、それは杞憂だった。元々ハッチが開いていたからだ。

「なあ、これなら白い二つ角…いや、ガンダムを倒せるよな?」

「え、ええ…。しかし、コントロール系統など、こちらと大きく違います。幸いシミュレーションモードが入っているのでそれで慣れるまでは出撃は厳しいかと…」

「移植はできないのか?」

「そこは調べてみないとわかりませんが…。絶対めんどいことになるんでやめてください」

「わーったよ。じゃ、俺は今から総帥に報告してくるから、できるだけ多くの解析を頼む」

「わかりました。これで統一国家も終わりですね。」

そういう技術士官の反応に1人高笑いしながら、その場を後にするアウル・マハトであった…。




超遅めのあけましておめでとうございます、RX140だ。
新年早々遅くなったのは許せ。
あと二話で地球に移動させます。
ではまた!今年もよろしく!
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