元ハンター協会中間管理職、ハンターとなる   作:錆びた氷

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転生といえば、記憶を思い出すところから始まりますよね。あと、水見式の第二話。

 頭に強い衝撃を受け、前世の記憶を思い出したのがついさっきでした。未だにじんわりと痛む頭を軽く押さえながら、改めて流れ込んだ情報を処理していきます。

 

 現在の私の名前は「クォーツ・パーカー」。五歳の少女で、下ろせば肩甲骨を覆う程度の濃紺の髪を括っています。

 それ以前から微かに意識の断片でも漏れ出していたのか、自分で言うのも何ですがかなり早熟です。

 

 まず「転生」と呼ばれるものにはいくつか種類がありますが、私の場合「前世の魂と今世の魂が混じり入っていたが、ふとした瞬間に前世の知識が目覚めた」タイプのようです。

 そのため、よくあるこの子に入る予定だった人格云々と悩む葛藤は幸いにしてありません。だって、私は私であるとはっきり分かりますから。

 

 前世の記憶はほぼ思い出せませんが、相当サブカルチャーにハマっていたのでしょう。知識的な記録は思い出せます。例えば計算方法や仕事の手順、それこそ漫画の内容などです。

 あと、かつては男性だったようで……今更かもしれませんがこの身体が少々気恥ずかしいですね。

 

 今世での記憶、その片隅にある「ハンター協会」の単語とロゴからここが「HUNTER×HUNTER」の世界であると推定します。

 そして今の年号は……1953年。原作開始(1999年)はおろかゴンの出生年(1987年)でさえ遥か先ですね。まあ年齢については支障はないでしょう。

 ただでさえ生体エネルギーを留めて老化を遅らせられる上に、作中最強と名高いネテロ会長も原作開始時点で130超えてましたしね。

 

 ゆったりと念の修行をしていきましょうか。

 

 

 

 

 1963年

 はい、クォーツ15歳です。この十年で身に沁みましたが、流石にゴン達ほどの才能はなかったようです。

 

 最低限のラインとして「念を知覚する」事を目標としていましたが、それが10歳の時でした。

 本当にあるかどうかも分からない生体エネルギーなんてものを手探りで感覚を掴もうとするのは流石に辛かったです。

 

 そこからもまた地道で、原作にオーラの現実に即した操作方法など書いている訳もなく。原作知識を抜けば、念について教えてくれる先達もいないためまたもや試行錯誤の連続でした。

 「纏」「絶」の習得に三年、「練」の習得に二年もかかるとは……習得のための時間を考えると、原作開始に間に合うのか不安になってきます。

 

 しかし、これで「念能力者」としての第一歩を踏み出せました。

 そしてお待ちかねの〝アレ〟を行える段階へと来たのです。

 

 机の上には、水が並々に注がれた透明なコップに、浮かべられた木の葉。そう「水見式」です。

 

 強化系が水の増減

 

 変化系が水の味の変化

 

 具現化系が水の中に不純物

 

 放出系が水の色の変化

 

 操作系が葉っぱの振動

 

 特質系はそれ以外の変化

 

 で表されます。

 

 いつも思うのですが、操作系だけ仲間はずれな気がしてなりません。恐らくは操作難易度が「液体()固体(葉っぱ)」だからでしょうけど。実際に水の流動は表面の波に焦点を置いただけでも、計算は困難を極めますから。

 作中でははみ出しシャツさんことウイングさんが「水見式は心源流に伝わる方法」と言っていましたが、七色弓箭(レインボウ)の子やクラピカの師匠さんが使っていた辺りから「心源流(の先人が発見してこれまで)に伝わっている」くらいのニュアンスだと思ってます。

 でなければ、秘伝ガバガバ心源流になってしまいますし、そんなことはないでしょう。

 

 思わずニヤリと表情が崩れるのも仕方ない、としておきます。やっと前世で考えた想像の技を使用できる一歩手前にいるのですから。

 

 静かにコップへと手を翳し、「練」!

 

 ……見た目に見える変化はありませんね。水は溢れないし、葉っぱは微動だにせず。

 詳しく見てみましょう。コップを持ち上げて白い壁に透かしてみますが、色の変化は……なし。完全な透明です。同時に細かい不純物も見当たりません。念のため黒い紙と白い紙それぞれにも透かしてみましたが、何もなし。

 

 となると、変化系ですか。水を指先に浸してから、一口。

 ……無味。

 

「……はぁ、基礎だけでも固めますか」

 

 特質系かぁ。

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