渋谷でのモンスター襲撃から一夜明け、ネット上では事件の目撃証言が飛び交っていた。TwuitterやYourTubeには現場で撮影された映像が次々と投稿され、破壊された街並みやモンスターの姿が拡散されている。しかし、その中でも特に注目を集めているのは、光り輝く少女――玲奈の姿だった。
大手掲示板「〇ちゃんねる」のオカルト板には、「渋谷の光の天使」というスレッドが立てられていた。スレッドは爆発的に伸びており、投稿された目撃談や映像のスクリーンショットが飛び交っている。
スレッド: 渋谷の光の天使って何だったの?
1: 名無しさん
渋谷の事件ヤバすぎだろ…てかあの光ってた女の子何者?
5: 名無しさん
動画見たけど、あれ人間じゃねえよな。武器っぽいの持ってモンスター薙ぎ倒してたぞ。
12: 名無しさん
いやいや、CGかなんかじゃね?モンスター出る時点で現実感ないし。
18: 名無しさん
CGであんなの撮れるわけないだろ!あの光の感じとか、周りの影の動きがリアルすぎる。
23: 名無しさん
これって神様の使いとかじゃね?光の天使とかマジっぽい。
37: 名無しさん
逆に言うと、あれってモンスター側の存在とか?人間じゃないなら敵かもしれんぞ。
45: 名無しさん
37
確かに可能性あるな。渋谷を救ったとはいえ、正体不明すぎる。
掲示板上では、玲奈の正体を巡る議論が白熱していた。神の使いなのか、それとも人類の敵なのか。誰も確証を持てない中で、彼女の存在は一気に都市伝説化しつつあった。
一方で、YourTubeやSNSでは、玲奈がモンスターと戦う映像が次々と投稿されていた。輝く槍を振るい、モンスターを撃退していく姿は圧倒的で、多くの人々を魅了していた。だが、それ以上に注目を集めたのは、彼女の人間離れした外見だった。
コメント欄:
•「これ、本当に起きた事件なの?CGとか加工じゃないの?」
•「マジで綺麗だな…でも怖くもある」
•「あの子、天使っていうより精霊とかそっち系じゃない?」
•「人間じゃないのに人間を助けてるってどういうこと?」
玲奈の存在は人々に希望と同時に不安を与えていた。彼女がモンスターを倒し人々を救ったことは事実だが、その正体が分からない以上、疑念が完全に消えることはなかった。
「玲奈の姿がこんなに広まるなんて…」
真人はスマートフォンで映像を確認しながら、額に手を当てた。彼女の戦いぶりが撮影され、多くの人々の目に触れてしまった以上、今後彼らの生活が元通りになることはないだろう。
「俺たちのことが注目されれば、きっと政府や何かしらの機関が動き出す…玲奈のことを利用しようとする連中だって出てくるかもしれない」
真人は焦燥感に駆られる一方で、玲奈の力が確かに人々を救ったという事実も重く感じていた。
「でも、玲奈がいなかったら、もっと多くの人が死んでたんだ。それだけは間違いない」
彼女の正体を隠しながら、どうやってこの力を使っていくべきなのか。真人はこれからの行動について深く考え始める。
その夜、玲奈が真人の隣に姿を現し、静かに語りかける。
「お兄ちゃん、私のこと…ネットで広まっちゃったんだよね」
「…ああ、正直、驚いたけど、やっぱりこうなるよな」
玲奈は少しだけ寂しそうに目を伏せた。
「私が精霊になっちゃったから、普通の生活には戻れないんだよね。でも、助けられる人がいるなら、私は戦いたい」
「玲奈…」
真人は妹の覚悟を感じ、言葉に詰まる。それでも、彼女を守るために、自分たちがこの力をどう使うべきかを探ろうと決意した。
「俺たち二人で、これからの道を決めよう。玲奈を守るためにも、ちゃんと考えて動かないとな」
玲奈は静かに微笑み、真人の言葉に頷いた。
一方、ネットで広がる玲奈の映像は、一部の専門家や政府関係者にも注目されていた。オカルトと片付ける者もいれば、事件の背景にある真相を探ろうと動き出す者もいる。
「この光る少女…精霊か。それとも別の存在なのか…?」
暗い部屋の中でモニターを見つめる謎の人物がそう呟いた。渋谷での事件は、ただの偶発的な災害ではなく、何かもっと大きなものの始まりを示しているのかもしれない――そう予感していた。