仮面ライダーレスキューキング――森羅・アーサー・環の意識が合一した巨大兵器。右手に握るのは水流噴射機構を備えたキングエクスバッシャー。青い冷却水が剣身を伝い、蒸気を上げている。
対峙するのはハート・ロイミュード。赤い革コートを脱ぎ捨て、露わになった鋼の筋肉が朝日に輝く。頭部の心臓型アクセサリーが鈍く脈動し、その瞳は獲物を見つけた獣のように爛々と燃えていた。
「さあ……始めようか」
ハートの低い声が砂を震わせる。瞬間――
ドゴオオオオオンッ!!
ハートは、ロイミュードとしての本来の姿へと変わる。
それと共に、ハートは拳を構えた。レスキューキングは剣を腰だめに引き絞る。
最初に動いたのはハートだった。まるで溶岩流のように猛然と突進し、レスキューキングの懐に飛び込む。拳が真空を切り裂き、砂を巻き上げた。
「アーサー!」
森羅の声が響く。アーサーの操作でレスキューキングが左腕を突き出す。硬化した装甲が衝撃を吸収し、ハートのパンチを弾き返す。
「ふん、硬いな」
ハートが距離を取る。その間にレスキューキングが反撃に出た。キングエクスバッシャーから冷却水が噴射され、水滴が月輪のような軌跡を描く。
「環!水圧調整!」
環のコントロールで水流が凝縮され、剣身が青白く輝く。それは刃と化した水流で斬撃を放つ必殺技――エクスフラッシュだ。
「なめるな!」
ハートは両腕を交差し、水の刃を受け止める。甲高い金属音が響き渡り、飛び散った水滴が宝石のように輝いた。
「おもしろい……おもしろいぞ!」
ハートの瞳孔が広がる。彼の胸の内燃機関が赤熱し始め、全身から蒸気が噴き出した。デッドゾーンへの突入だ。
「森羅くん……奴の動きが速くなるよ」
環の警告に森羅が頷く。レスキューキングが姿勢を低くし、剣を構える。
次の瞬間、ハートが消えた。いや、超高速で移動したのだ。背後に現れた彼の拳がレスキューキングの背部装甲を叩く。
「ぐっ……!」
衝撃が三人の意識を揺さぶる。だが同時に、リング状の冷却液が背部から噴射され、ハートの拳を凍らせる。
「なるほど……この戦いは俺たちの温度管理も重要だ」
アーサーが分析する。森羅の機械心臓が共鳴し、レスキューキングの全身に熱が巡る。まるでハートのデッドゾーンに呼応するかのように。
「ふははは!熱くなってきたぜ!」
ハートが咆哮する。彼の頭部から光弾が放たれ、砂浜を焦がす。レスキューキングは回避しながらも的確に反撃を加える。
キングエクスバッシャーから放たれる冷却光線がハートの脚部を凍結させる。一瞬の隙に剣が振り下ろされる。
「エクスクラッシュ!」
X字の斬撃がハートを切り裂いた。赤いロイミュードの体表に亀裂が走る。
「いい……いいぞ!これが戦いだ!」
ハートの咆哮が雷鳴のように響く。彼の内燃機関が臨界を超え、全身が赤く染まっていく。デッドゾーンの限界突破だ。
だが、ハートは。
「泊進ノ介と戦う時もそうだ!この感覚はっ」
そう、彼の意識は、別の相手と戦っているように感じていた。
(なんでだろうか。今、戦っているのは俺たちだ。でも、ハートは、泊進ノ介と戦っているのか?)
その違和感が一瞬だけ戦いを止めた。
だが、その一瞬が致命傷となった。
「っ」
レスキューキングの胸部にハートの拳が突き刺さる。
機械の心臓が悲鳴を上げる。
「森羅君!」
「森羅!」
アーサーと環の声が響く。
その時だ。
「まだだ!」
レスキューキングは全身の冷却水を噴射。
それによってハートは押し戻される。
「アーサー!環!行くぞ!」
「了解!」
「やってやる!」
それと共に、レスキューキングは最後の力を振り絞る。
『ヒッサーツ!フルスロットル!』
必殺技の音声が鳴り響く。
それと共に、全身の冷却水が剣に集約される。
キングエクスバッシャーが輝きを増す。
「くくっ」
それを見て、ハートは嬉しそうに笑う。
まるで子供のように。
「来い!」
それと共に両者共に突撃する。
ハートの拳がレスキューキングに迫る。
「エクスクラッシュ!」
キングエクスバッシャーが振るわれる。
そして、両者の激突し、周囲の砂浜を抉るほどの衝撃波が巻き起こる。
そして次の瞬間。
ハートが弾き飛ばされた。
全身から火花を散らしながら砂浜に転がる。