パルデアで天才たちは悩んでいた 作:風見鶏さんの作品おすすめです
ハルキ『本当にわかってるな?子供相手だから愛想よくしろよ?』
シュンスケ『しつこいな、わかってるよ』
話の本題が終わったのを雰囲気で確認しつつ、僕はメールアプリの使用をやめる。
時間は昼。場所はカントー地方のとあるカフェテリア、最近できたそこの席に座りながらつついていたスマホを手放し軽く伸びをすると、ポケモントレーナーのシュンスケはメールの内容を軽く思い出すことにした。
『パルデアの学園で教師にならないか』
それはカントーでジムバッジを集め、チャンピオンを目指していた頃からの昔馴染みで、今はパルデアで働いていると聞いていたハルキからの提案だった。
といってもしばらく連絡を取り合っていないはずだ。なぜ僕がと純粋な疑問を問いかけてみるに、過去の校長や教師陣に問題があり学園は人員を総入れ替えしたからとのこと。
教師陣の総入れ替え、あまり学園に詳しくない自分でもわかるほどには稀有な事例だろう。幸いポケモンリーグとの連携によりかろうじで現在運営はできているが、かなり大規模な学園でありスムーズとは言い難い状況なようで、何かと大変なバトル学のサポートをしてほしいらしい。
(携帯獣学とかなら断れたんだけどな〜)
まぁ間違いなく今は暇だ。ハナダを飛び出して死ぬ気で殿堂入りを目指し飛び出したのはもう数年前、全国を見てもレベルの高いカントーのジムバッジをコンプリートし、目標のチャンピオン撃破へあと少しのところまで手が届いた手前どうしても諦めきれず、やっと決断したと思えばいまや25になってしまっている。
こういう道もありだろう、これまでのトレーナーとバトルしたり大会に出たりして金を稼いだり、ポケモン絡みの事件に首を突っ込んだりして新聞の隅っこに載るような生活は正直不安定すぎたんだ。
これからの将来へのいい経験にしよう、と一旦感情を整理し終わると、頼んでいたコーヒーをぐっと飲み終わる、口の中にキリリと苦味が広がった。
テーブルに置いてある伝票を持ち会計を済ませようと勢いよく腰を上げると、カチャリと腰につけてあるモンスターボールが擦れた。
⭐︎⭐︎⭐︎
「ここはみんなあんまり血気盛んな場所じゃなさそうだね」
ひとりごとを呟き、ゆっくりと歩きながら朝の街を眺める。
あのメールから数日が経ち、着いてからは順調だった。
シンオウやイッシュで幾らか旅を経験していたからだろう、雄大な自然や実物は初めてみるポケモンを眺めながら、シュンスケはパルデア地方最大の都市、テーブルシティに着いていた。
パルデアのおおよそ中心部にあるこそは風土によく合ったように見え、カラフルなタイル装飾はとても華やかだ。
もちろん人も多く、中には制服のようなものを着ている子供も見受けられる、おそらくこれからお世話になるオレンジアカデミーの生徒たちだろう。
余裕は作ってあるが遅れたらまずい。新たな環境への軽い不安と、改めて浮かんできた期待の感情を乗せるようにシュンスケは少し早歩きでアカデミーに続く階段を登った。
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