掲示板スレッド:期待の新人探索者たち
1: 名無しの探索者
最近、新人探索者で注目されてるやついる?
2: 名無しの探索者
渋谷ダンジョンのやつなら聞いたことある。
なんでもレンタル品の武器のみで潜ってるらしい。
3: 名無しの探索者
え、レンタル品?しかも武器のみ?
自殺志願者か何かか?
4:名無しの探索者
普通はもう少しまともな準備をしてから潜るものだろw
5: 名無しの探索者
ここ最近見るようになったんだけど、見るからに学生って感じだったし、予算がなかったんじゃね?
6: 名無しの探索者
しかも、そいつらは3人でパーティー組んでるんだよ
7: 名無しの探索者
おいおい、落ち着けよ。浅い階層で小遣い稼ぎする学生なら珍しくないだろ。
8: 名無しの探索者
そいつら、すでに4階層でモンスター狩ってるって言ってもか?
9: 名無しの探索者
マシもんの自殺志願者じゃねえか!
10: 名無しの探索者
でも、換金所で見たことあるけど結構な素材を持ち帰ってたぞ。
11: 名無しの探索者
そんなの新人じゃあり得ないだろ。
12: 名無しの探索者
新人じゃないんじゃない?
レンタル品しか使ってないのは装備をダメにしちゃったからとか。
13: 名無しの探索者
ああ、そいつらが八王子から流れてきたならあり得るか。
14: 名無しの探索者
八王子?
15: 名無しの探索者
あそこのダンジョン、スライム系しか出ない初心者向けではあるんだけど…
16: 名無しの探索者
7階層からアシッドスライムが出るんだよなあ
17: 名無しの探索者
やばいモンスターなの?
18: 名無しの探索者
いや、強さじたいは大したことないんだ。
問題は酸を飛ばしてくることだ。
19: 名無しの探索者
初心者が少しずつ階層を進めて、装備が揃った頃にアイツに出会して、酸で装備をボロボロにされてしまう。
20: 名無しの探索者
初心者のトラウマ製造機だよな。
あそこが初心者向けって詐欺だと思う。
21: 名無しの探索者
そうだとしても、レンタル品で4階層はキツいって。
22: 名無しの探索者
だよな、学生ぽいって話だけど高校生ならキャリアは長くても2、3ヶ月だろ。
23: 名無しの探索者
逆に考えろ。レンタル品でも4階層まで突破できるって、そいつらの腕が相当やばいってことじゃね?
24: 名無しの探索者
いやいや、レンタル品って強化もされてないから耐久性も微妙だろ?
よくそれでグレイウルフとか倒せたな。
25: 名無しの探索者
最近、装備もマシになってきてるから、やっぱ金策でレンタル品使ってたんだろうな。
26: 名無しの探索者
最初に装備揃えないと普通怖くてダンジョンとか行けないよな。
俺なら無理だわ。
27: 名無しの探索者
こいつらはモンスターと戦ってて怖いとか思わないのかな?
28: 名無しの探索者
3人でダンジョンの攻略階層を進めている時点で頭のネジが何本か飛んでるだろ。
29: 名無しの探索者
このままガンガン攻略階層進めていくなら、とんでもない探索者になりそうだな。
30: 名無しの探索者
マジで世界ランクに入ったりして。
31: 名無しの探索者
いくらなんでも気が早すぎだろ。
まずは、最初の壁って言われてるクイーンスパイダーに勝てるかどうか。
32: 名無しの探索者
10階層のボスか…たしかにあそこで挫折して諦める探索者は多いよな。
33: 名無しの探索者
いや、3人でクイーンスパイダーとか無理だって。
7階層からはヒュージスパイダーとポイズンスパイダーが出るんだから、そこでもう躓くだろ。
34: 名無しの探索者
普通に考えたら、その前にパーティーメンバーを増やすか、どこかのチームに入るだろうけど。
35: 名無しの探索者
でも、このまま快進撃を続けたら凄くね?
36: 名無しの探索者
三英傑なみのぶっ飛んだ逸話になるのは確かだな。
37: 名無しの探索者
日本にはまだ世界レベルの探索者っていないし、有望な新人には期待してしまうよ。
38: 名無しの探索者
今後が楽しみではあるけど、若いやつらに無理をさせるのは良くないだろ。
39: 名無しの探索者
そうだな。期待しつつ静かに見守っていこう。
以降、雑談が続いていく。
ネットの掲示板を確認しながら真人が呟く。
「やっぱり、もう話題になってるな」
「えっ、こんなに早く!?」
「当たり前だろ。本人たちの才能うんぬんをなしにしても、3人パーティーでしかもレンタル品のみでダンジョンに潜ってるんだぞ」
「そういう人たちは他にもいるけど…」
「浅い階層でモンスターを狩っている分にはそんなに目立たなかっただろうけど、アイツらは4階層に進んでる」
「確かに4階層でレンタル品使ってる人なんて見ないね」
「ああ、迂闊すぎるな。
これはもう、バレるのは時間の問題だ」
「じゃあ、精霊の試練を近いうちにするの?」
「そうだな、10階層のボスを倒してしまったら、もう誤魔化しようがないだろう。
北原君に渡す武器を考えておく」
「でも大丈夫かな?
兄さんの強力な武器を渡されたら、返って狙われたりしない?」
「その可能性もあるが、そういった干渉を跳ね除ける力にもなる。
なにより、精霊から試練を与えられた者はアーサーを筆頭にごく僅かだ。
過去の例を見れば、組織間で牽制し合って、なかなか動けなくなる」
「…うん、そうだね」
真人の言葉に納得した返事を返すが玲奈の表情は晴れない。
クラスメイトが危険な目に遭うかもしれない。
そして、その原因を自分が作ることに罪悪感を覚えているのだろう。
「玲奈、どっちにしろ北原君は注目されてしまう。
なら、対処できる力がある方がまだマシだ。
それに、万が一の時は、俺がどうにかするよ」
真人が優しく微笑みながら玲奈の頭を撫でる。
「お、お兄ちゃん!」
玲奈が顔を赤くして照れる。
口調が昔に戻ってしまっている。
「お前のクラスメイトだしな。
悪いようにはしないさ」
「…ありがとう、お兄ちゃん」
自分が重荷を背負わないように気を遣ってくれている。
情けないな。
お兄ちゃんが人類の存続なんて重荷を一人で背負わなくていいように協力するって決めたのに。
人間じゃなくなってでも側にいたいと願った。
もっと強くなって、私がお兄ちゃんを支えるんだ。