初めに森羅が感じたのは、崩壊するビルを支えた驚きだった。
明らかに人間が一人で支えるには不可能な大きさの建物を支えている自分自身の力に。
「このレスキューの姿は」
次に確認したのは、変身した自分自身の姿。
これまでのオレンジ色のレスキューとは違う銀色のレスキュー。
その姿に変わった影響なのか、溢れんばかりの力が身体中に満ちていく。
それは、まるで自分の力とは思えないほどに強大なもの。
そう思っている間にも、次々と崩れ落ちてくる瓦礫も、全てを受け止める。
「けれど、これじゃ、瓦礫を止めるだけで、救助活動はっ」
森羅はそう言うが、それも仕方のない事だと言えるだろう。
巨大なビルを支える事は出来ても、下敷きになっている人間を助ける事が出来ないからだ。
それに、これだけ大きな建物を一人で支える事など普通なら不可能に近い。
だからこそ、森羅は迷っていた。
(どうすればいいんだ?)
このままでは、多くの人たちを救うことが出来ない。
そう思いながらも、森羅は必死に考える。
自分に出来ることを。
自分が助けられる範囲は。
「おいっ」
「っ」
聞こえた声。
そこに立っていたのは、アーサーだった。
「お前っ、馬鹿っ、さっさと他の人を避難させろっ」
森羅は、今の状況で現れたアーサーに対して怒鳴るが、それでもアーサーは止まらない。
「知るか」
「っ」
アーサーは、そんな森羅の言葉に対して。
「レスキューは、一人ではやらない。それは、少しでも助けられる命を救いたいからこそ」
そう言って、アーサーは叫ぶ。
「お前がレスキューとか、大きな力を持っているからと言って、お前一人に背負わせるつもりはない!」
そう言うと、アーサーはその手に瓦礫を持つ。
「だから、俺も協力してやる」
「っ」
その言葉に、森羅は思わず驚く。
この場において、それは無茶だと分かる。
馬鹿だと、思う。
だが、それと同時にアーサーの気持ちも分かる。
森羅もまた、アーサーと同じく人々を守る為にレスキューとなった。
だが、この状況で、どうすれば。
そんな疑問に思った時だった。
『ドーザードラゴンと共鳴しました』
「えっ」
それは、レスキューコマンダーからの音声だった。
森羅が疑問に思うのを余所に、森羅と共に、ビルを支えた影に目を向ける。
それは、ファイヤードラゴンと一体化している銀色のマシン。
そのマシンから飛び出た物は、そのままアーサーの腕に装着される。
「むっ、これは」
アーサーの腕に装着された物はドライブが変身に使用するシフトブレスと似ていた。
それに合わせてか、森羅の元から、シフトドーザーが、そのままアーサーの腕にあるシフトブレスに収まる。
合わせて、森羅のレスキューコマンダーには、シフトファイヤーが再び装填される。
『RESCUE!TYPE-FIRE』『RESCUE!TYPE-Dozer!』
それと共に、森羅の姿は、再びタイプレスキューへと変わる。
同時に、アーサーの方には、なんとこれまで森羅が身に纏っていた銀色のレスキューが纏われた。
「むっ、なんだこれは」
それには、アーサーも困惑をしていた。
状況を理解出来ないのは、森羅も同じだった。
しかし。
「これだったらっ、アーサー!」
「むっ、仕方ない!」
先程と交代するように、アーサーがそのままビルの崩落を防ぐ。
「そのまま支えておけ!」「分かったから!さっさとやれ!」
その言葉と共に、2人目のレスキューとの共闘。
それによって、ビル崩落の犠牲者は0となった。