怠けたがりVtuberは天下取るのに大忙し 作:レイメイミナ
「はいどーもぉ、子洗井ナマリでーす」
・はじまた
・キタ━(゚∀゚)━!
・ぽすえら
・どうもー
ㅤデビューから既に2週間と少し。流石に配信にも慣れてきて、いつものテンションで話せるようになってきている。
ㅤそして、そんな私がこれからやるのがこの超有名IPの更に超有名作……「BotW」。ファンタジー世界を自由に駆け巡り、出会う人々の悩みを解決したり、謎を解いたりしながら、ラスボスを倒してヒロインを救うことが目的のオープンワールドRPG。
「実はこの手のゲームやったことないんだよね。本当にFPS一筋だったから。そんなわけなんで酷いプレイが散乱するだろうけど許してね♡ㅤってことで、行くぞー!」
・デッデッデデデデ!!
・カーンが入ってないやり直し
ㅤゲーム開始!
ㅤ事前にチュートリアルが開いた直後に始まることは履修済みなので、この辺は特には驚きません。
《目を覚まして……》
「おぉ、なんかそれっぽい始まり方だ」
・半裸の厄災
・さむそう
ㅤおいなんか勇者が厄災呼ばわりされてんだけど……って、あ。そうだった!
「やっべ、コメント閉じるの忘れてた。すまんリスナーのみなさん、今回はネタバレ防止のためにコメント閉じさせてもらいます」
・おけ
・おけ
・えらい
ㅤふぅ、危なかった。じゃ、気を取り直して動かしていくかぁ。
「おぉ、動く!ㅤなんかすごいな。他人を気にせず好きに動けるのは初めての体験」
ㅤ左スティックで移動、右スティックでカメラ、Bボタン押しながらでダッシュか。ダッシュ中に出る緑のゲージはスタミナかな。
「……で、あれ。何すんだっけ?」
・忘れてて草
ㅤなんとか思い出してスマホみたいなものを回収。その後、壁を登ったり臭そうな服を拾ったりしてチュートリアルを満喫した。
「なんでこんな村人Aみたいな格好なんだよ。私勇者だぞ!」
ㅤなんて文句を垂れながら外に出る。すると、キャラクターが突然操作を離れて勝手に走り出した。
「え、なになになに!?」
ㅤ崖のすぐそばて立ち止まり、綺麗なグラフィックの空をバックにタイトルが映し出される。荘厳で儚げなBGMも相まって、臨場感がすごい。
「お、おぉ……!」
・ファイナル構図
・っぱこのワクワク感よ
・これでロクに容量食ってないってマジ?
「ん?ㅤなんだ?」
ㅤBGMが終わる頃に、麓の方にいるおじいさんの方にカメラが向いた。あっちに行けってことか?
「第一村人発見。でいいのか?ㅤまぁいいや、探索するか」
ㅤということでおじいさんはガン無視で真逆の方向に突っ込んでいく。うおー自由だー!
・おじいさんガン無視で草
・クソガキ
・天邪鬼もいます
ㅤ好きに探索していると、その辺に落ちていた木の枝を拾った。
「攻撃力1……まぁ最初の勇者の剣としては上々」
ㅤりんごも拾って食糧確保。よし、これでモンスターをしばけるぞ!
「フハハハ、さぁ最初の犠牲になるのは誰かなぁ?」
・悪い顔や
・冷静に考えてしばかれるのはそっちなんだよなぁ
「モンスター発見!ㅤ行くぞオラァ!」
ㅤ見つけたモンスター相手に真正面から突っ込み、木の枝を振り下ろ……す前にこん棒でぶん殴られた。
「いっでぇ!」
ㅤ3しかないHPがハート4分の3くらいにまで一気に減少。
・草
・知ってた
・誰もが通る道
ㅤ見えてないがめちゃくちゃ罵倒されている気がするぜ!ㅤでもこんなところじゃ負けてられねぇ!
