パルデアで天才たちは悩んでいた 作:風見鶏さんの作品おすすめです
先ほどまで薄暗く、静かな雰囲気を醸し出していた教室は電灯ををつけ明るくなり、生徒側のイスに1人で座るアオイに相対するよう僕は教壇に立った。
(暗くなるまで1時間くらいか、テンポよくいこう)
「じゃあ授業を始めます、早速だけどアオイさんはタイプ相性は理解してるかな?」
「はい!たぶんほとんど完璧だと思います」
「じゃあほのおタイプの弱点と得意なタイプ全部、答えれる?」
「えっと...弱点はみず、じめん、いわで...効果が抜群なのがくさ、こおり...むしとはがね!」
「正解、素晴らしいね」
若干緊張が解けたのか、褒められて嬉しそうなアオイを見ながらほう、と少し感心する。
あの時の授業は一年生だったはず、ここは入学に年齢制限がないが、間違いなく年齢は低いだろう。
先ほどの言葉が嘘でなくほとんど完璧に覚えているというのはかなりいいのではなかろうか。
なかなかに意識の高い生徒であると認識を変え、今度はさらに難しい問題を出題することにした。
「先生!できれば明日もお願いできませんか...」
「もしあの時間帯に用事がなかったなら大丈夫かな〜」
「ホントですか!ありがとうございます!」
「気をつけてね〜」
空は夕暮れ、満面の笑みを浮かべながら彼女はアカデミーの門を通過する。
状態異常にポケモンのタイプ、名前、きのみの効能にボールの特性。
他にもいくつか問題を出したが、彼女は8割ほどの正答率を維持し、今回のマンツーマンレッスンは終わりを迎えた。
想像以上に彼女の目標は本気のものであるらしい。
(ネモに、勝ちたいんです!)
1番はじめの切実な、叫びのような言葉が思いだされる。
レッスンの途中で質問したネモに関しての情報を整理すると、その目標は果てしなく遠いものに見えた。
パルデア地方チャンピオンクラス、数々のジムをめぐり、リーグの精鋭である四天王とチャンピオンを倒した超エリートたち、その中でも最強と言われるトレーナーがこの学園の生徒会長であるネモなのだから。
彼女に勝つということは、アオイはこのパルデアで少なくともジムバッジをコンプリート、いやチャンピオンクラスまでは到達しないと厳しいだろう。
いくら座学をしても確実に才能を要求されるライン、努力をすれば誰でも達成できるようなものではない。
自分はこっちに来たばかりだし、あまり入れ込みすぎるなよ、と自身を戒めるが、無意識に頭の大半は明日教えるべきことについて思案していた。
明日は他の先生方の授業を見せてもらえるらしい、立ち振る舞いや生徒への接し方とかわかんないことが多すぎるしいい機会だ。
突然誘われたせいでまともに講習されていないのだから学ばねば......
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