目の前に見えるのは銀色の武器を持つ人間の軍隊、後ろはどう見ても私を殺しに来ている悪魔達です。どうしてこうなったのでしょう。もちろん自分に問題があったのはわかってます。けれども、ここまでのことはやった記憶がありません。
もうここで私は死ぬんだ、そう理解した戦いが始まったのです。
「今回は残っている東方の制圧に行ってもらう。前回みたいにサッと行ってパッと終わらしてこい。以上だ!」
その言葉で始まった東方遠征は人間と悪魔(魔王軍に属していない)の連合軍との全面戦争と化した。始めは連携のとれていない連合軍だったが途中から連携をとり始めイザベラを追い詰めた。この頃にはイザベラには味方がいなくなり魔王軍は敵となっていた。
「イザベラぁ!お前には味方がいない!さっさと消えろ!」
その言葉は人間であっても悪魔であっても変わらず同意できることであった。そう、誰もがイザベラに恨み以上のなにかを持っていたのだ。
私はいつかこうなるのではないかと考えていました。人間にも悪魔にもいい顔をしてその上どちらにも憎まれるようなことを行っていました。ですが、どう考えても恨みを買ってしまってる人たちだけではないと思うのです。つまり人が多すぎるのです。 一人二人なら受け止められますがここまで来ると流石に受け止められません。
身体能力的には私に追い付ける人はいないと思います。あれだけ距離が開いています。これを使って何とかしてみましょう。
「一番に突っ込んでくるのはやはりあなた達なのですね。」
「悪かったな‼やっちまえ」
一番に突っ込んでくるのはやはり私に恨みのある魔王軍です。彼らの実力はよく知っています。なのでうまくやれば彼らを気絶させるだけで抑えることはできると思います。
ヤァッ!そう掛け声をあげながら殴りかかってくるのは体術に自信のある悪魔です。一撃の威力が大きな彼らの攻撃は当たるといたいですが隙が大きいのでカウンターが打ち放題です。どうして、私はこんなにも暴力的な考えが出来るようになってしまったのでしょう。今はそんなこと考えている暇はありません出来るだけ早く周りの悪魔達を無力化しなくては他の悪魔や人間に追い付かれてしまいます。
殴り殴られを繰り返している内に、後方の軍が迫ってきてしまっています。しかしここまでさせる私は、変なカリスマ性でもあるのでしょうか?
「うぐっ!」
気をぬいてしまいました。これぐらいかすり傷です。左腕は動きませんが。
仕方ありませんね、これから先は手加減なしで行きます‼
「殺されたくなければ、今すぐ下がってください!」
「片腕を失ったお前なんか怖くねぇよ」
「むしろお前が殺されろ!」
言葉が悪いです。こう言うのは結構前から聞いてきたのであまり驚きませんが……
心苦しいですがやってしまいます。顔を殴って来ようよしとている悪魔にはその手をかわしてカウンターで顎を打ち抜き、蹴りを入れてくればその足を掴みそのままスイングを、そしてこちらから積極的に無力化していきます。
最初からこうすれば良かったです。そう思うほど早く終わりました。しかし、追い付かれてしまいました。しかも、囲まれてます。
「お前の罪を数えろ!」
「私はただ、ただ生活しているだけです。罪なんて数えるほどしかありません。」
「やはり、いっても無駄か?」
「砲撃よォーい!!」
「あれは俺たちにとっても毒だ、絶対に当たるなよ!全力でイザベラを叩き潰せ!」
「「打てぇー!(いけぇー!)」」
銃を構え弾を放つ人間、その弾をかわしてイザベラに攻撃を加える悪魔たち。何も打ち合わせなしにここまで連携をしてイザベラを殺そうとしている。銀色の弾でイザベラの行動を制限し打撃を加えたり、悪魔が接近戦をやっているときに後ろから打ったりと、一方的ではあったものの、イザベラもやられっぱなしではなかった。
背中に銀の弾を受けても尚、倒れることはなくむしろ立ち向かって目の前にいる者を倒していっている。
もうだめです、意識が保てません。死ぬのは嫌ですが、このままいろんな人に看取られながら逝くのもいいかもしれませんね。それで逝くとしても役者がいませんね。
「お前が、お前が俺の息子達を!!」
なんてタイミングがいいのでしょう。これでいけますね。
「私は何も……ガハッ」
吐血です、もうここまでやられてたなんて……
「優しかったあの子と、まだ幼いあの子のことを忘れたとは言わせないぞ。この悪魔!」
確かに私は悪魔ですが……もしかして私が過去に吸血したあの二人の父親なのですか?
「私は……」
ダメです、瞼が重いです。それになんだか寒いです。
「何も言わないんだな、じゃあこれで死ね‼」
私に向かって降り下ろされる銀色の剣は他の銀の武器から感じる嫌な気配はなく、いつも空にあり優しく包んでくれていた太陽のような暖かさを感じた。
これが一応最終話です。
納得のいかないラストになってしまいましたがこれが今の僕の実力です。