ダンジョンメーカー   作:ソロモンは燃えている

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第三十一話 クイーンスパイダー戦

 

 

 

 圭斗たちは、次の目標を10階層のボス「クイーンスパイダー」の討伐に定めた。

 初めてのフロアボスということで入念な準備が必要だと意見が一致。

 ボス戦のため、しっかりと対策を練る必要がある。

 

 

「クイーンスパイダー」を含む蜘蛛型モンスターたちは、毒を使った攻撃が多く、その効果はかなり強力だ。

 特に、ボスであるクイーンスパイダーの攻撃は致命的な毒を含んでおり、もし対策をしなければ大きなリスクとなる。

 

「毒消しはいつも以上に用意しておこう。予想以上に厄介な状況になるかもしれないし」

 

 圭斗たちは、ギルドショップで毒消しを多めに購入し、各自が数個ずつ持つ。

 戦闘中は毒に対する防御を特に意識して行動することに。

 

「毒を受けてしまったら各自の判断ですぐに毒消しを使う。

 あと、一網打尽にされないために、連携できる範囲で距離を取ることも意識しないと」

 

「毒の影響を受ける前に倒すことが一番だけど、万が一のために準備しておくに越したことはないな。

 でも、距離か…雑魚の蜘蛛とは大きさも違うし、難しくないか?」

 

「一度で倒せればそれが理想だけど、厳しそうなら撤退すればいい」

 

「そうね、無理をする必要はないわ」

 

 

 ボス戦に向けての戦術も固める。

 各自の役割を確認し、ボスの強力な攻撃に備えた戦い方を確立していく。

 

「まず、太一は炎を使って糸を焼き払ってくれ。

 途中で糸をばら撒き始めたら、それも状況を見ながら焼く。

 加奈子は後ろから弓で攻撃、俺はその隙を突いて一気に近接攻撃を仕掛ける」

 

「了解!風を使った矢なら、ボスの外殻でも貫けると思うわ」

 

「それなら、俺もできるだけ間合いを詰めて、糸ごとボスを巻き込めるように炎で範囲攻撃するのが良さそうだな」

 

 この戦術で、クイーンスパイダーを囲みつつ、毒の攻撃に警戒しながら戦っていく。

 万が一、毒を受けてしまった場合には、早急に毒消しを使用して対応する予定だ。

 

 

 

 準備が整った圭斗たちは、いよいよダンジョンの10階層へ向けて出発する。

 ボス戦は非常に危険だが、しっかりとした準備と戦術があれば乗り越えられるはずだと信じて、最後の確認を行う。

 

「みんな、しっかり集中して戦おう。

 大丈夫、俺たちなら勝てる」

 

「うん、頑張ろう!」

 

「よっしゃ、行こう!」

 

 三人は一丸となって、クイーンスパイダーとの戦闘に向けて、ダンジョンの中へと足を踏み入れた。

 

 

 10階層に到達した圭斗たちは、深い息をつきながらその先に待つボス「クイーンスパイダー」の元へと向かう。

 階層を下るにつれて、空気が湿気を帯び、クモの巣が辺り一面に広がっている。

 暗い足元に注意を払いながら進むと、暗い洞窟の奥に、異様な大きさのクモが静かに待ち構えていた。

 

 クイーンスパイダーは、予想以上に巨大で、その姿は圧倒的だった。

 高さは2メートル以上、体長は3メートルを超え、足の先は鋭く、光を反射させる無数の目を持つ。

 その全身には黒と緑の斑模様が浮かび、周囲には大量の小型のクモが徘徊している。

 

「あれが…クイーンスパイダーか…」

 

「大きすぎて、ちょっと怖いわ…

 でも、これまで準備してきたんだから、やれるはずよ!」

 

「大丈夫、作戦通り戦えば勝てるさ!」

 

 

 戦闘の始まりと共に、クイーンスパイダーは大きな体を動かし、素早く周囲に糸を撒き散らす。

 足元にいた大量の小型クモも、侵入者に向かって襲いかかってくる。

 

「炎魔術で周りを掃除するぞ!」

 

 太一は槍を構えながら、炎魔術を放つ。

 爆風が広がり、小型のクモたちが一掃され、周りの糸も焼け落ちてクイーンスパイダーの周辺に何もない空間が出来上がる。

 クイーンスパイダーもその威力を受けて少し怯んでいる。

 

「今だ!俺が行く!」

 

「風魔術で支援するわ!私の風に乗って!」

 

