転生者達はこの先生き残れるのか!《大怪獣戦車バトル》   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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軍民官全員頑張ってます!

 政治家の転生者達は政治面でフランスの繁栄を模索していた。

 

 具体的にはフランス植民地をいかに独立させても経済的な繋がりを維持できるかということだ。

 

 正直アフリカやベトナム等のアジア、南米にある植民地を開発出来ればフランスは資源に困ることは無い。

 

 しかし、ヨーロッパが弱まれば植民地の独立運動は活性化するし、フランスにトドメを刺した第二次世界大戦の本土占領なんてことが行われれば経済圏を作る前にアルジェリアやベトナムの様な泥沼の独立戦争に突入すれば現代フランスの様に深刻な経済状況と財政赤字に悩まされる事になる。

 

 そうならないためにフランスはいち早く技術革新と産業改革を行わねばならない。

 

 そのためにシャルルのルーク社の様な転生者が経営陣に食い込んでいる企業を積極的に支援しながら、現在進行系で大企業なルノー社みたいな企業にも転生者を潜り込ませて重役に就けようと暗躍していた。

 

 

 

 

 

 

 幻想会をトップとしているが、派閥が色々あり、経済界、軍、政治家、そして植民地経営をしている者と色々な派閥がある。

 

 シャルルは経済界の幻想会の下部組織に所属しており、将来の自動車産業を担う存在と認識されていた。

 

 実際ルーククロスの原動付き自転車の開発と販売の成功で、期待されつつあり、次なる一手を経済界で模索している状況だ。

 

 その一手たりうるとされているのがフォードシステムこと大量生産技術である。

 

 転生者達が手を組んで大量生産技術確立に動いており、ルノー社などの大資本がある場所では既に実験が行われていた。

 

 アメリカはアメリカ市場が既にあるが、フランスはヨーロッパの大国達と産業競争を勝ち抜けねばならず、そのためにも安価かつ均一な商品の大量生産は必ずしなければならないことであった。

 

 それに先駆けて規格の統一運動というのが起こっており、ネジ1本でも他の会社のネジだと使えないというのを無くして生産の効率化を図ろうという運動で、これに成功したアメリカが膨大な工業力で他国を圧倒した歴史がある。

 

 戦車でも工業製品として成功したシャーマン戦車の様に他社でも製造ラインさえ作れば製造できるという規格化は戦争、経済両面でも必ず行わなければならないことであった。

 

 また産業の転換期が続く1900年代は電化というのが大きなキーワードになってくる。

 

 蒸気機関から工場を含めて電化を進めていかなくては産業が遅れてしまうということで家電製品を含めた開発できるだけの特許が次々に申請されていた。

 

 特に転生者達が力を入れていたのがハーバー・ボッシュ法の窒素工場の建設であり、ハーバー・ボッシュ法自体はドイツに特許を抑えられてしまったが、実用段階には先に到達することができた。

 

 窒素工場は戦略的重要目標になるため、大規模工場をフランス南部の工業都市兼地中海に面した巨大な港があるマルセイユに建造され、既に少量の化学肥料が生産されていた。

 

 史実フランスは化学製品の分野をドイツに大きく遅れていたため、いち早く実用化できたことは大きな勝利であった。

 

 他にも合成繊維や高オクタン価(高純度の)石油精製技術、合成ゴムなどの研究も積極的に行われていた。

 

 現代を生きてきた転生者達は答えを知っているために現地の科学者や技術者と協力しながらいち早く開発や実用化に漕ぎつけようと躍起になっていた。

 

 これらの製品の先行開発で特許を取ってしまえば将来フランスに大きな財産になるため、幻想会も研究チームに大規模な資金投下を行っているし、企業もスポンサーとして金を支払っていた。

 

 こうした動きは隣国のイギリスやドイツにも普及し、スパイを使った技術の奪取やこちらもいち早く技術を成長させようという技術競争が勃発した。

 

