機動戦士ガンダム ノーボ   作:RX140

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第七話 悪魔

「全く、ヒヤヒヤさせやがって…。帰ってくるまで生きた心地がしなかったぞ」

「俺だってヤバいって思いましたよ。提督からのマニュアルがなかったら間違いなくステーキにされてましたから…」

10分後、無事に回収したガンダムとカルシアが艦橋に上がったタイミングでグラトルに捕まっていた。艦は一回アラスカを攻略してそこからバンクーバーを通過してワシントン基地を攻略することに決まっていた。一カ月で行けるかどうかは怪しいが全員そんなの関係なしに息巻いていた。だが、アラスカは鉱山資源が豊富、しかも噂だがエースパイロットのエドローク・ワルサーが着任したとか。そんな簡単に落とせるか不安の種が残っていた。しかし言われたからにはやってみせるのがサヴァード艦長の性。万全な策で挑む勢いだ。

「主砲の射程圏内まであと100m…80…60…40…射程圏内に入りました」

「ようし、総員!第2戦闘配備に付け!主砲、発射体制に移行しろ!」

レベルの両ゲートから主砲が飛び出てくる。口径は驚異の400mm。圧倒的な火力で敵を殲滅できる末恐ろしい兵器だ。主砲は普段使うことは少ないがいざというならMS戦までできる。そんな兵器の射線がアラスカ基地に向けられる。

「主砲、撃てぇーーッ!!」

艦長の掛け声と共に一直線の光が貫く。

「そのままMSを発進させろ!」

「了解」

第一ゲートオープン ガンダム、カタパルトラインへ移行 スラスター出力正常 進路オールクリア ガンダム、発進どうぞ

「カルシア・ノード、ガンダム、行きます!」

カタパルトが勢いよく前進し、ガンダムをアラスカに向けて飛ばした。

その後に続くマックスチーム(パンプキンイズホローアウト隊、長すぎるのでこうなった)。地上じゃあビームの減衰が激しいためマックスは小型の対艦砲ことバズーカを装備していった。

 

一方、襲撃を食らったアラスカ基地では、

「非戦闘員は直ちに退避しろ!MSを動かせるやつは防衛に当たってくれ!」

着任して早々このような事態に巻き込まれたエドロークは素早く、的確に防衛戦の準備を行っていた。相手が今までの統一国家ならまだしも向かってくる敵はガンダムなら落とされかねない。既にアウルから情報は幾つかもらっているが、それでも性能は未知数に近い。なんとしてでも最善を尽くすしか術はなかった。

 ともかく、基地の防衛を部下に任せて自分は陸戦用MS「チェイサー」で出撃準備に入る。超小型フライトユニットの搭載で空間飛行を短時間ながら可能にした重MSだ。その分火器は少なくされているが。今はこれで立ち向かうしかない。

「エドローク・ワルサー、出るぞ!」

垂直離陸を行って迎撃に向かう。敵はガンダムとマックスチーム3機。全員まとめて相手にするのは厳しい。それは百も承知。策は一つしかない。

「ここで貴様をぶっ飛ばす!ガンダム!」

一気にスラスターを噴かせてガンダムに突撃する。うまいことシールドで防ぐもバランスを崩してしまう。

「おわっ!?やるってのか?チッ、グラトル大尉!基地は任せた!」

「任せろ!ワッタ、ジェッパ!すぐにバズーカを撃て!」

 なんとか体勢を立て直して着地するガンダムとそれを追撃するチェイサー。圧倒的な機動力を前にビームライフルはことごとく外す。一方はコールドサーベルで突きを出す。このままじゃ埒が明かないとライフルを腰に掛けてビームサーベルを構える。すぐさまチャンバラに入る。お互いに一撃が重い。ビームサーベルは当たれば溶けて、コールドサーベルは当たればフレームに支障をきたす。お互い避けては防いでは己の一撃を出しまくる。先に一撃を与えたのは、

「相手は中々動ける…。ならば」

ゴンッ、

ガンダムだ。しかもシールドの角を当てるという痛い攻撃を出した。これは中々の初見殺しで、バランスが崩れる。そこに足裏のバーニアがひょっこり見える。すかさず合いの手の19mm近接防御を叩き込んで破壊する。もはや近接防御というより一種の兵器だろ。それはさておきバーニアを破壊されて空間飛行ができなくなったチェイサーは一矢報いようと残ったバーニアとスラスターで切り掛かるも、ここで例のシステムが作動してしまう。

[System bravar are you ready?]

唐突に機械音声が流れると共に、ツインアイの色が緑色に輝く。

「これか。将軍と提督が言っていたのは。確かに制御はできないが、ある程度の操作ならできる。ようし…!」

しかもすぐに飲み込んで指令を次々と繰り出す。これもうジオニックフロントじゃねえか。まあ数々の戦闘データで培った機動が徐々にチェイサーを追い込んで行き、終いはサーベルの一突きでコックピットごと潰す。あまりの呆気なさに思わず、

「エースパイロットって言ってもこれぐらいか…。アウルが強すぎるだけか」

思わずそんなことを呟いた…。

 一方、マックスチームことパンプキンイズホローアウト隊はというと、

「くっそタレ!シェルター硬すぎだろ!艦長っ、支援砲撃はまだですか?」

「ダメだ!あまり刺激をしてはお上が怒る。それにあまり血は流したくないんだ!」

こっちはこっちで苦戦していた。なんとか防衛のMSを無力化して置いといたものの、最後の砦であるシェルターの壁に阻まれていた。しかも主砲は対空砲火でダメージを負って撃てず、おまけにここは石油が発掘されており、下手すればそれを失ってしまう。なんとしてでもそれを避けねばならない。そこに

「手助けするぞ!」

そこにガンダムがやってきたが、これが悪手だった。

ドォォォンッ、

「な、まさか…?」

「え?」

「…」

なんと、目の前で自爆をしたのだ。おそらく、ガンダムがそのトリガーだっただろう。ガンダムが来た=エドロークがやられたと思っただろう。せめて敵の手に渡るならいっそのこと死んだ方がマシ。それがアラスカ基地一同の考えだろう。

「えっと…これ俺のせい?」

「いや…」

戦場にはただ気まずい空気が漂っていた…。

 

「俺、もしかして悪魔か何かに見えるのかな…?」

帰還後、自室に籠って1人そう呟くカルシア。誰も答えてはくれない。それが戦場だ。大きな力を持つものは敵からしたら悪魔の如く見えるだろう。それが定めなのかもしれない。弱者は強者に喰われる。戦争はいわばリアルのデスゲームなのだ。ひどい例え方かもしれないが、戦って残るものは誇りもクソもない。結局のところ、生き残ったもん勝ちというのが強い。一発の弾丸が、一発の斬撃が、一回の突撃が、一つの作戦が、戦う全ての人、いやこの世に生きる全ての人の道を大きく狂わせる。いわばノーリターンの場なのだ。

 そんな戦場を知らないカルシアは酷く落ち込むのも無理はない。彼はただ一刻も早くこんな腐れ切った戦争を終わらせたい。そんな思いでガンダムに乗った。乗り続けた。戦った。それは相手も同じ。お互いに誇りがある。プライドがある。それを壊させはしない。それ故の自爆だと悟ったのは、ずっと後の話…。




どうも、理系にならざるを得ない者、RX140だ
個人的に文系なんだけどねえ
ま、どっちにしろ勉強だが
さあ、物語はまだ加速させますよ!
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