神秘探求したいミレニアムモブ生徒とゲマトリアがガッチャンコ   作:禍禍冴月

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後日談。

活動報告の方で後日談やif話の案などを募集しています。それら全てを書くという確約ではないため、予めご了承ください。




後日談 その1

 

 

 

 

 今日も今日とて、青空の広がるD.U地区。

 治安も回復傾向にあり、穏やかで過ごしやすい、連邦生徒会のお膝元たる地区の外郭部。

 

 

 其処にこそ、連邦捜査部シャーレのビルが在る。

 

 

「おっはようございまーす!!」

 

「お、おはようございます〜」

 

 

 シャーレのオフィスドアを開け、元気良く飛び込んでご挨拶。

 さんさんと爽やかな朝日に負けぬよう、高らかに声を出せば……シャーレの主たる大人は、嬉しそうにはにかんでみせてくれる。

 シッテムの箱の中、画面の向こう側の教室でアロナちゃんが手を振ってくれているので、そちらにも手を振り返して応じてあげる。

 

 

 "おはよう、○○。ユメ。昨日は良く眠れた? "

 

「はい、ぐっすり快眠でしたとも。ねぇユメさん」

 

「えへへ、2人ともぐぅぐぅ寝れるもんね」

 

 

 この度、無事に退院することができたため、本日から始まるのがシャーレ奉仕活動。シャーレの業務を全般的にお手伝いをするのだとか。まぁ要するに当番業務である。

 

 

 当然の如くユメさんを伴っての出勤となっているが……別にユメさんは奉仕活動の対象ではないので連れてくる必要は全く無いし、本当なら私と離れて過ごしてもらった方が良いのだけど。本人たっての希望により奉仕活動に加わる流れとなった。

 

 まだまだユメさんの私離れはできそうにない。

 私の退院も済んだし、そろそろアビドスという居るべき場所に戻るべきだとは思う。

 というか、このままだと本格的に私とユメさんが同居する事になるんだけども。

 今だって私の自宅で2人仲良くシェアハウス状態だし……

 

 ホシノさんとも相談してみてはいるが、未だ有効打は得られない。……ホシノさんもホシノさんで元気が無い。かけがえのない先輩とせっかく再会できたのに、疎遠じみた関係に陥り掛けてるのだから、その心境は察して余りある。

 一応ユメさんの様子を定期的に送っている。寝顔だったり元気に過ごしてる様子を映した場面だったり。しかしあまり元気になる様子が無い。むしろ弱っていってるようにも。

 ……やはり一緒に過ごさねば離れていた間の月日は埋まらないんだろう。

 

 

 "もうすぐ今日の当番の子も来るから、仕事はその後にしよっか。"

 

「了解です。今日は誰が当番でしたっけ?」

 

 "えぇと今日は……あ、ちょうど来たみたい。"

 

 

 それはそれとして、お仕事お仕事。

 シャーレの当番は過去何回か体験しているし、慣れたもの。初体験なユメさんも居るから、お仕事を教えながらになると思うけど……もう1人当番の生徒が居るなら楽に済むだろう。

 ……当番の立場を利用して、先生と1日遊び倒す子も居るらしいけど。さて今日は誰が……

 

 

「おはようございます、先生。それに○○ちゃんに、ユメさんも」

 

 

 扉が開いた先。にこりと細められた笑顔が私を見つめてきている。

 

 

「お、おはようございます……ノアさん」

 

「ふふ、はい。お身体に変わりはありませんか?」

 

 

 じぃっと、見つめてきている。

 ノアさんの圧がすごい。

 頷いてみせれば、ノアさんは愛用の手帳にまたさらさらと何かを書き込んでいく。

 

 

 "……実は○○の奉仕活動の初日が決定した時、ノアが当番を申し出てきてね……。"

 

「おぉ……もう……」

 

 

 うん。

 仕事は捗りそうで楽になるかもだけど、圧がね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば先生。私のミメシスって見つかりました?」

 

 

 当番業務、本日のシャーレ奉仕活動を進め。

 色々と溜まっていた決済書類やらを整理して処理しやすいように均したり、データ入力の作業諸々といったものをユメさんに教えたり、などなどしている最中。

 一旦落ち着きを見せたタイミングで、雑談として話題を振ってみる。

 

 先生は作業の手を一度止めると、申し訳なさそうに眉を下げた。

 

 

 "うぅん、まだ分からないみたい。ヒマリやリオも探してくれているようだけど……。"

 

