機動戦士ガンダム ノーボ   作:RX140

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第九話 疑念

 バンクーバー陥落から3日後、南米ではアルゼンチン、チリ、ペルーを奪還。ギアナ基地からも出撃しブラジル北東部を奪い返し、更にパナマ運河を抑えたことでさらなる物資の補給がたやすくなった。地上のミリタリーバランスは統一国家側に大きく傾き始めた。これを聞きつけたアルバーダ提督は直ちに月面基地アルテッツァを襲撃。ゾロンジや全く見たことない新型に苦戦を強いられるも部下の特攻を皮切りに反撃に転じて見事占領。ここで量産機:マックスのバリエーションの開発や新たなガンダムの開発にも乗り出した。提督と随行することになってたナリタ将軍はその新型ガンダムのパイロットに任命され、しばらくは月に留まることになった。

 一方、ズォバも負けじと高機動戦を得意とするファットバスターや、ガンダムのデータから作られたゾロンジ・ビームクラスター、果てにはマックスの皮を被った偽物のカントリーバスターまで。どれもコレも尖りすぎてはいるがこの頃に進められた生産計画で一本にまとめられた結果、ある程度は整備性が向上し、またパイロットの機種転換もコレまで以上に短縮され、容易に新型に乗り換えることができるようになった。また、控として待機していたエースパイロット数名は新型機のテストパイロットに回され、既に発見されたギアナ基地への攻略の切り札になった。全員死を覚悟してその役目をうけ、見事に果たしてくれるのか…。

 

「艦長。ひとつ思ったことがあるのですが…」

バンクーバー基地奪還を祝して盛大なパーティが行われている中、カルシアはサヴァード艦長に静かに囁いた。ちなみにパーティにはバンクーバー基地攻略に参加した全員が参加していた。

「なんだ。ここで話せるやつなのか?」

「いえ。攻略のときにひとつ感じたんです」

「待て。それはあとで聞こう。今はこのパーティを」

「ですが感じたんです。彼らは皆、囮であることを」

それを聞いて思わず見返した。今彼が発言したことはあまりにも事が大きすぎる。どころか、機密事項にも触れかねないことを彼は言った。もしこれが本当のことなら…。

「カルシア。さっきの発言、動きからで察したのか?」

「い、いえ。自分でもよくわからないのですが…、どこからか声が、頭の中に響いたんです。囮でも、俺達の誉を魅せてやる!って…」

さらなる衝撃がサヴァードを襲う。有り得ないと思いつつも、これが現実とも思うしかない自分との狭間に突き落とされるような感覚になっていた。もし事実なら、彼は…。

「カルシア。明日、俺の部屋に来い。そこで話をしよう」

「待たれよ」

奥から別の声が届く。シャンパンを片手に寄ってきたアーサー司令だ。

「私抜きで何コソコソと話をしてるんだ?サヴァード艦長。私もその話を聞かせてもらおうかね?」

「司令官。でも…」

「なんだ?公にでも言いたくないものなのかね?」

「一旦別室で話しましょう。これは機密事項にも関わりかねないものなので」

「…わかった。カルシアくん。悪いが、今から艦長t」

ガーガーガーガー 緊急信号発令!緊急信号発令!東南東よりMSの熱源反応を確認。型式番号はIMS-G02、レッドスターです。職員は直ちに所定の配置についてください!繰り返します!緊急信号発令!緊急信号発令!東南東より…

その時、カルシアの脳内に何かが響いた。まるで、彼を呼んでいるかのように…。

「レッドスターなら狙いは僕です。出撃させてください!」

「しかし…」

「いや、出させろ」

「司令!?何故!?」

アーサー司令の判断は正しいとも悪いとも言い切れない。ガンダムに対抗できるのは現状ガンダムだけだが、カルシアはまだ戦いに慣れていない。しかも下手にブレイバーモードを起動すれば行動を制限されるのも同然。そんな中で出るのは野暮なものだった。

「…彼を信じよう。もしかしたら、彼は…」

その顔をみたサヴァード艦長もまた、何かを察する。

「わかった。ですが司令官。彼一人にやらせるわけにはいかないので、2個小隊をよこしてくれませんか?」

「言い方にもものがあるだろ。貸してやるけど」

「ありがとうございます」

「よし。諸君は直ちに配置につけ!酔ってるやつは自室で待機しろ!オルウェント、カナリクは部下を連れてカルシアの援護にあたれ!」

楽しかった一時から一転、思わぬ敵襲に慌ただしくなる一同。これが目的であってほしい、と願う人も少なからずいたのは気にしないことに…。

 

 時期は秋に差し掛かろうとしてた頃かな。バンクーバーはカナダでも温かいところだが、この時期に差し掛かるとまあ寒い。そんな中でMSを動かすにも余計にバッテリーを食う。だからこの時期は小回りが効く戦車やドローン機などが使われやすい。実際、ズォバもここまでの寒さは予想外で、ろくにMSを動かせなかったため、アメリカ大陸の占領がやや遅れた。それだけに統一国家のMSは地上でも容易に動かせると評判がよかった。

 この技術がズォバに渡っていった以上、より地上降下作戦がしやすくなる。これに全く気づいていない、いやわかってはいてもそれだけの国力はない、とたかをくくっていったのは事実。それが今後の作戦で大やらかしを招くのはまだ先。

 ともかく、従来のMSより快適に動かせるガンダムは、ズォバの兵士、アウル・マハトには大好評だった。

「さて、彼はきてくれるかな?無断出撃してきたから、あまり長いことは居れないが」

郊外からパクってきたビーム・ガンで威嚇する。ただエネルギーがなさすぎてただの光線になったが。

「ちっ、やはり量産化を待つほうが得策かよ!」

そういってスラスターを噴射させて特大ジャンプをだす。すぐさまバックパックに懸架された双剣:アンブレイカー対艦刀をかまえてゲートを叩き斬る。防衛にあたっていた戦車隊が応戦するも火力不足でどうにもできず後退。その後ろからマックス小隊がビームガンを連射する。幸いシールドを持っていたので防ぐことができたので、そこからビームショットガンを撃つ。とそこにレーダーが、

「お。きたようだな、ガンダム!」

一気にスラスターを吹かせて切り込む。向こうもビームサーベルで応戦し、鍔迫り合いが生じる。発生した磁場の乱れは周囲のレーダーを狂わせ、衝撃波を伴う。と後ろからマックス小隊の援護が入る。一対多ではいくらガンダムといえど不利な盤面。おまけにレッドスターは近接特化だから遠距離からの敵には手も出せない。咄嗟に出た行動は、

「くっ、向こうは多勢か。めんどくさい!」

またもやスラスターを吹かせてネヴォごと押し出す。スラスター出力ならレッドスターに軍配が上がる。一気に郊外まで押し出して再び対陣する。

ここまで両者一進一退の戦いが繰り広げられている中、お互いのマシンに違和感が。

「反応が鈍くなってる…。まさか!?」

「ガンダムが引っ張られてる…?クソッ、またこの感覚が…」

[System braver are you ready?]

[System breaker are you ready?]

お互いのシステムが暴走し、周囲関係なく巻き込んでいく。ネヴォは自立稼働による最短攻撃を、レッドスターは一撃破壊を目指す荒々しい戦いを。

その絵面を見て、あることが浮かんだアーサー司令。激化する戦争は、いつになったら終わるのか…。




どうも、PS2に取り残された者、RX140だ
画質は目をつむるが、名作も多いからな!
あ、次回で第2部は完結です。これ20話で完結できんわ。尺が足らんわ絶対
ではまた!
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