 加奈子が風魔術を圭斗の背中を押すような形で発動させる。

 圭斗は剣を握りしめ、加奈子の風魔術に背を押され、素早く接近する。

 クイーンスパイダーの脚が襲いかかろうとした瞬間、圭斗は一閃でその脚を切り裂く。

 剣の切れ味は鋭く、クイーンスパイダーの脚を見事に切り落とした。

 

「ガアアアアア!」

 

 クイーンスパイダーが痛みに叫ぶ。

 その隙をついて、圭斗は再び攻撃を仕掛け、太一と加奈子も連携をとりながら狙っていく。

 

 

 クイーンスパイダーは怒り狂い、牙から毒液を放ち、強力な毒攻撃を仕掛けてくる。

 毒に当たれば、即座に体力を奪われる可能性があるため、素早く動きながら回避する必要がある。

 

「毒が来る!避けて!」

 

 加奈子は素早く風の力を使い、圭斗の離脱を助ける。

 一方、太一は槍を構えつつ、炎魔術も用意し、圭斗への追撃に備える。

 

「くそ…間に合わなかったか…!」

 

 圭斗の足元に毒液が触れ、少しずつ体力が削られ始める。

 すぐにポーチから毒消しを取り出して使い、状態異常を解除するが、その間にもクイーンスパイダーの攻撃が容赦なく迫る。

 

 クイーンスパイダーの巨大な脚が圭斗に迫る。

 その瞬間、火球がクイーンスパイダーに着弾し、その衝撃で攻撃が圭斗から逸れた。

 それでもクイーンスパイダーは止まらず、その脚を圭斗に向かって再び振り下ろす。

 太一が稼いでくれた時間で体勢を立て直した圭斗は素早く避け、間合いを取る。

 

「くっ…速い!でも、これくらいなら!」

 

 剣を振り回し、クイーンスパイダーの胴体を切り裂こうとするが、その硬い甲殻に弾かれてしまう。

 圭斗を攻撃範囲に捉えようとするクイーンスパイダーに太一が炎魔術を使って周囲を炎で包み込み、クイーンスパイダーの動きを封じ込める。

 

「こっちだ!炎で囲ってやる!」

 

「矢を飛ばすよ!」

 

 加奈子の矢が風魔術によって勢いを増し、クイーンスパイダーの硬い甲殻に食い込む。

 が、ボスはその痛みにもめげず、さらに猛烈な勢いで反撃を開始した。

 蜘蛛の糸が空中に舞い上がり、周囲を取り囲む。

 

「グォォォォォォ!」

 

 その咆哮と共に、蜘蛛の糸で行動範囲を制限された圭斗たちを目掛けて毒液が放たれる。

 周囲が一気に閉塞感に包まれた。

 もしこれに捕まれば、毒の影響で一気に体力が削られてしまう。

 

「毒が来る!避けろ!」

 

 圭斗は素早く身をひねり、毒液をかわす。

 他の二人も周囲に注意を払いながら毒液を避けていく。

 太一は炎で糸を燃やし、加奈子は風魔術で糸を吹き飛ばし、戦況を支配しようとする。

 

「厄介だな。糸で逃げ道を塞ぎながら毒を使ってくるのか」

 

「とりあえず足場は確保できたわ。

 このまま攻撃を続けて!」

 

 このタイミングで、加奈子の矢がクイーンスパイダーの目に命中し、しばし動きが鈍る。

 太一がその隙を突いて、炎魔術を強化した槍をクイーンスパイダーの体に突き立てた。

 

「このまま燃え尽きろ!」

 

 クイーンスパイダーの内部で炎魔術を解放。

 体の内側から焼かれたことで、さすがのクイーンスパイダーもよろめく。

 その瞬間、圭斗が隙を突いて一気に接近し、剣を振り下ろす。

 剣はようやく、クイーンスパイダーの甲殻に深く食い込み、ひびが入った。

 

「今だ!みんな、押し込め!」

 

 太一と加奈子も一斉に攻撃を加え、クイーンスパイダーの体力を削り続ける。

 ついにクイーンスパイダーが倒れ、巨大な体を地面に沈めた。

 

 10階層のボス戦が終わった。

 三人は倒れたクイーンスパイダーを前にして、息を切らしながら互いの無事を確認し合った。

 

「やったな…みんな、よく頑張った」

 

「うん、無事に倒せて良かった」

 

「少しでも油断したらやられてた。

 あぶなかったな」

 

 圭斗たちは無事に10階層のボスを倒し、さらに先の階層に進む資格を得たのだった。

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