「うーん、やっぱりあの時戦闘の余波に巻き込まれて消えてしまったんでしょうかね……」

 

 

 そう、私のミメシスは行方不明となっている。現在、ヒマリさんなどが捜索を行ってくれているそうだけど、進捗は芳しくない。青白い肌を有した、私と瓜二つな存在なんて、誰かが見かけたら噂が広がること待ったなしだと思うのだけど。

 

 

 ユメさんへの付き添いに、先生達との戦闘データを蒐集するために記録係としても何体か出していて……ホシノさんに倒された分を差し引いても、合計で6体は居たと記憶している。

 

 だが、あの戦いの後、何処かへと行方をくらましているのだ。

 

 黒服さんにデータを提供したのが私のミメシスと判明している以上、最低でも1体はまだ存在しているはずだけど……全く、本体たる私を放って何をしているやら。

 

 全知のヒマリさんなどが関わっている捜索活動に引っかからないということは……既にミレニアム自治区から居なくなっているのか。

 もしくは、監視カメラの届かぬ場所で隠れ潜んでいるのか。

 あるいは、何処ともしれぬゲマトリアの施設に居るのか。

 それとも、消滅してしまったのか。

 

 

「確認できてる限りですけど、ミメシスは許容量を超えたダメージを受けていないなら半永久的に存在できますし……何処かへ姿を隠したんですかねー」

 

「怪我とかしてないといいんだけどなぁ……」

 

 

 見ればユメさんがしょんもりとしている。私のミメシスにお世話をしてもらったり、構ってもらったりしてたから、寂しげで、悲痛さも滲んだ面持ちだ。

 とりあえず頭を撫でて落ち着かせてみよう。

 

 

「……そもそも、ミメシスとはどういう存在なのでしょう? 複製、という意味合いを表しているのは承知の上ですけど」

 

 

 ノアさんが好奇心を匂わせる声色で尋ねてくる。……軽く聞いてくる仕草で、しっかりと聞き逃さないように姿勢を整えている。

 

 

「そうですね。その名の通り、私の複製です。クローンと違って肉の体ではなく、あくまで私の感情を核として、神秘のエネルギーで身体を形成しています」

 

 "感情を、核に? "

 

「えぇ。あくまで私のミメシスに限った話ですけど、あれらを作るのには私の強い感情を注ぎ込む必要がありまして……」

 

 

 そう。ミメシスの形成には、私の神秘が封入された神名のカケラ120個に、強い感情を、想いを注ぎ込む事が必要になる。

 

 私の抱えていた想い、いや、今も抱えている想いは……神秘に対する探求の心。ロマンを求める心。

 渇望にも近いような、高い熱量が必要とされる。

 そうして生まれたミメシスは、本体の私と同等の熱量でもって、研究や開発を手伝ってくれていた。

 

 

「ですから……もし、まだ存在しているのなら……私みたいに、研究したいものを研究して、何か作っているのかもしれませんね?」

 

 

 まぁ、見つかっていないならそれはそれ。

 その内ひょっこりと顔を見せるかもしれないし、放っておいても害は無いと思うし。

 

 

 

 

 

 

 

 □■□■□■□■□■

 

 

 

 

 

 

 

 

 仕事を一段落させ、お昼休憩をと皆で街に繰り出そうとした途端。シャーレに1件の通報が入った。

 

 不良生徒の軍勢が睨み合い、ついには街中で堂々と銃撃戦を始めたのだという。

 

 

《えぇと、通報によりますと……メラメラヘルメット団とキラキラヘルメット団の小競り合いのようです! 先程までは睨み合いが続いていたようですが、ついに戦闘に発展してしまったらしく……》

 

 "……なるほど。それでこんなに大規模な喧嘩になってる訳だね。"

 

 

 現場に駆け付けると、それはそれは結構な抗争が行われていた。

 物陰から伺う最中、シッテムの箱の中のスーパーAIたるアロナちゃんが周辺の俯瞰図を示し、状況説明をする最中でも怒号と銃声、爆発音が鳴り響く。

 

 流れ弾などが飛んでこないよう、ユメさんが展開した『セフィラ・プロテクト』で防いでくれている。盾は何気にピカピカに磨かれている。執念すら感じるレベルで。

 

 

 それなりの規模を誇る不良生徒の軍団同士が唐突に遭遇してしまい、駆け落ちるように抗争が勃発。市民が悲鳴を上げて逃げ惑っている。

 実にキヴォトス然とした背景と光景だが、今回は規模も規模。オマケに真っ昼間の街中で銃撃戦ということもあり、放っておけば被害は大きい。迅速に鎮圧が求められるだろう。

 

