パニック・コンピュータ   作:PCエンジン

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前編のあらすじ
AI付きPCをもらった。
ピートのシュクダイを終わらせた
ピートから新しいシュクダイを渡された


パニック・ショッピング(クロフク撲滅編)

 

 

 

トミーは店主から貰ったブラックマーケットの会員証を首から掛けて門扉をくぐった。

 

「ったく・・いい加減タイヤの焦げ付いた匂いがキツい場所だな?」

ガソリンが荒土とひび割れコンクリートに染み込んでいるからだろうか?視界が歪んで見えちまぜ。

 

「トミーよ、お前は繊細なやつだな?自分で言うのも何だが俺はこの匂いが好きだぜ?」

「はいはいそうですかいミスターAIさん?だったらブラックマーケットの案内をしてくれねぇか?」

 

俺のエセブランドの腕時計をぶち犯しやがったAIはケラケラと黒い点を激しく点灯させてきやがる。

 

「ガラガラッターン!!」

 

太陽とともに鉄釘とツギハギのシャッターがテントから開いた。

 

「おいクソガキ!てめぇどこ見て歩いてやがる?俺様の商品を買いに来てくれたんだったら大歓迎だ!」

 

 

シャッターを持ち上げた手の奥からニュッと豚の油脂っぽい匂いが立ち込めてきやがる。

 

「うるせぇよ店番!お前こそ自分が金を貰うために営業スマイルを身に着けたらどうだ?」

「なんだと!?てめぇそこでいろよ!?」

 

 

ズシンズシンとピートの白豚よりもでかい足音で地ならしをして奥から近づいてくる。

瞬きするとあっという間に俺の頭を鷲掴みにして、クジラみたいに顎がしゃくれた顔が目と目の間に迫ってきた。

 

 

「ちょ、チョット待ってくれよ!なあ店番?俺は会員証を持ってるんだぜ?きっとこのブラックマーケットのご贔屓サマってやつだと思うんだが?」

 

今の状況を見た奴が居たら、どれだけ俺が言い訳を作るのが下手くそなのか分かるだろうな。

 

 

 

「・・クソが!!てめぇあの店主のお気に入り会員か?だったら話が早い!俺達は仲間だよブラザー!!」

「はぁ?何で豚臭いクジラ男が俺の仲間なんだよ」

 

俺は訳がわからなくなっていた。確かにヒゲモジャの店主が言うにはすげぇ会員証らしいが・・・そんなもの胡散臭い訳あり会員ってところだろ?

 

「トミーよ、お前は自分がどれだけ凄い会員か知らないみたいだな?この場所の筆頭株主みたいな権利を持ってるんだぞ?」

 

AIは俺の顔が歪んでいたのを察したのか首に引っ掛けたカードのことを聞いてもないのに語りかける

 

「・・・つまりどういうことだよ。こんなオンボロのマーケットで筆頭株主なら何が良いってんだ?ガラクタの鷲掴みとか涙ちょちょぎれるバーゲンセールってか?」

 

「ハハッ!!AIジョークが磨けているなトミー?もう分かってるだろうが株主総会に参加する権利が得られるんだ!ここで黒服のクズどもが現れるかもしれないんだぞ?」

 

「そういうことだ!ブラザー?お前は今日から俺達ブラックマーケットの将来を握っていると言っても過言ではない!!」

 

クジラ男は自分を船乗りとでも思っているのだろう。自分が発した言葉で勝手に自惚れてやがる。

 

「だったら何だってんだ?俺はピートのシュクダイを終わらせなきゃならん。」

 

チッチッと軽く舌打ちを鳴らして俺は唾を地面に吐き捨てた。それを見かねたのだろう?腕時計のバカAIは俺に口を開ける。

「トミー?株主総会への会場を俺がナビゲートしてやる。だからまずこの店の中を通り過ぎてくれ」

 

「はあ!?何で会場へ続く道がこんな豚臭い店に通じているんだ?すべての道はローマに通ずってか?」

 

俺は尻ポケットから安っぽい紙タバコを右手で掴み取り、腕時計の着火装置で点火する。

 

「豚臭いのは余計だがなブラザー!!こっちに来てくれ。株主総会がもう始まっているんだ」

 

クジラ男は笑顔でタバコを横取りし、ズシンズシンと地ならしを起こして奥へ歩いていく。

 

「なんだよ?紙タバコが案内代金ってか?」

 

俺達は一歩ずつ店の中へ進み、クジラ男の地ならしが程々に聞こえる程度の距離(ちなみに5m程度だ)を保ちながら足を動かしていった。

 

 

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