 特に第二次産業革命で他国よりも工業力で抜きん出ていたドイツ帝国は基礎体力や人口などの総合的国力でフランスを超えていた。

 

 特にルール工業地帯や大規模な鉄道網の整備などで工業力とそれを生かすインフラが整いつつある。

 

 フランスも負けじと鉄道網の整備に予算を投入するが、第二次産業革命で遅れを取っていたフランスはドイツのような大規模な資本投入が難しく、それ故に各企業での努力と未来知識を活かした将来性の高い製品や技術に集中投入することとなり、特に電子計算機の開発には転生者だけでなく数学者や科学者が動員されて研究が行われていた。

 

 開発さえ成功すれば技術開発の分野で大きなアドバンテージを得ることができるからである。

 

 戦車開発をしているシャルルとしても砲弾に対して装甲の防御力の計算とかをしてくれるだけでだいぶ楽になるので早く実用化してくれと願っていた。

 

 将来性のある技術の投資は軍にも及んでおり、要塞技術はドイツが重砲を投入することで戦術的価値が著しく低下してしまうため予算が削られ、その分を鉄道、自動車、航空機、戦車に回されていた。

 

 特に史実以上に日露戦争の研究が盛んに行われ、敵塹壕に有効的打撃を与えられる迫撃砲の開発や重機関銃よりも軽量で数を揃えることで弾幕を張ることができる軽機関銃の開発も積極的に行われていた。

 

 そしてフランス自慢の大砲を運搬するために現状は馬が使われていたが、戦車用に使われていた30馬力のエンジンを乗っけたジープ擬きに引かせて戦場近くまで運搬する計画が進んでいた。

 

 このジープ擬きの名前は小さい軍用車をフランス語で書くとpetit véhicule militaireになるので、頭文字からPVM車という商品名が付けられ、3人乗り小型軍用車両として軍に納入されることになり、このPVM車を軍だけでなく民間でも購入できるようにと転生者が起業してPM社が起業し、PVM車だけでなく軍民問わない軽トラの製造を開始し、農家の多いフランスでは小回りの利く軽トラが値段の安さもあり結構売れる事になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ある日幻想会の会合があり、上層部ではないが下級会員での集まりみたいな場で、上層部から今後の予定についての説明が行われた。

 

 このまま進んだ場合第二次モロッコ事件が起こり、ドイツがフランスのモロッコ利権があることを認める代わりに戦略的に意味が薄いノイカメルーンを割譲することで戦争を回避する事が決められていた。

 

 今のフランスに欲していたのは時間であり、時間さえ確保すれば1920年にはフランス産業はドイツ産業とある程度は戦える体力を得ることができると計算されていた。

 

 軍的にも2年遅らせる事で兵器の習熟をすることができ、ある程度の機動戦ができるようになると計算されていた。

 

 ただドイツとフランスの国民感情的に必ず決定的な対立が発生するとみられていた。

 

 そのためにフランス軍の近代化にイタリアとオスマン帝国の伊土戦争とバルカン戦争を利用して軍事的教訓を得る事で力を付けようというのが軍の見解であり、第一次世界大戦の発生イベントである二重帝国の皇太子が暗殺されるサラエボ事件は諜報機関を用いて防ぎつつ、軍事学者がサラエボ事件から史実と同じ流れて第一次世界大戦が起こるシナリオを事前に世界に発表して各国の連鎖的かつ偶発的な大戦勃発は避ける国際情勢を作ると政治家達は躍起になっているらしい。

 

 若い世代の転生者達は徴兵が起こった場合前線では無く軍需工場の工員などに割り振られるように協力することや1914年前に起業して経営者になることで徴兵を回避して欲しいと言われた。

 

 未来知識を持ち軍に適性がある転生者は将校になれるように動いているらしく、将校適性が無ければ空軍所属になれるように立ち回り、知識の喪失が起きない環境を作っていくと言われた。

 

 大学で研究をしている人々は1913年冬までには一定の成果を出してほしいとも要望されるのであった。

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