 

「先生。ここまでの規模ですと、対処するにはもう少し人員が欲しい所です。ヴァルキューレの方に応援の要請はできるでしょうか」

 

 "うん。けど、通り道が分断されてて合流には時間がかかるみたい。"

 

「……待っていれば、被害はますます広がってしまいそうですが……やむを得ませんね……」

 

 

 確かに、この不良生徒同士の全面戦争が長引くと周辺地域の被害が大きくなる一方だろう。もう既に近場のお店は爆発で吹っ飛んだりしてるし。

 

 ……ふむ。戦力が心もとないのなら、それを埋めるとしよう。

 

 

「よぉし、ではここで出来たてほやほやの秘密兵器を投入しましょう!」

 

 

 そこで取り出したるは、白衣の内側に隠れたホルスターより引き抜いた、片手銃型の武装。

 つい昨日マスターアップしたばかりの、新しい武器である。ここでデータ取りと、安心安全設計なアピールを示していこう! 

 

 

 "○○、それは……? "

 

「ふふ、先生。お好きですよね? 変身銃」

 

 "くっ……それはそうだけど……! "

 

「あははっ、じゃあ行きますねー!」

 

 

 何やらツボを突かれたらしい先生が胸を抑えて悶えた所で、武装の準備に取り掛かる。とはいえ、専用のホルスターから引き抜き、マガジン底部にあたる箇所のボタンを押し込めばそれで良い。

 

 

《DECAGRAMMATON/Ready》

 

 

 メイン機能が起動し、電子音声を流しながら待機状態に移行した事を確認すれば、そのままトリガーを引き抜く。

 

 

《GEBURAH! CHOKMAH! Come on!》

 

《DAATH,DAATH,DAATH!!!》

 

《Scramble!》

 

 

 空へ掲げた銃口から輝く弾丸が放たれ、弧を描いて私の体へと吸い込まれるように直撃。

 その衝撃で弾丸に封入されていた光の粒子が弾けて、私の体を包み込んでいく。

 

 

《Severe! wisdom! fusion rise!》

 

 

 格納されていた輝く粒子が形を取り戻していき、私の体に纏わり、覆っていく。

 肩部、胸部、前腕部、腰部、脚部。それぞれを防護する装甲が形成され、装着。

 装甲各部の機能を最大限発揮させるためのリアクターが煌々たる光を放ち、蒸気の如き噴煙を立ち登らせる。

 

 

《DAATH!!!》

 

 

 高らかに唄い上げる電子音声の終わり際、ヘッドマウント型のバイザーが私の頭部に装着。

 装甲と、そこから常時展開される防護バリアーのステータス。各部状態諸々を映し出すモニターが表示された末に、装着が完了する。

 

 

「……○○ちゃん、それは一体?」

 

 

「はい、新作の『ダァト・チェンジャー』、それの防護装甲展開機構です。ゲブラと、新たに蒐集した預言者コクマーの力を宿した装甲を展開でき、装着者の身体強度、能力を引き上げます。もちろん、預言者の力を選んで引き出す事もできますから多種多様な攻撃も可能となっておりまして……」

 

 

 "……待って、コクマーって言った? "

 

 

「はぁい! ゲヘナの方で預言者の反応があったので旅行に赴いた際にバッと取ってきまして! あ、新規パーツでユメさん用のアタッチメントも作ったので是非とも試してみて───」

 

 

 そこまで言いかけた所で口を噤んだが遅かった。

 三者三様の視線が私に注がれている。

 

 何で黙って行ったの、だとか。

 今初めて知りましたよそれ、だとか。

 とても痛い視線が往々に語ってきている。

 

 

 "……何時、コクマーの所に行ったの? "

 

「い、1週間前……ユメさんと一緒にゲヘナへ行った時に取ってきまして……」

 

 

 そう。

 病院から無事退院した後、ユメさんと交わした、一緒に色んな所へ行こう、という約束を果たすべく旅行をしたのだった。

 直近で向かったのは、ゲヘナ。

 活発な温泉地へと療養目的でユメさんと遊びに行ったタイミングで、私は預言者の一角たるコクマーと邂逅し、その躯体の回収に成功したのだった。

 

 

「え、その日って普通に○○ちゃんと一緒に過ごしてたよね……? ○○ちゃんと温泉巡りしたもん」

 

