痛いです。そんな言葉では足りません。しかし、痛いです。立ち上がるにしても力が入りません。私はいつ倒れたのですか?
ギャぁあ!
「っ!?」
「どうした、悪魔?声がでないのか?いい様だな!」
「あぁ~あ、こいつの悲鳴聞きたかったのに何やっっ!てんだよお前。」
「悪い悪い、お前がそういう性癖の持ち主だとは知らなかった。」
抉りながら抜かないでください。髪を引っ張りながら蹴らないでください。爪の間に何か入れないでください。これ以上されたら流石に私、理性保てないです。ギャァァアア!
「ほら、なんかうねうね動いてる。面白くない?」
「この穴にこれ指すとどうなるんだろ?知りたくない?」
そこは耳です、耳は物を入れるところではありません!音が聞こえなくなってしまいます、やめ……
「 」
「 」
なに言ってるのですか?聞こえないです。
「もう、やめて……」
「 !」
なんで驚いているのですか?
「 」
「 」
「ぎゃぁああああ!」
切られ刺され抉られ、殴られ蹴られ叩きつけられたあの痛みは一生忘れません。
激痛に意識が飛びそうになったとき、この建物が爆発されました。その大きな爆発は周りの建物も巻き込んでいきました。それ以降の記憶はありません。
気が付いたときには人間の首筋に噛みついてました。そこから脛動脈に穴を空けて血を吸っている自分がいました。
その異常性に気がついた私は、ショックで動きを止めました。まだ人間としての理性や倫理観などは残っていました。周りの状況をとりあえず確認しようと人間から手を離したとき、後ろに突然気配を感じました。
「真祖の姉さん、それだけでいいのか?それともそれだけにしておいて、その人間に苦しみを与えるのか?」
「だ、誰ですか!」
回らない頭をフル稼働させて今の状況を理解しようと努めます。
「誰だって?ひどいなぁ、お前が助けを呼んだのではないか。それに命の恩人にそんなことは言えないと思うのだが?」
「それはどういうことですか?」
聞いても詳しくは教えてくれませんでした。それどころか、目の前で少し動いている人間の血を残さず吸ってやれと言ってきたのです。顔をよく見ると、それはあの優しい彼のものではありませんか。彼は私を見るなりさっきまで噛みついていた首筋を晒して私に血を吸うように言ってきます。
「どうして?」
「僕の、僕のせいだから。僕の罪はこれで許されるとは思っていない、けど、これだけはやらせて。」
「私はあなたが悪いとは思っていません。だからやめてください。」
「いいえ、これは僕のけじめです。そこのお兄さんが言ったように僕はもう長くありません。それにあなたに捧げられるなら、僕はもう十分なほど人生を有意義に過ごせたことになりますから。」
「どうしてそこまで」
「もうこれ以上、僕を苦しめないで。苦しめないために僕の血を早く吸い付くして下さい。」
もう、反論は出来なかった。彼は、私に身を捧げ安らかにいってしまった。私はこの手で人を一人殺してしまった。その事を理解したときには既に朝日が昇ろうとしていた。
「そろそろ帰るか」
「帰るって何処にですか?」
「何処って決まっているだろ?俺たちの城にさ。」
そう言われ私は呆然としたまま手を引かれ歩き出しました。この先に地獄が待っているとは知らずにです。
暫く歩いていくと大きなお城が見えてきました。真っ黒なお城がそびえ立つその場所は私の元いた町からはそう遠くないところでした。どうして気づかなかったか疑問なくらい近く大きなお城でした。
私達がお城の門の前に立つと門が開き中へ入ることができました。どうやらここには魔王がいるらしくなんだか賑やかです。しかし、私が近くを通るとなんだか嫌な目をされ、睨まれます。
「ここは?」
「魔王城だ。ここにいるやつらは魔王様に従いまとまったやつらだ。」
話を聞いていると悪魔には色々な種族がいるらしく、種族によって魔王に従うかどうか全く異なるそうです。私は外見からして吸血鬼であるらしく、どうやら敵対はしていないが魔王にも従っていない種族らしいのです。そんなの私がCoCoに何をしに来たのかとどうやら探ろうとしているらしいのです。
「お前は仲間のところに帰るのか?」
「私はもう帰るところなんてありません。」
「ならここにいるといい。」
そう言ってくれたのは五才ぐらいの小さな男の子でした。どうやらこの子が魔王らしいのですが、私にはどうにもそうは見えませんでした。
「そうだな、お前は戦闘力を活かして兵士になるといい。」
「はい……」
「なに、不満か?」
「いいえ」
では案内してやれと、近くにいた召し使いのような悪魔に告げて、魔王は去っていきました。
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