ここはどこだ?
体が動かない、感覚もない。
死んだ?いや、それはない。まだ意識ははっきりしている。
記憶もちゃんとある。自分が弾丸のように飛んでいた。いや、飛ばされていた記憶はちゃんと。
ん?
あれ?あの場には娘の声がしていた。気がする。
「気のせいじゃありませんよ。」
ん?誰だ、俺の心を読んでるやつは。
「どの世界に行ってもそんなことできるのは私ぐらいなものです。サリエルさんしっかりしてください。」
そうだ、そんな人物は限られている。
声の主の方を向きたいのに向けない。体が動かない。
「無理しなくていいですよ、サリエルさん。もうあんなことはしないでくださいね。」
妻なのか?、、、だとしたらどうしてこんなにも覇気のない声をしているんだ?
娘は、ライラは、あぁ、あんなこと言ってたし怒ってるのか、、、、、、
ん?思い出した、ライラは自分の娘に手をあげたことを怒っていたな。確か名前は、、、、エミリア、、、、、あぁ、今更気づくなんて、俺は、、、はぁ。
ちゃんと謝らないとな。
「妻よ、ライラは、、、、、、、ライラは近くにいるのか?」
視界の中には誰も映っていない。だとすると横か後ろに妻はいるんだろう。
「もう、しゃべらいで、動こうとしないで‼」
いつもなら、こんなことないのに自分で動かさせてもらえない。
喋ることさえダメだなんて。
「じゃべらなくても、会話が出来るんだから。」
そうだった。妻はエスパーか何かだったな。
「こんなときに、そんなこと言わないで下さい。最後ぐらい、そんなことは言わないで。」
最後?
「そ、そうだ、ライラぁ。そこにいるなら、こっちにいらっしゃい。」
そうだ、ライラに謝らないとな。
「なに、おかあさん?」
「お父さんが言いたいことがあるって。」
「お父さん、なに?」
「エミリアだっけ、いい子だったな。他人思いで、自分のことは後回しに出来る。それに何よりかわいかった。そんな子に手をあげてしまった。ごめんな、俺知らなかったんだ。」
「許さない。けど、だけど、だけど、もういいの。知らなかったのは知ってる。会えなかったのも知ってる。だけど、あんな初対面は、やめてほしかったな。」
なんで、涙声?そして、いつものような、からかうような語尾がないのはどうしてだ?
「ライラ、大丈夫?」
「だ、大丈夫。ありがとう、おかあさん。」
「ライラ、何かあったのか?」
「何でもないよ、お父さん?」
いつもみたいな明るさがない、どうしたんだ?
「ごめんなさい、お父さん?私のせいで、私のせいで、、、、うぅ、」
何で泣く?どうして?いつもらなこちらが怒られる立場なのに、どうして?
体が動かない、どうなってるんだ?
「ダメ、お父さん、動いちゃダメ!」
そんなに重症なのか、、、?
「ライラ、そろそろいい?」
「うん、大丈夫。おかあさんも大丈夫?」
「なんのことだ?」
「サリエルさんには関係のないことですよ?それと、あと一人来てるの。」
「はじめまして?なのかな?お爺さん。」
「エミ、、、リア?」
「ちゃんと、あなたのこと、知っていたら、あんなこと、、、あんなことしなかった。聖剣も、ちゃんと、、、」
「エミリアちゃん、それは言わない約束。」
「なんか今日はみんな隠し事多くないか?」
どうして、どうしてここで黙る。
「どうしても、あなたには気付かないで欲しかった。最後ぐらい、思いのまま過ごさせてやりたかった。」
妻よ、どうしてそんなに泣きそうなのか?他の二人もそうだ。寝れば治るさ、それぐらいだろ、怪我なんて。
「サリエルさん、今のうちに聞きたいことありますか?」
なんだろう、あの戦いのことかな聞くとしたら。
「そうですよね。」
「それは私から言います。お爺さん。私のせいであなたは、、、」
「泣くぐらいだったら、私が言います、お父さん?あなたは、魔王からの打撃によっていろいろな方向に飛ばされていっていた。」
うん、そこまでは覚えている。そのあと、ライラの声がしたんだよな?
「そう、見てられなくなって、お父さんを元いた建物に打ち返したの。そこにいたのはエミリア。もちろん敵である、お父さんが飛んできた。だから切り伏せた。自分と千穂さんを守るために。」
だったそれだけだろ?
「そうじゃないの、聖法気のないこの世界ではすぐには回復できないの。その事を私たちは忘れていた。」
「だから、治療はしてなかった。そしたら、サリエルさんは起き上がって来ない。そう思った時には遅かった。」
「そのあと私がとどめを刺しに行ったの。」
そしたら、俺はもう変わり果てた姿だったと、、、、。それでか、感覚がない、動かないそんなことはないと思っていたいけど無理だろう。
「サリエルさんが今も意識を保ってるのは、、、、、」
それ以上は言わなくていいよ。妻は優しい人だ。だから、こういうときは、こうやって無理をする。力がうまく使えないこっちの世界では、意識を保たせることは容易ではない。
「もう、大丈夫だよ、ありがとう、そして、またいつか。」
俺がそういうと妻はそのまま俺の上に倒れこんだ。そこまで疲れていたんだ。
急に眠くなってきた。
そして、そのまま意識を手放した
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