「全く、森羅の奴ら、何を隠しているんだか」
彼女は、森羅達が去った後、すぐに避難誘導を行っていた。
近くに、怪物が出たという通報が出た為、市民に被害が出ないようにすぐに行動していた。
未だに放火魔が捕まっていない事を考え、その放火魔が怪物である可能性も考慮しての行動だった。
その最中だった。
「あれ、あそこに子供が?」
ふと、子供の姿が見えた。
先程まで、放火現場にいた子供の一人という事もあり、気になった。
「あの子、どこに行くんだ?」
環は、すぐに気になって、その後ろへと着いていく。
彼が向かった先は、街の中央にあるスクラップ工場だった。
子供が、なぜここに?
疑問に思いながらも、環はすぐに向かう。
「君、そこで何をしているの?」
「えっ!?」
突然、声をかけられた事によって、少年は驚きの声を出した。
その様子に対して、環は疑問に首を傾げていると。
「どうしたの?」
「そっその、おじさんが、怪物でっ」
「怪物?」
少年が突然言った、怪物という言葉に環は疑問に思った。
だが、その次の瞬間。
「おやおや、まさかのお客さんが2人もいるなんて、驚きだなぁ」
「えっ」
突然、後ろから声をかけられて、環は首を傾げた。
先程まで気配もなかった白髪の男性が、後ろから現れた。
その事に対して、環は疑問の声を出しながらも。
「えっと、もしかしてここの責任者でしたか?」
「まぁ、そうだね、それであなたはここで何をしに?」
「いや、この子が廃工場が入っていくのを見かけたので。この近くにまだ怪物の目撃情報があったので、危険を知らせる為に」
「・・・そうでしたか、それは大変でしたね」
白髪の男は、そのまま怪しげな笑みを浮かべながらも。環を見つめる。
それが、何か嫌な予感をさせたのか。
「それじゃ、ここは危険ですから、早く避難しましょう。まだ怪物がここにいるかもしれませんから」
「・・・そうですね」
白髪の男の雰囲気に対して、疑問に思いながらも、環は少年の手を引いて、その場から離れる事にした。
避難という事もあるが、それ以上に危険を感じた。
だからこそ、少年をすぐにでも避難させる。
そう思った時。
「お姉ちゃん!」
「えっ、うわぁっと!?」
少年からの声をかけられ、その場で、何もないのにこけてしまう。
それと共に、身に纏っていたジャケットだけが脱げてしまう。
だが、次の瞬間には、ジャケットに何かが襲っていた。
「ちっ、運の良い奴だな」
「っ」
聞こえた声。
見つめると、そこには、怪物が立っていた。
危険だと。判断し、少年を連れて逃げようとした時。
「なっ」
その瞬間、環の動きが、ゆっくりと。
「丁度良い、君達には、実験台になって貰おうか」
それと共に、怪物達は、ゆっくりと環に近づく。