アニメしか見てないとこんなことが起こる!   作:nissy

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今回は優しい彼のお話


第23話

 

 

僕はこの町では見ない女性に一目惚れをしてしまった。彼女は遠くから見ているとどうやら何かをみんなに訴えているのだが周りの人には聞いてもらえてないようなのだ。

またやってるのか、と言っている人がいたので話を聞いてみた。どうやら、隣町からやって来た人らしくあの女性について詳しく話してくれた。

彼女は隣町でも同じことをやっていたらしいのだが、誰も話を聞いてくれなかったらしい。どうして聞いてくれる人がいないのだろう?それにも答えてくれた。悪魔なのだそうだ。そうは見えないと反論はしてみたものの、どうやらその事を証明出来る方法があるらしい。もしそれで証明できなければ彼女を全面的に助ける、そういっていた。

 

そう約束したので明日、彼女をとあるビルに呼び出すことにした。これは手伝うために呼び出すのだ、悪いことではないはずだ。

次の日、僕は待ちきれなくなって彼女のいる宿まで迎えにいった。その様子を他の人に見られていたらきっと死んでしまいたくなるくらい恥ずかしい、そう思えるくらいウキウキしている。

 

彼女は寝ていたらしく目を擦りながら出てきた。かわいい、無自覚にもそう呟いてしまった。不味いと思ったがどうやら気づかなかったようで顔を洗ってくると言っていた。

 

今さらだけど、僕は変な格好してないかな。してなければいいな。

 

彼女をあの人達との待ち合わせ場所につれていくために手を引いて案内をした。途中あの人達が何をやるか不安になったこともあったが普通に待ち合わせ着いた。

ここまでは普通だったのだ。そう、ここまでは。

 

 

 

「悪魔がどうしたんだ?」

 

「そ、そうです。悪魔です、悪魔が攻めてくるのです!だから、みんなに注意するようにって伝えようとしにここまで来ました。」

 

「どうして、悪魔がそんなこと言うんだ?」

 

「え?」

 

「え?じゃねぇ!どうして悪魔がそんなこと言ってんだって言ってるの!ちゃんと言葉通じてる?」

 

「はい、言葉は分かります。しかし、意味が分かりません。」

 

「意味?そんなもん考えなくても分かるだろうが!この悪魔が!」

 

 

 

という会話があっている途中に肩を叩かれ話しかけてきた人がいた。「今からこいつで抉って削って裂いてこいつが悪魔かどうか証明してやる。見たいなら見ていくといい。」と包丁を見せながら言ってきた。

他の人も鉈とか棍棒とか斧とかいろいろ持っていた。これは本気なんだそう理解したとき、この状況を招いたのは僕だ。もし本当に彼女が悪魔なら、もしこの状況を挽回できたなら、もし僕がこの状況を招いたのだと思われたらそう考えると怖くなってきた。

少しずつ彼らは近づいてきて彼女を取り囲んでいった。それに邪魔だったのか、僕は弾き出され包丁を首に突きつけられ邪魔だ、去れと脅され恐怖に負け逃げ出した。

 

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、そう唱えることぐらいしかできなかった。

 

何かを感じ一瞬後ろを見たら、こちらを彼女が見ながら何かを言いたそうな顔をしてこっちを見ていた。ごめんなさい、僕には何もできない。ごめんなさい。

 

気味の悪い笑い声と共に殴ったり刺したりする音が響いていた。そんなことも気にせずビルから出た。

 

裏路地から逃げ出そう走り続けていたとき、何かにつまづいて転けてしまった。起き上がろうと手をつき顔をあげたところに顔があった。

 

「やぁ」

 

「っ!」

 

どう見ても悪魔だった。角はあるし羽もあった。

 

「この辺で悪魔見なかった?」

 

首を横に振るしか出来なかった。

 

「じゃぁ、他にあたるか。」

 

そう言って立ち去った。僕の襟をつかんで。

 

「嫌ぁぁ!」

 

「なんだか喋れるのか。」

 

暴れても踏ん張っても全く意味がない。力の差が大きすぎた。

 

「この辺だな」

 

どこ?と思い周りを見るとさっきのビルだった。

 

「なんか抵抗がうざくなってきたな。仕方ない。」

 

何かをされた。わかったのはそれだけだった。意識があるまま抱き抱え上げられビルの中に入っていく。

 

「お楽しみ中だったかもう少し待ってよう」

 

そこには手足を切り離され喉笛を傷つけられ、それでも何にも屈していない彼女の目と、何かに絶望したような表情があった。そのアンバランスな彼女のことを見ても美しく、まだ好きでいた。

 

 

「どうした人間何を考えている?」

 

そう問われると同時に叫び声があがった。

 

「そろそろやりますか。」

 

そう言うと悪魔は壁を破壊した。破片は大きく人々に降りかかった。破片に当たった人はあっけなくつぶれていった。壁の崩壊と仲間がやられたことに混乱した人たちは呆然と立ち尽くすだけだった。

 

「さて仕上げだ」

 

残りの人たちを簡単に殺していった。

 

「お前はどうしたい?どうやらあいつに惚れてるみたいだからな」

 

彼女を助けたい!それだけしか考えてなかった。

 

「それならお前に出来るのは一つだけだ」

 

そう言って彼女の前に連れていかれた。

 

その後は何かをされたわけではない。ただ彼女に首筋を噛まれただけだ。それがどういう意味を持つのかなんのための行為かはわからなかった。けどそれをされているときはなんだか暖かな心地になった。

 

 

 

 

しばらくして意識が薄れてきた頃、不意に彼女に突き放された。しかし、あの暖かな心地が恋しくて僕は首筋を曝した。

 

それが最後の記憶だった。




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