怠けたがりVtuberは天下取るのに大忙し 作:レイメイミナ
「第2回!ㅤぶいすた、新人歓迎会〜!」
「「「わー!」」」
「はい、では始まりました。先日デビューしたばかりの新人『天下 la peace!』の皆さんを先輩の我々が温かく迎えてやろうというこの歓迎会!ㅤMCはこの野良乃とら子が務めてまいりまーす!」
ㅤということで特番がついに開始された。正直心の準備なんて欠片もできていないのだが、この際フィーリングとその場のノリでなんとかしていくしかない。
「では『天下 la peace!』のお三方、自己紹介をどうぞ!」
「誰から行く?」
「トップバッターなら明るいやつかなぁ。じゃ、舞華」
「はーい!ㅤこん舞華〜!ㅤ毎日Sunnyで日曜日、アイドルVtuberの舞華・スターライツです!ㅤ名前だけでも覚えていってくださーい!」
ㅤ流石アイドル。しかしクオリティの高すぎる挨拶を前に私は少し萎縮してしまっているぞ。大丈夫か私、大丈夫じゃないな私。
「では二番手を。あくしょーん!ㅤワタシこそが映画大好き円マルでございます。ちゃきっ」
ㅤで、こいつもしっかりVtuberらしい挨拶を持っている。くっ、キャラに反してあざとい挨拶しやがって!
ㅤそして最後、私の番。初配信を見てくれたリスナーならわかってくれると思うが……。
「はい、ほか2人と違ってそれらしい挨拶なんてない子洗井ナマリでーす。よろでーす」
ㅤそう、何も無いのである!
ㅤだってしょうがないだろ!ㅤどれだけ考えてもいい感じのやつ出てこなかったんだから!
「良きです良きです、では先輩方もご挨拶をどうぞ!」
「はいはーい。ナマリちゃん同様それっぽい挨拶がない北上朱夏ちゃんでーす。どもどもども〜」
「今日も風が泣いている……あ、未来来未です。今適当に考えました」
「アドリブかい!」
ㅤMC野良乃とら子先輩、早速同期に鋭いツッコミを返していく。流石の貫禄である。
「はい、この間まで歓迎される側だったはずのオーラスのヒーラー、メイラです」
「同じくオーラスのアタッカー、ユニアです。時間が飛んだみたいな感覚なんですがよろしくお願いしまーす」
「わぁ他人事じゃねぇ〜」
ㅤ私達もいずれあの席に座ることになる、こえぇ……。
「はい、では早速最初のコーナーに入りましょう!ㅤ最初のコーナーは、こちら!」
『君は答えることができるか?ぶいすたミレニアムクイズ!』
「こちらのコーナーは、4周年を控える我々『ぶいすた』の運営が『こんな時期に加入してくるなら当然ぶいすたの濃いファンなんだろうな』という無茶な考えによって生み出された超高難易度のクイズになっております!ㅤ傲慢ですねぇ〜」
「傲慢とか言っちゃうんすね」
「放送事故にならなければ何言っても良いのマインドね」
「うわぁ」
ㅤまぁそれくらい好き勝手しなきゃやってられんわな。
ㅤにしても最初にクイズか……超高難易度とのことだけど流石に配信の内容とかは知らない人もいるだろうしその辺りの配慮はあるはずだ。まぁ例えば『1期生「ばんちようこ」は「ばんちょう」からの文字りであるがその名前の「ばん」は「番」と「蕃」どちらか』みたいな感じの、今からでも観測可能な範囲内ではあるはず。
「問題はそれぞれてんからチームと先輩チームに分かれ早押しで答えていただき、正解数の多かったチームが勝者となります。チーム内でなら相談しあってよしなのでジャンジャン押してってください!」
ㅤまぁルールは想像ついたが、このメンツで勝てるかどうか……。舞華はアホっぽいし、マルマルは脳のリソースを映画に振りすぎてそれ以外はあんまり入ってなさそうなんだよな。
「任せろナマリン!」
「ワタシ達の絆を見せてやりましょう!」
「絆はともかく知恵を見せてほしいんだよね特に舞華」
「大丈夫、これでも私は『ぶいすた』のことならなんでも知ってるから!」
「ホントかなぁ〜」
ㅤまぁいざとなったら『ぶいすた』全員分のアーカイブを履修して設定も完璧に理解しているこの私が頑張ればいい。
「では一問目!ㅤこのわたし、野良乃とら子の配信アーカイブ『【A○ex】ダイヤ昇格目指して頑張り申す【野良乃とら子】』において、1:48:53に敵にキルされた際に発した悲鳴はなんでしょうか?」
ㅤわかるわけねぇだろ!!!!!!!!!!!
ㅤ新規を全力で振り切ってんじゃねぇ!!!ㅤ私でも思い出すのに5秒のシンキングタイムを要するんだぞ!?
ㅤピンポン!
ㅤと思ってたらマルマルが押しやがった。大丈夫?ㅤ反射で押してない?
「おっ早速新人ちゃん!ㅤどうぞ!」
「『まじんにゃー!』です」
「正解!」
「ウッソだろお前!?」
ㅤマルマルすげぇ!
「これは切り抜きでもよく取り上げられてるので結構有名ですねぇ。しかしどの時間で言ったかまでは知らない人も多いはず、円マルちゃん流石!」
「フッ、これぐらい必履修科目ですよ」
「お前、映画だけじゃなかったのか……」
「何言ってるんですかナマリ、Vtuberの配信とは映画なんですよ」
「……は?」
ㅤ何言ってんだこいつ。
「では続いて2問目。『ぶいすた』切っての音ゲー大好きな3期生アーストロン・ゾディアがプレイしているスマホのリズムゲームは──」
ㅤピンポン!
ㅤおっ、今度は舞華が押した。お手並み拝見と行こうか。
「プロ○カ!」
「……もあります!」
「へっ!?」
「流石にそこまで簡単ではなかったか」
ㅤあまりにもビッグタイトル過ぎるからね。
「3期生アーストロン・ゾディアがプレイしているスマホのリズムゲームは一体いくつでしょう。ゲーム名を全て答えてください!ㅤあ、略称で大丈夫です」
「わかるわけねぇだろボケェイ!!」
「はい朱夏先輩からの『わかるわけねぇだろボケェイ!!』いただきましたー!」
ㅤ朱夏先輩それはちょっとあまりにも真っ当な叫びすぎる。
ㅤしかーし!ㅤそれなら全ライバーの配信内容を理解している私が輝くチャンス!
ㅤはいピンポン!
「はい!ㅤでは子洗井ナマリさん!」
「プロ○カ、ユメ○テ、グル○ク、ガ○パ、リズ○ム、あん○タ、Ar○aea!」
ㅤどうだ!ㅤどれも配信でよくやっていた強めのタイトル!ㅤこれならなんとか……!
「……残念!ㅤまだ足りません!」
「嘘でしょ!?」
ㅤマジか!ㅤどれだ!?ㅤヒプ○イか?ㅤラブ○イブか?ㅤいやあれ音ゲーだったっけ……あれ、シャニ○ンの方だったか?
ㅤピンポン!
ㅤここで来未先輩が押してきた。
「あとひとつ、それはPhi○ros!」
「正解です!」
「それかぁ〜ッ!!!」
ㅤ盲点だった!
ㅤくっ、流石雑談王未来来未……!ㅤ1本取られてしまった。
「さぁてんからチームと先輩チームにそれぞれ1ポイント!ㅤ問題はまだまだ続きますよ!」