「んじゃ今日はここまでかな」
「おつかつかれー」
萌花はヒラヒラと手を振る。カツカレーんまいよね。オイラと萌花は何だかんだ3時間位勉強してたんでない? やったぜ! そういった達成感は大事だと思うオイラ。
オイラは萌花を家まで送っていく。って言ってもお隣さんだけど。
「今日はありがとねつかとも」
「こっちも楽しかったよ」
「あのね、つかとも。よかったら今度の休みさ……」
その時オイラは一陣の風が吹いて、その声を聞いた。
ビュオオオ! PC発動アテンションプリーズ!
「ちょ、待っ」
「私とデートしてくれない?」
フワッとPC発動していま~す。
「ぶーーっ!」
オイラは鼻血を出してそのまま仰向けにドシャアと倒れたのさ。前からも後ろからも横からも見れたと思うオイラだった。
「おはよう」
翌日。雫がオイラの部屋にやってきた。
「突然でオイラびっくり」
「ごめんね? ……迷惑だった?」
「そんなはずない。むしろ嬉しいよ」
オイラは上を向きながら答える。ん? 何でかって? 顔見ようとすると必然的に目線が下がりMCが発動するからです。鎖骨のライン綺麗ですね。
「よかった……。あ、これよかったらどうぞ」
袋をすっとオイラの前に出す。
「何だか凄くいい匂いがするな」
「クッキー焼いたの」
「いただきます」
オイラはクッキーと雫のイ~イ匂いをクンクンしながらお礼を言った。
「着替え……手伝おうか?」
雫が何となしに言う。……え? オイラは一瞬何を言われたか分からずフリーズする。
「服、脱ぎ脱ぎするの、手伝おうか?」
言い方なんか危ないって。オイラは勢い良くブンブンと首を横に振った。
「いやいやいや! そんなこと……」
雫はオイラの手をギュッと握ってきた。やわらけ。
「遠慮しないで。幼馴染みだもん」
果たして幼馴染み=着替え手伝いは成立するのであろうか。そんなふと浮かんだオイラの疑問はズズイっと迫り来るMCの前にすーっと消えていった。
「ちょ、ちょ」
雫がオイラのパジャマのボタンを外しにかかる。一つ一つ丁寧に。ま、まずい……。オイラはさっと鼻を押さえる。とはいってもそれは徒労だった。
「ぶーっ!」
オイラの鼻血は今朝も絶好調らしい。
どうにか上半身だけで着替えの手伝いは済んだ。いやホント下半身は最後の砦なんでね。タワーディフェンスタワーディフェンス。
「じゃあ下で待ってるね」
雫は小さくそう微笑んで部屋を後にした。
オイラはそっと息をつくと、ズボンをよいしょっと着替える。鎮まれって。オイラのマグナムよ。
着替え終えると、オイラはう~んと1回伸びをして、緊張した身体を和らげる。
「さて、と」
オイラはドアを開け、部屋から出た。
トントンと、階段を下りると何やらトントン、と音がした。同じトントンだ。
「キッチンの方からか」
オイラがリビングの隣にあるキッチンの方をチラリと覗くと、ふんふんと鼻唄を歌いながら包丁を使って料理をしている雫の姿が。
「あ、つかとも君。もう少しで朝ご飯出来るから待っててね」
「う、うす」
振り返りざまの微笑み。なんだか、その、新妻感があった。よく分かんないけどね。
オイラは照れを隠すため、すぐさま顔を洗いに洗面所へと向かった。
おはようございますからの鼻血。調子いいらしいですね。次もよろしくです。