「おっはよー!」
教室に入ると、萌花がオイラと雫に挨拶をしてきた。朝から元気だ。
「おはよう」
「おはよう萌花ちゃん」
オイラと雫も返す。こちらはスマートな感じだ。
「今日ねー。結構朝からドタバタでさー」
萌花は、肩を大きくガクーッとする。
「花の水やりと補習だっけ?」
オイラは朝見たメッセージの内容を思い出す。萌花はコクンと頷く。
「そう。ダブルブッキングってやつだよ!」
「大変だったな」
オイラは萌花の頭を手でポンとする。
「わっ」
「えらいえらい」
「も~、私子供じゃないんだけど~」
そう言いつつも嬉しそうなのこれ如何に。
「むう……」
雫が若干ムッと唇を曲げる。
「つかとも君。私にもお願いします」
「えっ? あ、ああ」
オイラはすっと差し出された雫の頭を優しく撫でる。
「ふにゃあん……」
「にゃああん……」
あれれ? 仔猫ちゃんが学校に迷い込んじゃったのかな? 首もとも撫でてあげたくなっちゃうにゃあ。
キーンコーンカーンコーンコーンカーンキーンコーンコーンカーンキーンコーンカーンキーンコーンカーン。ちいっ、予鈴が鳴ったか。というかチャイム長~。
ミニ休憩時間。この時間って何すればいいのかって感じだけどそんなこと考えていたら終わる終わる。
「つーかーとーも」
萌花がピョンコピョンコオイラのもとへとやってくる。可愛いウサちゃん。こんにちは。
「ノート見ーせーて」
「またかよ」
「いいじゃんいいじゃん。また、しっかりノートとってるんでしょ~?」
「板書ってそういうもんだろ?」
え? 違うの? 学生諸君どうなんだい?
「え~? だるくな~い?」
「いやそうは言ってもな……」
「んしょ」
萌花がオイラの前の机の上に座る。ちょっと待たれよ。足組んで、ふんふん。スカートは短くて? ふんふん。周りは上手いこと視線はなくてってことはつまり!?
PCチャンス来たーーーーーー!
「お、おい……」
オイラがしどろもどろに眼鏡をカチャカチャさせていると、萌花は机の上に置いてあるオイラのノートを横取りしていった。ああー!
「いっただきー!」
まずい! 確かさっき少しラクガキを……!
「あれ? ちょっとつかとも~」
「なんでございましょう?」
「これ……なーに?」
「衣……かな?」
「天ぷらみたいに言ってるけど~これどう見ても~」
「せぃあー!」
オイラは一瞬の油断をついてノートを取り返した。消しゴム消しゴム~。
「あーやられたー」
ふふふ。甘い甘い。
「む~、悔しいな~」
萌花が、唇を尖らせ、身を捩った瞬間──
チラリ。
純白のPCが。
「ぶーーっ!」
オイラは盛大に鼻血を真上に発射した。あっれー? っかっしーなー。消しゴムで消したのになー。
顕現しやがった。
顕現せよ! という感じになっています~。