浜辺に轟く金属の音。
青い海を背景に、二つの光が立ち上がる。
一つはトライドロンがまるでアーマーのように身に纏った紅の戦士—仮面ライダードライブタイプトライドロン。
もう一つは白と銀のボディに赤いラインが走る巨大なメタル巨人—仮面ライダーレスキューキング。
「な、なんだ……あれは……」
フリーズ・ロイミュードの声が震える。
目の前に現れた二つの存在は、まさに彼が憎悪する「ヒト」という種族の希望そのものだった。
「復活するはずがない……! 我が手で葬ったのに!」
進ノ介が静かに言葉を紡ぐ。
「そうだな」「正直に言うと私もアメイジングな体験だからね」
トライドロンの胸部分から青い光が脈動する。
全てのコア・ドライビアが融合したエネルギーが迸る。
一方のレスキューキング内部では、三人の声が交錯していた。
「機体安定中……」
森羅が中央コンソールで微調整を行う。
「攻撃パターンロックオン……」
アーサーの声が電子的に変換される。
「防御フィールド展開準備完了……」
環の優しい声が最終セーフティを解除した。
それと共に、レスキューキングの腰から飛び出た剣。
その剣が、その手に掴む。
機械の剣であるキングエクスバッシャー。
剣身が白く輝き、冷却水が微細な粒子となって流れ落ちる。
「さぁて、お礼参りの時間だぜ?」
進ノ介の言葉が浜風に乗る。
ドライブタイプトライドロンが腰を低く落とす。
全身から蒸気が噴き出し、タイヤのようなパーツが高速回転を始める。
「来るぞ……!」
フリーズ・ロイミュードが両腕を掲げ、巨大な氷柱を生成する。
ドライブが大地を蹴り、一瞬でフリーズに接近し、拳を叩き込む。
「ぐあっ!」
氷の盾が砕け散る。
同時にレスキューキングが空中に舞い上がる。
巨体に似合わぬ俊敏な動きでフリーズの頭上を取る。
「くっ……離れろ!」
フリーズが両手から極低温の嵐を放射する。
レスキューキングの表面を霜が覆うが……
「冷却システム正常稼働……」
森羅の声と共に、機体全体から冷却水が噴出。
氷結した外装がパージされ、蒸気を上げながら新たな装甲が露出する。
「何度だって生まれ変わるさ!」
アーサーの叫びと共にキングエクスバッシャーが閃く。
白い光条が空を切り裂き、フリーズの背中に炸裂。
「おっと、お前の番は後だぜ?」
ドライブが再びフリーズロイミュードに肉薄し、超音速で移動しながら連撃を浴びせるドライブ。
フリーズの胸部装甲に亀裂が走る。
「馬鹿な……こんなことが……!」
後退するフリーズロイミュード。
「何が起きているんだ、さっきから戦っているのは、2人なはずなのに」
フリーズロイミュードが、そう見つめると、先程まで戦っていたアーサーと環。
だが、2人はまるでその場で動く様子はなかった。
まるで、意識だけがそこにないように。
「まさか」
そうして、レスキューキングはキングエクスバッシャーを腰に固定すると、左手をフリーズロイミュードに向けた。
「冷却システム全開……」
森羅の声が響く。
「凍結開始……」
アーサーの声が続く。
「解放……」
環の柔らかい声が締めくくる。
その瞬間—
レスキューキングの胸部から青白い光線が放たれる。
「エクスフリーズ!」
光線がフリーズロイミュードを直撃し、全身が青い氷に包まれる。
「なっ……何故だ……! 我が支配する冷気が……!」
動揺するフリーズロイミュードに、レスキューキングが再び剣を構える。
キングエクスバッシャーが二度の閃光を放ち、十字の軌跡を描く。
「エクスクラッシュ!」
十字に刻まれた傷痕から冷却エネルギーが放出され、フリーズロイミュードの体内で氷結が始まる。
「うおおおおっ! この私が……凍るだと……!?」
その刹那—
『『ヒッサーツ!フルスロットル!!』』
ドライブタイプトライドロンが全コア・ドライビアのエネルギーが一点に集中する。
炎のようなエネルギーを纏った右脚が水平に旋回し、氷結したフリーズロイミュードを横一文字に切り裂く。
同時にレスキューキングが剣を天高く掲げ、垂直に振り下ろす。
「クロスインパクト!」
上下からの同時攻撃が交錯し、X字の紋章が刻まれる。
「ぐああああああっ!!」
轟音と共にフリーズロイミュードの体が爆発四散する。
冷却システムが限界を超えたのか、レスキューキングの各部から蒸気が噴き出す。
それと共に、変身が解除される。
「なっ何が起きたんだ」
「意識が一つになっていたような」
「奇妙な感覚」
森羅とアーサーと環は混乱していた。
「これが協力……ってやつか」
新門が腕を組んで眺める。
彼らの眼前ではドライブタイプトライドロンが佇み、その複眼が夕陽を反射していた。
浜辺に打ち寄せる波の音だけが残り、戦いの終わりを告げていた。
だが。
「父親の仇を討てたと信じて喜ぶお前は…実に滑稽だ…精々これから知る真実の闇に…もがき苦しめ…!」
「っ」
聞こえて来た声。
見つめた先には、倒したはずのフリーズロイミュード。
そのコアは、既に限界となりながら、放たれた言葉は、波乱を残すだけだった。