怠けたがりVtuberは天下取るのに大忙し   作:レイメイミナ

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オーラス家にお泊まり③/亜刃時雨①

ㅤ前回のあらすじ。

 

ㅤユニメイ、ガチだった。

 

「わたし達、義理の姉妹だったんだけどお互いのこと好きになっちゃって……」

「色々あったけど今はこうして一緒に暮らしてるってわけ」

「な、なるほど」

 

ㅤどこから突っ込めばいいんだ……?

 

ㅤガチだったどころか、インモラル全振りの禁断カップリングだったんだけど。いや、もう脳が追いつかねぇ。

 

「つまり……エッチなことしたんですね?」

「舞華ステイ。マジでステイ」

 

ㅤ2人が一斉に目を逸らした。ほら変なこと言うから……すいませんうちの脳みそ男子中学生系アイドルが。

 

「アハハ……まぁ、そんなことより。ご飯食べ終わったらみんなでマ○パしない?ㅤ4人でやると結構楽しいかも」

「お、いいですね。そういうパーティーゲーム1回やってみたかったんです」

 

ㅤ今まで陰キャでコミュ障でぼっちを貫き通してきた私。パーティーゲームなどとは無縁だったのだ。それにしてもメイ先輩ナイス!

 

ㅤ食事を終えて、言った通り4人でマ○パをすることに。もう日付変わっちゃってるけど……まぁ、いいか。

 

「待って!ㅤ待ってよみんな!ㅤあたしのこと置いてかないで!」

「悔しかったらスター持ってくるんだな」

「そのスターユニ先輩が持ってっちゃったじゃん!」

「ごちそうさまでーす」

「あっやばい!ㅤ舞華ちゃんのコインが……」

「うわぁぁぁぁぁ〜っ!!!」

「ハッハッハッ、ゆかいゆかい」

 

ㅤそんな感じで、夜通し遊び続けたのでした。

 

 

 

ㅤで、翌日。

 

「最近、遅刻や欠席が多くなってきているな。どういうことだ?」

「ハイ、スイマセン……」

 

ㅤふっつうに学校に遅刻した。いやぁ、配信のせいで夜遅くなってしまって起きれなくってぇ……なんて言えるわけがないので、ひたすら平謝りするしかできない。

 

「はぁ……」

 

ㅤどやされた。そろそろ自分が学生身分ってことを自覚しなくっちゃなぁ。今まではVtuberになれたって浮かれてたのもあるし、それに色々大変で学業まで頭が回らなかった。

 

ㅤ配信時間、見直すかなぁ。ご飯を早めに食べておいて7時からやるとか。いや、8時からでも3時間までならギリ就寝時間には間に合うかな。

 

「先輩達に聞いてみるか……」

 

ㅤベテランの先輩方ならベストの配信時間というのを知っているはずだ。幸い、昨日の特番で1期生の朱夏先輩とはコネクションができたわけだし。よし、帰ったら相談してみよう。

 

「……ん?」

 

ㅤそんなことを考えながら廊下を歩いていると。

 

「昨日ゲーセンで使いすぎちゃってさぁ。悪いけど貸してくんない?」

「き、昨日もそう言って──」

「は?」

「ひっ……!」

 

ㅤマジですか。

 

ㅤ生のカツアゲ現場だ、しかも女子の。初めて見た。1回でも見たくなかった。

 

ㅤえぇ、どうしよ。そこ通らないと教室行けないんだけど。割り込んだらきっと面倒な目に遭うのは目に見えてるし……いやしかし、行かないと時間が……。ってかこいつらもうすぐチャイム鳴るのに何してんだよ。カツアゲしてから授業さぼってゲーセンとは、なんて不良じみたことを……不良なんだけど。

 

「口答えするなら、また”アレ”やる?」

「い、嫌だ!ㅤそれだけは……!」

 

ㅤ……………………。

 

ㅤいや、ダメだろ。ワンチャン今後の活動に響きかねないし……。

 

「だから、口答えすんじゃ──」

「ちょっと」

 

ㅤカツアゲしてる方の女がこっちを見る。ちっとも怖くないギラついた目だ。

 

「何、お前」

「もうすぐチャイム鳴るし、教室行きたいんだけど。そこどいてくれない?」

「は?ㅤ真面目ちゃんですか?」

「真面目ちゃんってのは煽りのつもり?ㅤ不真面目ならそれでいいの?ㅤあー中二臭。ガキみたい」

「ッ……じゃあ聞くけどさ、真面目に生きて何が楽しいの?」

「今その話してる?ㅤ私は「そこどいて」って言ったんだけど。聞こえなかった?ㅤガキだから」

「ッ、てめっ──」

「お前が始めたから言うけど、他人からパクった金で遊んで何が楽しいの?ㅤ罪悪感とかそういうの無いの?ㅤあぁないか、ガキだもん。でもそれってガキの中でも『クソガキ』だよね?ㅤいつまでも小学生みたいに他人にねだって貰った金で遊ぶ、それってなんて言うか知ってる?ㅤご・く・つ・ぶ・し、って言うんだけど」

「ッ!」

 

ㅤパァンッ!

 

ㅤ甲高い音が廊下に鳴り響く。と同時に、私の頬がジリジリと熱を帯びた。ビンタされたのだ。

 

「いい気にさせてりゃペラペラと、お前なんか──!」

 

ㅤピコン。

 

「はっ……?」

 

ㅤ私のスマホから鳴った電子音。いわゆる録画終了したときに鳴る音だ。

 

「……うーんよく撮れてる」

「なっ……てめっ、それ寄越せ!」

 

ㅤ女が慌てた様子で私のスマホを奪おうとする。私はそれをさくっと避けた。

 

「スマホも誰かの借りないと使えないの?ㅤごくつぶしちゃん」

「黙ッ……!」

「話戻すけど。もうすぐチャイム鳴るからどいてくれない?ㅤそれとも、私諸共授業サボっちゃう?ㅤ行先はゲーセンじゃなくて警察署だけど」

「ッ……!?」

 

ㅤそこまで言っておくと、女は黙ってその場から逃げていった。

 

ㅤ………………やっべぇ。想定の3倍ぐらい言ってしまった。こんなの配信でやったらリスナー泣いちゃう。

 

「……大丈夫?」

「あ、りがとう、ございます」

 

ㅤカツアゲ被害者ちゃんはお礼だけ言って、さっきの女とは逆方向に向かっていった。まぁ、いいか。お礼の1つでも欲しかったけど、これ以上この件に首突っ込んだら本格的にマネージャーさん案件になりかねない。こんな私的なことでまで迷惑かけたくないのだ。あの人ただでさえ忙しいから。

 

 

 

ㅤ授業にはギリギリで間に合った。

 

ㅤで、普通にこなして帰るところ、さっきの女の子が話しかけてきたのだ。

 

「どうかした?」

「その、改めて、お礼が言いたくて」

「全然いいよ。というか巻き込まれたくないし」

 

ㅤ我ながら首突っ込んどいて何様なんだろうか。でも……なんとか察してくれ。日本人の国民性は察しと思いやりだろう?

 

「いやいや!ㅤわたしが、個人的にお礼したいだけ、だし」

「……そっか。じゃあ、甘えちゃおうかな」

 

ㅤ本人がここまで言うなら、従わない方が失礼だよね。

 

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