「その、夜中に抱き枕とすり替えて出かけて、朝になる前に戻ってきまして……」

 

 

 ゲヘナにて私は、預言者の気配を感じ取った。天啓が落ちるように、ビビッと。インスピレーションの如く。

 そうして夜中目覚めた私は、私を抱いて眠るユメさんの腕の中から抜け出し、そそくさと気配を感じた先に向かった。

 

 ゲヘナ自治区の火山、その1つ。

 溶岩を泳ぐ船───デカグラマトンの預言者、コクマーが其処に居た。

 

 そうして新たな預言者と出会った私は、強めにぶつかり合い、ばこっと張り倒して、以前のようにボディを丸ごと頂いた。

 

 

 

 減刑を目指すために正直に吐くものの視線は突き刺さるばかり。

 まずい、何度も行われたか分からない説教パートnが始まってしまう……! 空気を変えなければ。

 

 

「あ、あー! 積もるお話は後にしましょう! 今は目の前の問題をパパっと片付けましょう! お昼ご飯もまだですしね!」

 

「目の前で新しい問題が露呈したばかりですけど……後でちゃんと詳しく聞かせて下さいね?」

 

 

 何処と無くノアさんの圧が強くなった気がする。何でだろうなぁ。……ごめんなさい笑顔でガン見しないでください後生ですから。

 いや、ほんとに危険な代物ではないんです。

 以前の『ミスティック・ドライバー』のように、装着者の神秘に接続、干渉し、許容限界値まで無理矢理に増幅させて膨大な力を引き出すものでもなく。

 これはあくまで、最も相性の良い組み合わせであった預言者同士のパスを繋ぎ合わせ顕現させた、超強力な外部装甲を纏うというものなのだから。

 

 実際、超安心安全。装着者への負担は最小限に抑え込んだものであり、何なら先生も装着できるをコンセプトにしたスーパーパワードスーツなのです! 

 

 

 と、弁明していれば今度はユメさんが両手で頬を包んでじっと見つめてきた。ほんのりふくれっ面だ。

 

 

「……何で黙ってたの? ○○ちゃん」

 

「いや、あの……データ整理が一段落するまでいいやって……あぁちょ、ほっぺむにむにするのやめてくださぁぁ……」

 

 

 

 "……よし。色々聞きたいけど、まずはこの場を何とかしないとね。手伝ってくれるかな。"

 

 

 咳払いをして注目を集めた先生が改めて取り仕切ってくれる。

 

 

 "○○、それはどんな事ができるの? "

 

「ふふ、よくぞ聞いてくれました」

 

 

 さて、性能のお披露目といこう。

『ダァト・チェンジャー』後部にある、預言者のヘイローが描かれたダイヤルをカチリ、と回していく。

 ダイヤルで選択した各預言者達が宿していた力、その一端を映し取り、一時的に喚び出す事を可能とする機能だ。

 

 

《KETHER》《CHOKMAH》《BINAH》《GEBURAH》

 

「各種多彩な武装に、高火力砲撃、広範囲攻撃もできますし……」

 

 

 一つ一つ、照らし合わせながら、簡潔にできることを。

 こうして改めて見ると、預言者の殆どは火力のある武装で身を固めているなと思う。

 

 

 

「それに、手数も増やせます」

 

《CHESED》

《Advent》

 

 

 ケセドのヘイローにダイヤルを合わせ再びマガジン底部のボタンを押し込めば、銃口から神秘の粒子が迸り、私の周りに散布される。

 

 溢れ出た粒子が形を作り、オートマタ、機械兵、ドローンを次々に形成。

 ここまでは、ユメさんが持つ『セフィラ・ハンドラー』とそう変わりはない。

 ここからが改良し、改善した所なのだ。

 

 

 銃口からまた多量の粒子が溢れ、形を作り出す。

 粒子は幾多に分かれ、人型大の大きさにまとまっていき……その形が、輪郭が象られて。

 

 私と同じ装甲、武装を纏った、ミメシスが数体その場に現れる。

 姿形も寸分違わない、私のミメシスだ。

 

 厳密には、神名のカケラを必要としない、純粋に神秘だけで形を再現した、擬似ミメシスと言うべき存在。

 それでも思考する力はあるし、戦闘もこなせる。

 

 

「ふふ、正常に稼働できていますね」

 

 

 呼び出された擬似ミメシス達が他の機械兵と共に待機状態へ移行するのを見ながら、先生達が目を丸くするのを横目に、私は力強く宣言するのだった。

 

