パルデアで天才たちは悩んでいた   作:風見鶏さんの作品おすすめです

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レジエレキ エレクトロンポケモン

電子を吸収して生きているポケモンで、体のほとんどがでんきエネルギーで構成されている。レジエレキの放つでんきタイプの技の威力は、でんきタイプのポケモン随一だといわれている。






VSネモ その3

 

 

 

「かわしてケンタロス!!」

 

「『しんそく』!」

 

試合を眺めている大半の観客は、ただ茫然としていた。

 

見えない、ほとんどシュンスケの繰り出した、ビリビリと音を立てて駆動するポケモンの姿が、残像でしか確認できないのだ。

 

その常識外のスピードと『しんそく』という技の技術が掛け合わさり、フィールドを縦横無尽に利用する。

 

翼は無い、ただ高速で空は飛び回り、地面に根を張るケンタロスに襲いかかるのみ。

 

圧倒的な生物としての個の強さが、一方的な試合展開を予想させた、だが

 

「上!」

 

「ブァア!」

 

ケンタロスはその卓越した技術で、最低限の被弾に抑える。

 

高速で飛び回るレジエレキに比べればいくらか緩慢なステップを使い、連続で放たれる『しんそく』を躱し、被弾を免れない瞬間は可能な限り攻撃をいなす。

 

神速には、神業を。ネモは脅威的な動体視力、そしてポケモンとの連携でケンタロスと息を完全に合わせ、ブラッキーの展開した『リフレクター』と『ひかりのかべ』の効果時間を稼ごうとしている。

 

「『十万ボルト』!!」

 

 

レジエレキの行動が変化した、『しんそく』には敵わないものの他のポケモンとは次元の違う速度の電流。

 

「かわせ!!」

 

ケンタロスは不意に放たれたそれすら、ギリギリで躱しきった。

 

パァンという『かみなり』のような大きな破裂音。その電流でバトルコートの地面が大きく、そして黒く焦げつく。

 

だがギリギリの回避、もう僅かな体力もあってか、ケンタロスの重心は数センチ右足に寄る。それをシュンスケは見逃さない。

 

「『サンダープリズン』!!」

 

素早く飛んだレジエレキの下半身から、電気の牢獄のようなものが放たれた。『十万ボルト』よりはるかに範囲の大きな攻撃、ケンタロスは避けきれない。

 

「グアァ!」

 

「耐えて!ケンタロス!!」

 

ケンタロスは彼女の指示に従い、耐え切ったかに思われた。

 

だが牢獄はまだケンタロスを封じ込め、再び流れた力強い電流に意識を手放した。

 

「持続ダメージか......」

 

ネモが確認するように小さく呟く。

 

文字どうり『しんそく』のほぼ視認できない、これまでのどのポケモンも凌駕するスピード、『十万ボルト』のとてつもない火力、当たったら動きが制限される『サンダープリズン』全てが厄介だ。

 

両者ともにこれで残りは一体、テラスタルは使用済み。

 

ケンタロスとの激突時に、一度小さな振りのツノがヒットしたが『リフレクター』により影響は限りなく少ない。

 

時間稼ぎが成功し、先ほどまで展開されていた『リフレクター』と『ひかりのかべ』は消失したが、状況は万全だ。

 

自身の持つ情報アドバンテージを生かした綿密なチャンピオン対策と、確実に彼女が知らないであろう伝説のポケモンによる初見殺し。

 

ほぼ完全な五分状況を、チャンピオン相手にシュンスケは作り出した。

 

思考をフルで回転させる、ここが正念場、恐らくチャンピオンである彼女の、エースポケモン。

 

シロナのガブリアス、ダイゴのメタグロス、ワタルのカイリュー、カルネのサーナイト。あの化け物たちとほぼ同等と考えて良いだろう。

 

さぁ、何がくる。

 

 

 

「楽しいですね!先生!」

 

大事そうに6体目のボールを持ちながら、ネモは問いかけた。

 

「そうだね、頭が冷たく澄んでいて、でも心が燃えていて、ニヤニヤが止まらないよ」

 

「こんな感覚、ほんとに久しぶり!ずっとこんなバトルがしたかった!」

 

その実力から学校で疎まれ、ずっと手加減しながらバトルをしていたのだ、解放の喜びは凄まじいだろう。

 

「やっぱり僕もトレーナーなんだろうね。それなりに生きてきたから、美味しいものとか、楽しいゲームとかいっぱい知ってるけど......」

 

 

「何食ったってこの味には敵わない」

 

そう言い放ったシュンスケの顔に教師のおもかげは無く、少年のようなとびきりの笑みを浮かべていた。

 

「わたし、死ぬまでこの場所でバトルしたいです!」

 

「僕も、同じことを思っていたよ。ずっとここにいたい、これが終わってもまたいつかバトルしよう」

 

「ぜったいですよ!」

 

「あぁ!」

 

教師と生徒、チャレンジャーとチャンピオン、そんな建前はもうない。

 

バトルが大好きな少年と少女の、対等なバトルだ。

 

 

「このポケモンを出すのはトップとやった時以来です!」

 

「いいね!!最高のバトルにしよう!!」

 

手に滲んだ汗もそのままに、彼女は最後のポケモンを繰り出した。

 

 

 

「お願い!私の最高のポケモン!!」

 

 

 

「グアァ!!」

 

威風堂々、そのポケモンは現れた。

 

一分の隙のない青い立ち姿、無駄のない完成された肉体美。

 

目を合わせるのみで、ほとんどのポケモンから戦意を失わせるほどの威圧を携えたその目は、眼前に佇む強敵を静かに睨む。

 

ビリリリリリリ

 

レジエレキはその脅威を威嚇するように、いつもより激しく電流を走らせた。

 

はどうポケモン、ルカリオ。

 

最強のトレーナーであるチャンピオンの、最も信頼を置くポケモン。

 

 

 

 

勝つのは最強か、それとも伝説か

 

「ルカリオ!」「レジエレキ!」

 

 

「「『しんそく』!!」」

 

両者の力強い声が、決戦の火蓋を切った。

 

 

 

 

 

 





今の僕が出せるロマンを限界まで詰め込みました。楽しんでくれると嬉しいです。
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