怠けたがりVtuberは天下取るのに大忙し 作:レイメイミナ
ㅤミレニアムクイズが終わり、特番は雑談タイムに入った。どうやら想定よりもガチのオタクばかりだったせいで本来予定していた所要時間より大幅に短い時間で企画を終えてしまったらしい。そんなもん初手に持ってくるな。
「舞華ちゃんの衣装いいよねー。僕もアイドル衣装で来た方がよかったかな?」
「いやそのままのブレザー姿で良いですよ先輩。可愛いしミニスカがえっち!」
「おい舞華、これ特番」
ㅤ流石に公式特番なんてよい子の皆も見てる可能性あるしあんまり過激な発言はよしてほしい。ここは同期の私が止めねば。
「わかる。ブレザー×ニーソの絶対領域は至高の逸品だと思ってる」
「ですよねぇ来未先輩!ㅤあの絶対領域にこの世全てのエロスが詰まってると言っても過言じゃない!」
「やめて先輩!ㅤこいつに餌を与えないでください!」
「餌て」
ㅤ畜生来未先輩あっちから乗りに行きやがった!!ㅤ止めようとしたのに!
「はいでは雑談もここまでにして、次のコーナーに参りましょう!」
『新人の底力を見せつけろ!自己紹介コーナー!』
「なんでこれを最初に持ってこなかった!!!!」
「場をあっためてハードルを上げる目的だそうです」
ㅤほんっとイカれてるなこの運営。いや承知で入ったわけだけど。
「こちらのコーナーでは先輩方に質問をしていただき、新人のみなさんにはそれに回答してもらいます。シンプルながら個性を試されるコーナーですねぇ」
「なんで?ㅤ本当になんでこれ最初じゃなかったの?」
ㅤまぁいい、どんな質問だろうが回答して個性を示してやろう。ほか2人に比べて私のチャンネルは伸びが悪いからな。
「では最初に朱夏先輩からご質問です」
「はいはーい!ㅤコホン、好きなゲームってなんですか!」
ㅤうおーオーソドックス。さすが1期生、最初は当たり障りのない質問から入って回答しやすくしてくれている。なんてコミュ強!
「好きなゲームねぇ、FPSの中だと……」
「9-ni〇e-とドーナ〇ーナかな」
「うおぉい!!?」
ㅤいきなりビッグタイトルのエロゲ出てきてビックリしたんだけど!?
「9-n〇ne-はあたしの脳じゃ難解で理解しづらい部分もあるけど、キャラの可愛さとかストーリーの面白さがやっぱり良いんだよね!ㅤあとドー〇ドーナはアクションゲームで苦戦もしたけどそれはそれでえっちなスチルが見れるから良し!ㅤって感じ!」
「止まれ。おい。舞華」
「わかるマーン。ドーナ〇ーナのスチルには大変お世話になった……」
「来未先輩……?」
ㅤ来未先輩も来未先輩で思わぬ伏兵だったみたいだ。2人してこの特番の空気をエロゲに染めようとするんじゃねぇ。
「わかります。やはり9-ni〇e-のエロゲの枠に留まらない重厚なストーリーはその手のものに疎いワタシにも目を見張るものがありますよ」
「マルマル!?」
ㅤやばいマルマルまで乗り始めたら止められるのが私しかいねぇ!ㅤ朱夏先輩は後方腕組状態だしオーラス姉妹はポカーンとしている。ピュアな人達だっているんですよ!?
「あ、あー!ㅤそうだ!ㅤ私最近ス〇6にハマってるんだ!ㅤやっぱ王道の格ゲーの最新作だけあって面白いよね!ㅤそれにキャラクリで理想の体型を作ったりモンスターを生み出したりできるのも!」
「わかるわかるわかる!ㅤやっぱキャラクリが充実してるゲームって時間溶けるんだよニャ……キャラクリだけで配信時間1時間半経ってたし」
「私もどれだけ作りこんでいたかもう覚えてないくらいです……」
ㅤよっしとら子先輩が乗ってくれた!ㅤこの勝負私の勝ちだ!(誰と戦っているのかはさておき)
「マルマルは?ㅤ映画好きだけどゲームは何か興味ないの?」
「ワタシはあまりゲームには触れてきていないのですが、強いて言えばロールプレイやノベルゲームでストーリーに入り込んだりというのは好きですよ。FFやかまい〇ちの夜、テイ〇ズなどですね」
ㅤふむふむ、私と真逆だな……私はロールプレイ系のストーリー面が濃いゲームはやったことがない。せいぜい子供の頃に友達のポ〇モンを見学していたくらいだ。
ㅤなんにせよこの場の空気を健全な方に戻せた。舞華は私が止める。止めてみせる。
「テイ〇ズいいよねぇ。色んなシリーズ履修してきたけどどれやってもボロボロ泣いちゃうよ。……あ、となるとストーリー性重視のフリーゲームとかも好きそうだよね。8番出口みたいな」
「はい。あのほのかに気味の悪い空気感がとても引き込まれます。実際にはやれてないのですけど」
「いいじゃんいいじゃん!ㅤ配信のネタできたじゃん!」
ㅤ朱夏先輩、サスガダァ……。マルマルは我が強いが若干内弁慶気質なので、自分の意見みたいなのはそこそこ遠慮しがちだ。朱夏先輩のああいう懐の入り方はマルマルにとっては心地よいだろう。
「あぁ、さっきと比べてなんて平和な……」
「じゃ、お次は来未さんお願いしまーす」
「イエイエーイ」
ㅤあっまずい。
「新人諸君、どんな女が好みだ?」
ㅤあーあ、終わった!!ㅤせっかく場の空気を健全に引き戻してやったってのに台無しだよ!ㅤもー!
「女の好み……あたしは全部愛せるけどベストを突き詰めるなら普段は控えめでスカートの丈も膝下くらいあるけど実は人よりエッチなことに興味があって付き合い始めは普通だけどベッドインした途端何もかも根こそぎ搾り取っていく絶倫系の陰キャかな」
「長い長い長い!」
「あ、下の毛はあってもなくてもいい。どっちも好きだから」
「もういい!ㅤもういいって!!」
「ホッホッホッ、お主もスケベじゃのう」
「いえいえ悪代官様程では」
ㅤなんだその茶番!ㅤ裏で打ち合わせでもしてんのかお前らは!
「そういうナマリンはどうなのよ?」
「え、私!?」
ㅤいや別に私ソッチ系じゃないしな……女性の好みなんて考えたことないし。
「んー……陰キャにも優しい人」
「退屈だよ子洗井」
「ひっでぇ」
「オタクに優しいギャルはツチノコの類義語とされているからね」
「朱夏先輩追い討ちやめてください」
ㅤ答えたら答えたでこのザマか。チキショウ!
「ワタシはやはりどんな危機的状況下でも主人公に寄り添ってくれるヒロインが安定感があって好きですよ」
「映画の話じゃねーか!」
「ユニもそういうタイプだよね」
「えっ、そ、そんなことは……」
ㅤやばいズレているマルマルを横目にオーラス姉妹がイチャつき出した。
「はい、惚気はそこまでにしてお2人からのご質問をどうぞー!」
「あ、はーい。じゃ、わたし達からの質問は……」