「諦めてたまるか!ㅤ何のためのりんごじゃあ!」
ㅤりんごをバクバク食べてHPを回復。めげずにもう一度モンスターに攻撃をしかける。
「オラオラぶっ倒してやるよ──折れたぁっ!?」
ㅤタコ殴りにしている間に木の枝が折れてしまった!ㅤ嘘でしょこのゲーム耐久値とかあんの!?
「どうしよう武器がもうな……あっ」
・あっ
・あっ
・ようこそ
ㅤあっ!ㅤあんなところにこん棒(モンスターの武器)が!
「オラァ!ㅤ使わせてもらうぜ!ㅤ死ねぇい!」
ㅤこん棒を拝借して項垂れているモンスターを攻撃!ㅤ会心の一撃を喰らったモンスターは消滅してドロップアイテムに変化した。どんなもんじゃい!
・勇者行為
・はい正義執行
「勇者を敵に回したのが運の尽き……このまま仲間も同じところに送って──」
《GAME OVER》
「……え?」
・草
・草
ㅤ敵の弓に射抜かれて死んだ。最初のゲームオーバーがこんなダサいことある……?
「あー、えーっと……正規ルート進みます」
ㅤ学びを得た。
ㅤRPGで安易に寄り道すると痛い目を見るという学びを。
ㅤその後、第一村人のおじいさんに話しかけるとイベントが発生し、私は4つの祠(ダンジョンのようなもの)を回り、集めたお宝をおじいさんの持っているパラシュートみたいなアイテムと交換することになった。その話の流れで世界観の説明がされたりクッソデカい塔が現れたりしたが、割愛。
ㅤそして今私は凍えるような雪山にロクな装備も無しに突っ込もうとしている。
「みんな止めるなぁ!ㅤ今、私は人間の限界を越えようとしているんだ!」
・草
・無理やて
《限界を超える寒さになってきた》
「弱音吐くんじゃねぇ!!!ㅤお前は勇者だろうがぁ!!!!」
ㅤまぁこの後普通に死んだんだけどね。勇者にも限界はある。
ㅤなんとか試練を乗り越えるため、様々な場所を探索。その中で見つけた『ポカポカの実』なるものを料理すれば耐寒バフが付くらしいのでそれを収集していたのだが……。
《イワロック》
「ボスだぁぁぁーっ!!?」
ㅤ突然ボスと遭遇した。
ㅤいや、あのね?ㅤ探索してたらなんか不自然な広場と不自然な大岩を見つけたから近づいてみたんですよ。そしたら突然せり上がってきて……いや、避けようがなくないですか?
「いやいや、こいつどうやって倒すんだよ!?」
ㅤどこを殴ってもビクともしない。さっき拾った旅人の剣は少なくとも木の枝よりは遥かに強いのだが、それでもこいつにとってはなんの効果も成さないのであった。
「ど、どうす……いっでぇッ!?」
ㅤ奴の腕(というか大岩)が飛んできたかと思えば、突然HPがハート4分の1個分まで減少。し、死ぬ……!
「りんごりんごりんご!ㅤパラパラ踊れぇい!」
ㅤよし大量のりんごを食べてなんとか回復!ㅤそのまま旅人の剣で殴りかかる……けど、やっぱり攻撃は効かない。
「なんか弱点とか……ん?」
ㅤなんか、黒い突起が見えるような……。
・おっ
・おっ
・やっと見つけた
「どう見てもあそこじゃん!ㅤい、いけ!ㅤ届け!」
ㅤついに対処手段を見つけた!ㅤだがしかし、高い場所にあるせいで届かない!
ㅤそれでもなんとか剣を振り続けていると……。
《旅人の剣が壊れた》
「折れたぁぁぁぁぁぁっっ!!!??!??!?」
・あっ
・あっ
・あっ
ㅤ旅人の剣がべっきり折れてしまった。そして残された私の攻撃手段は木の枝だけ…………これでどうやって戦えばいいんDA☆
「ごフッ」
《GAMEOVER》
ㅤ打つ手なしの私に容赦なく大岩が投げ込まれる。ま、負けた……!ㅤ初ボス戦で……!
「ちくしょう、ちくしょう……!ㅤ次は、負けねぇ!」
ㅤ勇者ナマリの戦いは続くのであった……。