 

「ようし、先生! 指揮をお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこからはまぁ、言うに及ばず。

 先生の指揮というものを実際に体験しながら、私とユメさん、ノアさんと擬似ミメシス、その他機械兵オートマタによる連合軍でヘルメット団の抗争に介入し、ちぎっては投げ、ちぎっては投げの無双ゲーとあいなった。

 

 

 一番攻撃力と防御力に秀でた私が先陣切って駆け込んで、撃って殴って蹴って投げて。ミメシス達もそれに続いて暴れたり何なり。先生の指揮に応じて行動を変えたりなど。

 ユメさんがノアさんを守りつつ後方で支援行動したり。追加でオートマタを喚び出しては手が届かない場所に配備させて対応させたり。

 

 

 結果、ヴァルキューレの増援と合流する前に掃討、捕縛ができた。後はヘルメット団を引き渡して、諸々の手続きやらを済ませて緊急のお仕事は終了した。

 

 短いながらも最高の時間だった。欲を言えばもっと堪能していたかったけど、欲張りすぎるのも良くはないので。

『ダァト・チェンジャー』の実戦データが取れた。先生の指揮を初めて、自らの体で体験できた。

 うーん、ホクホク気分。これを元に改良と改善をして、最適化を果たしていこうか。それとも他の開発中の機器も仕上げてしまおうか。悩ましい悩ましい。

 

 ちなみに喚び出した機械兵や擬似ミメシスは、形成に用いられたエネルギーが切れれば自動的に消滅する。そのため残骸の回収もしなくていいのでクリーンである。

 

 

「ふぅ……。○○ちゃん、忘れていないと思いますけど、『ダァト・チェンジャー』についての報告書等はしっかりまとめておいてくださいね? 預言者のことについても同様に」

 

「はぁーい。……あ、いややりますから、ちゃんと出しますからその顔で近付かれると怖いですってば!」

 

「の、ノアちゃんだめだめ! そんなに顔近付けたらくっ付いちゃうよ!」

 

「ユメさんと一緒に寝てる時って大体こんな距離感じゃないですから今更何を気にして……うぉぉ肩揺らさないでくださささ」

 

 "……うん。仲が良くて何よりだね。"

 

 

 少し遅めのお昼ご飯も済ませ、シャーレに戻ってお仕事再開。

 とはいえ、少しばかり溜まっていた業務もノアさんという優秀な方のお陰でさっぱりと片付き、ほとんど終わっている。

 なのでゆったりとした空気感で雑談を続けている。

 

 

 

 

「失礼するぞ、先生」

 

 

 唐突にシャーレオフィスの扉が開かれる。

 訪問客かと顔を向ければ……そこに立っていたのは2名。

 ゲヘナ自治区のトップたる万魔殿のマコト議長、そして風紀委員会の長たるヒナ委員長。

 ゲヘナのお偉い方が揃い踏み、真剣な面持ちで居るものだから、自然と肩に力が入るもの。

 

 

 "ヒナ、マコト? 何だか珍しい組み合わせだけど……今日はどうしたの? "

 

「アポを取らずに押し掛けてごめんなさい先生。……それ位、急を要していて」

 

 

 言うが早いが、マコトさんはシャーレオフィスにつかつかと入り、来客用のソファに深く腰を降ろした。

 一見傲岸不遜な振る舞いにも見えるけど、マコトさんの雰囲気は一貫して重々しい。ピリピリとしてさえいる。

 

 そうして私達の方をちらりと横目に見やり……それから先生の方へと視線を向け、その口を開いた。

 

 

「先日、連邦生徒会より立ち入り禁止区域と指定されているミレニアム自治区の廃墟地帯……其処から放たれた『極光』、及びそれを放った巨大兵器について改めて話を伺わせてもらおうか、先生」

 

 

 

 あれ? 

 

 もしかして、私が関係してる話? 

 

 






○○:嬉々としてコクマーを殴っていった。戦闘力等は『名も無き歓喜』がそのまま生徒の形として収まっているような状態。この後ホドとか殴りに行く。

生塩ノア:○○を観察し続けてきた末、最近やっと瞼の裏に染み付き、寝ても覚めても脳裏に刻まれていたあの光景が見えなくなってきた。

梔子ユメ:○○の自宅に転がり込んでいる。○○とのキヴォトス旅行行脚を実行中。今度は雪が見てみたい。レッドウィンターには雪山いっぱいなんだって!
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